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居候悪魔に強制契約される
written by 霜月鷹
  • 現代ファンタジー
  • ヤンデレ
  • 悪魔
  • 強制契約
公開日2022年06月30日 14:42 更新日2022年06月30日 14:42
文字数
2662文字(約 8分53秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
(余命宣告をされてる)一般人
視聴者役柄
居候の悪魔
場所
主人公の自宅
本編
おかえりなさい……って、なによその顔。
せっかく出迎えてあげたっていうのに、私がここに来てから毎日同じ反応……流石にそれはナシじゃない?
私が居るのがそんなに嫌なのね……まぁ良いわ、人間の事情なんて私には関係ないし。
ほらほらご飯は用意してあるから、さっさと食べちゃって。
あのねぇ、そんな疑わなくたって平気よ平気!
ヘンな物は入れてないし人間が食べれるモノで、もちろん人間が食べられる味付けにしてあるから。
「美味しいとは言わないのか」って……あのねぇ、私ってばそんなに自信過剰な悪魔じゃないんだけど。
私の料理がアンタの口に合うかなんてまだ分からないんだし、まずは食べてもらわないと今後の方針とか決まらないの。
だからとにかく、まずは食べてから感想を──
「これからも居るつもりなのか」って……当たり前でしょ?

悪魔っていうのはね、気に入った人間と契約を結ぶのが好きなの。

だから私はアンタと契約がしたい、だからアンタがその気になるまでここに居座らせてもらう……この間も言ったと思うんだけど?
別に、契約の内容なんてなんでも良いのよ?
「力が欲しい」なんて馬鹿げた願望から「不労所得が欲しい」みたいな現実的なお願いも、対価さえ払ってくれれば大概の事は出来るんだから。
一応言っとくけど、対価なしで願いを叶えるなんて事は出来ないんだからね?
それは契約じゃなくて命令、悪魔は契約者と対等に動くモノであって命令されて動くモノじゃないんだから。
「願いの無い自分には関係ない話」って……アンタに願いがない事くらい、とっくに知ってるわよ?
だから私は、そんな願い事のない退屈なアンタが何かを願うまでここに居るって決めたの……別に問題はないでしょ?
光熱費とか私が使った分はちゃんと払ってるし、それに家事だってやってあげてるのに……人間って本当に訳わかんないわね。
でも、その訳わかんないところが堪らなく愛おしいのよ♪

あ……そういえばアンタ、今日はいつもより帰りが遅かったじゃない、何かあったの?
「ちょっと寄り道してた」……あっそ。
まぁなんでもいいけど、私を待たせるなんて良い度胸してるじゃない……さてはそのカバンに何か隠してるわね?
うふふ、今すっごい露骨に視線が泳いじゃってるわよ♪
アンタって本当に嘘の付けない人間なのね……というわけで、ちょっと中身を拝見させてもらうわね。
って何よ、そんなに嫌がって……ま、人間風情の力じゃ私には到底かなわないんだけどね♪
それじゃあ拝見させてもらいま~す……ふむふむ、これは……診断書?
寄り道って病院の事だったのね。
それで肝心の内容は──ちょっと待って、アンタこれ、本当なの……?

余命宣告って、何かの冗談とかじゃなくて?

は、はは……馬鹿げた話だけど、でもおかげで納得したわ。
アンタ、他の人間と比べて貧弱過ぎるもの……ちょっと良いかしら、少しだけアンタに触らせてもらうわよ?
大丈夫、殺したりなんかしないわ……少し確認したい事があるだけ。
ん……これは……はぁ、本当に最悪ね。
現代医療っていうのも凄いのね、ここまで正確に体の内側で起こってる異常を見つけられるなんて。
本当に手の施しようがない……ハッキリ言って、今の人間じゃアンタを治す事は出来ないわ。
その紙に書いてある通り、出来る事といえば死ぬ瞬間を待つくらいよ。
「何をしたのか」って……アンタじゃ到底理解できないでしょうけど、魔法でアンタの体の中を覗かせてもらったのよ。
そんな顔されても私、悪魔よ?
悪魔ならそれくらい何てことないわ……というか、悪魔の存在を信じられるのに魔法は信じられないって、アンタやっぱり変わってるわね。
それよりアンタ……流石にその若さで死ぬのは、いくらアンタとはいえ嫌でしょう?
私と契約してくれるなら、アンタを死の運命から救い出すことくらいは出来るけど……断る?
ちょっと待って、それ本気で言ってんの!?
「もう色々と疲れたからちょうど良い」って──はぁ、アンタってば本当、私の事をイライラさせるのが得意みたいね。

はーい、貧弱でクソザコな人間さんは、かわいくて献身的な悪魔に押し倒されちゃいましょうね~♪

こういう事、悪魔のイメージダウンにつながるから本当はしたくなかったんだけど……これも全部、アンタが悪いんだからね?
はいここ注目、まずは私の手の中に丸めた紙が出てきます。
これを開くと……じゃじゃーん、紙の正体は悪魔と契約する時に必要な契約書でした♪
そして次に、私に押し倒されて何も出来ないザコ人間の唇に私の唇を重ねます……この時、お互いの舌を絡めるともっと良い感じになります。
「なにをするんだ」って聞かれても……ふふ、それは「キスしてみてからのお楽しみ」ってヤツよ♪

んっ……はぁ……はぁ……危ない……夢中になり過ぎて、息できなくなるところだった♪
さてと、それじゃあお願いなんだけど……私の持ってる契約書、まずはアンタが自分の手で持ってほしいな~
うふふ、私がアンタに何をしたか……これで分かったでしょ?
アンタにはその気がないのに、体が勝手に動いちゃうわね♪
そう、これはアンタの体を私が思うがままに動かせるようになる魔法……私がこれで何をしようとしてるのか、アンタなら分かるんじゃないかしら?

その通り、それじゃあ命令よ──その契約書にサインをしなさい♪

うふふ、これでようやく契約完了……そうそう、アンタに願い事はないみたいだから、契約の内容は私が決めさせてもらったわ。
私がアンタにあげるのは悪魔としての新しい命、その代償として私が貰うのはアンタの全て。
これからはアンタの心も体も全部、全部全部ぜ~んぶ私のモノ!
アンタは一生、私の隣で悪魔として生き続けるの……文句は言わせないからね?
何度も言ってるけど、私はアンタの事を気に入ってんの。
それなのに肝心のアンタがあと少しで死ぬとか、そんなの受け入れられる訳ないでしょ?
だから、これからは私と一緒に悪魔として生きてもらうの。
もしかして、私と一緒に居るのが死ぬより嫌とか……そんな悲しい事、言わないわよね?

うふふ、返事は後で聞かせてもらうわ──気付いたかしら?

アンタの体、人間から悪魔に変化し始めたわよ♪
それ、経験者的には死ぬほど痛いみたいだけど、契約のおかげで死ぬことはない……というか自分で死ぬことも出来ないから安心して苦しんでちょうだいね♪
痛みで気が狂っちゃうかもしれないけど、悪魔なら狂ってるくらいがちょうど良いから……そうね、むしろ積極的に狂ってくれると嬉しいわ♪
さてと、私はアンタの為に色々と準備しなきゃいけないことがあるから席を外させてもらうわ。
それじゃあ、アンタが立派な悪魔になったらまた会いましょう──

悪魔になったアンタと過ごす明日からの日々、とっても楽しみだわ……私だけの契約者さん♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
居候悪魔に強制契約される
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を書いてるタヌキ的な「何か」です。
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