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アイドルが僕を知りすぎている
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • アイドル
  • ストーカー
  • 電話
公開日2022年10月03日 18:48 更新日2022年10月03日 18:48
文字数
2286文字(約 7分38秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
アイドル
視聴者役柄
ファン
場所
あらすじ
あなたが推しているアイドルグループのCDに、メンバーと電話で話ができる特典の応募券がついていた。
当然この機会を逃すはずもなく、応募をしたあなた。
すると当選したらしく、ある日、メンバーからの電話がかかってくる。
喜びながら話をしていたあなただが、彼女の話から、不可解な点に気付いてしまい……
本編
 (SE:携帯電話コール音)
 (かしこまった声で)

もしもし。
そちらは、先日のアイドルとの電話特典に応募された方でお間違えないでしょうか。

お間違えないですね?

 (ここから明るい声)

この度は電話特典への応募、ありがとうございます!
お気付きの通りかと思われますが、当選されたことをお知らせします。
おめでとうございます!

今回の電話特典ですが、より親近感を感じてもらいたいので、砕けた言葉遣いでお話してもよろしいでしょうか?

ありがとー!
私もファンの皆とは、より近い距離でいたいから嬉しい。

まず、今の君の気持ちを聞いてみたいな。
私と電話で話してるって、どんな気分?

そっか、嬉しいかぁ~。
そんなこと思ってもらえて、私も嬉しいな!

ファンの人とこんなにしっかりと話すことになるって、ドキドキするけど、その分ワクワクもしてるの。
私もね、ファンの人と直接……って言うのかわからないけど、特別な感じでお話できるって、素敵だなって思うんだ。
最初にこの企画の話をマネージャーさんから聞いた時に、これだ!って思ったもん。

本当は直接会ってお話するのが一番君も嬉しいとは思うんだけど、そういうのって、危ないんだってさ。
握手会みたいなら、警備の人も守りやすいけど、ふたりきりっていうのじゃ、事件も起こりかねないって。

でも、聞いてみたいんだけど、もし、私と一日好きなことが出来るとしたら、君は何がしたいって思うのかな?

うん、そっか。
私相手じゃ、緊張しちゃって、何にもできないタイプなんだ。
なんか、私もそういうこと思われちゃうところまで来ちゃったんだね。
それはそれで、意外だったけど嬉しいな。

でも、よく考えたら私もそうかも。
私も子供の頃に好きだったアーティストさんがいたけど、その人と会うとか、考えただけで緊張しちゃうもん。
一緒にカラオケとか行って、本人の前で歌おうとか、怖すぎるよ。

君も、私が一緒だったら、いつも通り1曲目から私たちの曲なんて、入れられないでしょ?
それとも、私が歌っちゃう?
そうしたらすごいね。
たった一人、自分のために歌を披露だなんてしてくれたら、一生の思い出になっちゃう。

あと、歌とかじゃなくても、プレゼントなんて貰ったら、一生捨てられないだろうね。
君は、私から何か貰えるとしたら、欲しいものとか、あったりする?

うーん、サインとかじゃなくて、彼女からのプレゼント、みたいな感覚でさ。

例えば、物じゃなくなってくるけど、手料理とか、いいと思わない?
アクセサリーとかは、そもそもオシャレに興味あるかどうかの問題があるけど、料理なら誰だって食べるわけだし。

それに、アイドルの手料理が食べられるなんて、相当レアだよ?
お家で作ってあげるってなったら、なんだか、結婚した気分になれて、これ以上ないプレゼントになると思うんだ。

え、私の料理の腕前?
心配無用。
基本的に毎日作ってるから、最高に上手いかはわからないけど、満足はさせてあげられるはずだよ。
それこそ、君の好きなオムライスだって作れちゃうし。

なんだか、こうやって話してると、本当に作りに行くみたいだね。
でも、その方がいいのかな?

だって、君って最近、コンビニ弁当だとか、カップ麺だとか、そういうのが多いでしょ?
やっぱり、身体にいいもの食べないとダメだよ。
あんまり野菜とかも摂ってないみたいだし、心配になっちゃう。

え、私、なんか変なこと言っちゃった?

あっ……そっか。
普通、アイドルって、ファンの好みとか生活とか、知ってるはずないか。

ううん、そんな、ファンみんなのこと調べられるほどアイドルは暇じゃないもん。
もちろん、君だけだよ?

だって、君は私にとって、特別なファンだから。

去年の、週刊誌騒動のこと、覚えてる?
ちゃんと嘘だったってことで収まったけど、結構炎上しちゃったやつ。

私さ、エゴサとかしちゃうくせに、くだらない罵詈雑言も真面目に受け止めちゃうタイプで。
この世界、やめよっかなって思ってた。

あれ、君だよね?
SNSで、ファンなら週刊誌よりも本人を信じろよって言ってたの。
たまたまかもしれないけど、影響力あるアカウントの人が拡散してて、丁度あの辺りから、きつい言葉も減ってきたような気がしたの。

謙遜することなんてないよ。
その結果に感謝してるっていうのは、少しはあるけれど、君が特別に思えた一番の理由じゃないから。

誰も私のことなんか信じてくれないのに、一番に私を信じてくれた気がした。
そりゃ、君はファンだから当然とか言うのかもしれないけど、あの時は、本当にそう見えたの。
君よりも熱のあるファンは沢山いるけど、何があっても、君だけは味方でいてくれそうな気がしたんだ。

実際、観察してみると、君って普通だけど、思ってた通りのいい人だよね。
みんなに優しくて、癒してくれそうなところ、惹かれちゃった。
私以外の女にも優しくしてるのは、ちょっと嫌だけど。

だからね、私、決めたんだ。
君の彼女になるの!

丁度よかった。
今回の応募企画、君が応募してくれて。

いくら君がファンだとしても、何にも言わずに、勝手に私が彼女になってるのは君も怖いでしょ?
あらかじめ電話でお話が出来て、これですんなりと一緒になれるよ。

君なら、受け入れてくれるよね?
私のことを信じてくれる、私の一番のファンなんだもん。
アイドルじゃない、プライベートな私のことも、愛してくれるよね?

ねえ、愛してくれるよね?
もしもーし?

なんでだろう、何にも言ってくれないや。

でも、いっか。
それなら直接お話聞かせてもらおっと。

今、君ってお家にいるんだよね?

なら、よかった。
今から私と、大事なお話をしよう?

 (SE:鍵の開く音)
 (SE:ドアの開く音)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
アイドルが僕を知りすぎている
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

Twitterアカウントは@yorugi_suu以外一切関与しておりませんのでご了承ください。
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