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押しの強いお嬢様が家に泊まりにきた
written by 羽衣ロロモン
  • 甘々
  • 純愛
  • お嬢様
  • 敬語
  • お泊まり
公開日2022年08月17日 23:37 更新日2022年08月17日 23:37
文字数
1794文字(約 5分59秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
夜中にインターホンが鳴った。こんな時間に誰だと思って玄関窓を覗いてみると、彼女が立っていた。こんな時間に、ここにいるべきではない彼女が。
本編
【時刻】夜
【舞台】聞き手の住む部屋の玄関先

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こんばんは
遊びに来ちゃいました

こんな夜中に押しかけてきてしまって、申し訳ございません
私、「待たせる」のは得意なんですけど
「待たされる」のはどうも苦手なんです
だから私、どうしても我慢できなくて……

え?
だってあなた、この前私の家に来てくれた時、「また遊びに来るよ」なんて言っておきながら
なかなか遊びに来てくれないじゃないですか

私はいつでもあなたをお出迎えする覚悟で過ごしてきましたのに
あなたってば、私のことを焦らしてばっかり

あなたに会いたい気持ちで胸がいっぱいの私を、ずーっと置いてけぼりにしたんです
これくらいのワガママは聞いていただかないと困ります

……「社交辞令」?
なんですか? それ

とにかく
お部屋、入ってもいいですか?
実は私、今あなたに振られちゃうとすごく困るんです
行くあてがないと言いますか
お父様や召使いたちには内緒でお家を抜け出して、ここまで来てしまったので
このまま家に戻ると……ね?

察しの良いあなたなら、だいたいの想像はつくんじゃないでしょうか
うふふふふ
なんだかんだ私のわがままに付き合ってくれるあなたのこと
私、とっても大好きです

それじゃあとりあえず、お茶でも飲みながらゆっくりお話しませんか?
美味しい紅茶を頂いたんです
あなたもきっと気にいると思いますよ

(場面転換 数秒の間を置く)

はい、どうぞ
とっても良い香りのする紅茶でしょう?
さぁ、召し上がってください

…………ふぅ
なんだかとっても不思議なくらい、落ち着きます
この紅茶も、あなたと一緒にいるせいかずっと美味しく感じて……

……「気のせいだろ」って
相変わらずのそっけない反応ですね
もうちょっとこう、なんといいますか、「キュン」というか「ときめき」というか
そういうのを感じてほしいのですけど……

「なんで」って……
だって、私、あなたのこと好きですし
からかってなんかいません!
本気です

この前からずっと、何度も繰り返しそう言ってるじゃないですか
私、遊び半分でそんなことが言える女性ではありません
それでも信じてくれませんか?

……じゃあ、信じてくれるまで何度も言ってあげます
身分の違いだとか、私の家族が許してくれるかどうかだとか
そんな些細なこと、どうでもよくなっちゃうくらい私のことを好きになってもらいます
覚悟しておいてくださいね

それと合わせて、お伝えしておきますけど
今夜は私、家には帰らないつもりですので

はい、「お泊まり」です
良い響きですよね、「お泊まり」って言葉
私ずっと憧れてたんです

だから、今夜だけ、ね?
もうちょっとだけ、私のワガママに付き合っていただけませんか?

ふふふっ
やっぱり、あなたは優しいお方です
それじゃあそういうわけで、今夜はよろしくお願いしますね

あぁ、同じベッドの上で一緒に寝るなんて、すごく窮屈で寝心地が悪そうにしか思えませんけど
なんだがすっごく楽しみです
一枚の布団を分けあって、お互いの体温を背中越しに感じたり
それで、寝返りを打ってみたらあなたの寝顔が目の前にあったり
ほんのちょっとだけ魔が差して、ほっぺたを指でつついみたらあなたが起きちゃったり
暗闇の中でじぃっと見つめあって、そのまま……
きゃー!
いけませんいけません! そんなのハレンチです!
そういうのはちゃんと順序を守っていただかないと困ります!
あぁでもでも、今日お泊まりにきたのは、その「あわよくば」を狙ってことでしたし
それでも私は全然構わないんですけど!
やっぱり心の準備というものがぁ!

……ハッ!
…………
失礼しました、少々、いえ、だいぶひとりで勝手に興奮してしまったようで……
お見苦しいところを見せてしまいました
申し訳ございません
気持ちが落ち着くまでもうしばしお時間を……

しかし、同じ布団の中で男女が寝るというのに
あなたの落ち着きようはいったいどうして……
もしや私以外の女性とそういった経験が!

えっ? 「自分は床で寝る?」
……本当に?
…………
なるほど、そういうことでしたか
わかりました
では、体を冷やして風邪をひかないように気をつけてください
もし途中で限界がきたら、遠慮なくベッドの方へお越しください
いつでも歓迎しておりますので

それと
もし次の日の朝
シーツが汚れてても、許してくださいね?
私も、年頃の女の子ですし……

おほほほほ
冗談です

それでは話もまとまったことですし、私はパジャマに着替えてきますね
お気に入りのものを、持ってきたんです
着替えは……洗面所、お借りしますね
すぐ着替えてきますので……

あっ
…………覗いちゃダメですよ?
うふふ
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
押しの強いお嬢様が家に泊まりにきた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
羽衣ロロモン
ライター情報
ハゴロモ ロロモン
羽衣(ハゴロモ)ロロモンです。
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