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元冒険者の貴方に仕えるメイドの正体はかつて討ち取った筈の邪竜でした
written by 霜月鷹
  • ファンタジー
  • 人外 / モンスター
  • メイド
  • ドラゴン
  • 竜人
公開日2022年05月15日 00:46 更新日2022年05月15日 00:46
文字数
1242文字(約 4分9秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
眼帯を付けた素性不明のメイド
視聴者役柄
英雄と称えられる元冒険者
場所
屋敷
本編
うふふ……お目覚めのようですね、おはようございます。
えぇ、また読書の最中に眠っていましたよ……それはそれは、素敵な寝顔でしたわ。
コーヒーをお淹れしてありますので、宜しければお飲みください──はい、腕によりをかけて貴方様好みの味に仕上げさせて頂きました。
まだ本をお読みになるのでしたら、夕食の時間を遅らせるように手配しておきますが……かしこまりました、それではそのように致しますので、少々失礼いたします。

ただいま戻りました。
本日の夕食は一時間ほど遅らせるように致しましたので、それまではどうか、心ゆくまで読書をお楽しみくださいませ。
はい……?私に聞きたい事、ですか?
かしこまりました……私にお答え出来る限りの事でしたら、どうぞ遠慮なくお聞きくださいませ。
「私が眼帯をしてる理由」ですか──つまらない話ですが、それでも宜しいでしょうか?
実は私、ここで貴方様に仕えさせて頂くことになる前は……その、お恥ずかしい限りなのですが、多くの村や町を襲っていたのです。
二年前……世間では貴方様が国を荒らす邪竜を討伐した話題で湧き上がっていた頃の事です。
私がいつものように町を襲っていた時、一人の若者が私の前に立ちふさがり勝負を挑んできたのです。
結果は……見ての通り、私は片方の目を奪われて敗北してしまいました。
紛いなりにも武を嗜んでいた身として……あの青年の一太刀、実に見事なものでした。
的確に私の隙を狙い、私が誇っていた角を斬り飛ばしただけでなく、そのまま私の目まで奪うだなんて。
無駄のない動きで鱗の合間に滑り込み、私の肉を引き裂いたあの一撃……あぁ……思い出しただけで身震いしてしまいますわ。
とはいえ彼も両足に怪我を負い、今では屋敷で隠居生活……ちょうど目の前に居る、貴方様のように。
うふふ……どうしたのですか、表情が強張っていますよ?もしかしてあの日の事、思い出してくださったのですか?
私と戦い、勝利し、国中の民から「英雄」ともてはやされるようになったあの日の事……冒険者としての貴方様が最大の手柄をあげ、そして終わった日の事を。

えぇ、私は貴方様が討ち取った邪竜です……うふふ、お元気そうで何よりですわ♪

貴方様に討ち取られた後、私は最期に残った力を使って人の姿に転生したのです。
一命は取り留めましたが奪われた目や竜の力は戻らず、今は一人の人間として、竜だった頃とは違い平穏な日々を謳歌しているのですわ。
うふふ、そんなに張り詰めた表情をしなくても結構ですわよ?
私は貴方様に復讐をする気など微塵もございませんから……えぇ、今の私は一人の女として、貴方様の事を心からお慕いしているにすぎません。
私はあの時……貴方様に殺されたあの瞬間、貴方様に一目ぼれしてしまったのです。
貴方様のような強く逞しい方の傍に居たい……例え貴方様がもう二度と戦う事の出来ない体だとしても、かつての私が付けたその傷を見る度に気分が高揚して、それだけで満たされるのです。
ですからどうか、これからも私をおそばに置いてくださいませ……私を倒し、そして私の心までも手に入れた──

とってもお強い、愛しの冒険者様♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
元冒険者の貴方に仕えるメイドの正体はかつて討ち取った筈の邪竜でした
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を書いてるタヌキ的な「何か」です。
もし宜しければ、使用実績の方もお願いします…!
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有償・無償問わず演者側キャラクターの性別変更、罰ゲーム等への使用は御遠慮願います。
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