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知り合いの魔女のお礼スライムマッサージ
written by 松平蒼太郎
  • 現代ファンタジー
  • 魔女
  • サバサバ系
  • 知り合い
  • スライム
  • マッサージ
公開日2022年10月31日 21:50 更新日2022年10月31日 21:50
文字数
1739文字(約 5分48秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
魔女
視聴者役柄
青年
場所
魔女の家
あらすじ
貴方は森の奥に住む魔女の家へと足繁く通っていた。それは彼女が不要とした魔導具を集めるためであった。魔女もそんな貴方を快く迎え入れていた。そんなある日、彼女のガラクタ箱からオモチャのスライムを見つけた貴方は、それを癒し道具だと彼女に力説する。それを聞いた彼女は、癒し効果を貴方で実験してみようと言い出して…?
本編
(ドアの開く音)


ん?あぁ、アンタか。
こんな森の奥までよく来るねぇ。


ふーん?いつものガラクタ漁りかい?
まぁ持っていきたきゃ、持っていきな。


そう、ガラクタさ。あたしからしてみればね。


全部使い物にならなくなった
魔導具の残骸。だからガラクタってわけ。


ふーん…相変わらず
変わった子だねぇ、アンタは。
こんなモノになんの価値があるんだか…


ま、いいよ。処分する手間も省けるし
好きなだけ持っていきな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


紅茶、淹れたけど飲むかい?


そ。じゃあ好きな時に飲みな。


ん?なんだい?何か欲しいモノでも?


あぁ、それはスライムさ。
といってもモンスターじゃなくて
ただのオモチャさ。


そ。手で触って
感触を楽しむだけのオモチャ。
それ以外に特に使い道はないよ。


…は?癒し道具?スライムが?


バーカ、そんな話聞いたこともないよ。
アンタの独創かい?


へぇ…ずいぶんお気に入りみたいじゃないか。
そのプニプニが…


だったら実験してやろうかい?
この魔女様が…


まぁね。ちょうど暇だったし、
普段、ガラクタを処分してくれてる礼も
兼ねて、やらせてもらおうじゃないか。


ほら、そこの椅子に掛けな。
両耳をコイツでプニプニしてやるから。


ん…じゃあ始めるよ。じっとしてな…


(両耳スライムマッサージ)


どうだい?スライムを直接
耳に当てられてる感触は?


そうかい…そりゃよかった。


力加減は?もう少し
強めの方がいいか、弱めがいいか…


わかった。じゃ、とりあえず
このまま続けてくよ。


(しばらく無言でマッサージ)


そういやアンタ…前から思ってたけど
あの魔導具のガラクタを集めて
何してるんだい?


コレクション?なんだい、それは…
集めることそのものが趣味ってことかい?


ふーん…ま、何でもいいけど。
魔導具集めが趣味なんて
今どき変わってるねぇ、アンタも。


生き甲斐、か…
なるほど、アタシが新しい
魔法を研究して編み出すようなもんか。


あっそ…まぁアンタは魔法の才能が
カケラもないし、魔導具を悪用する
心配もないか。


うん、残念ながらね。
ま、いいじゃないか。
今どき魔法の才能なんてあっても
碌なことにならないだろうし。


そりゃあね…今は科学とやらが
発達した時代だろう?
魔法なんて時代遅れというか、
過去の遺物そのものさ。


つまり、魔法を表立って
使える時代じゃないってこと。
だから、アタシはこうして
森の奥に引きこもってる。


一応確認だけど…
魔法の存在を周りに言いふらしたり
してないね?


魔導具を持ち出してもいい代わりに
そう約束すると言っただろう?


ん、そうかい。ならいい。
これからもガラクタの処分は任せたよ。


え?………あぁ、このスライムは
ある魔法を編み出した際にできた
副産物さ。要するにオマケだね。


使い道がなかったから
捨てようと思ってたけど…
触ると意外と気持ちよかったから
つい取っておいてたのさ。


ん、そうだね…魔力は
多少宿っているけど、魔法を
使えるレベルの量ではないよ。


あはは、無駄さ。
いくら魔力が多く宿っていたとしても
アンタ自身に魔法を使いこなす才能が
ないからね。残念ながら。


いいのさ、魔法なんか使えなくても…
使えなくたって、いくらでも幸せになる
方法はある。


別に大した話じゃない。
現代で魔法を使えるのが必ずしも
良いこととは限らないってだけさ。


魔法が使えたおかげで
家族・親戚からは縁を切られちまった
からねぇ…化け物呼ばわりされてさ。


いいのさ。昔のことだから。
今はなーんも気にしてない。


それに…魔法を使える女のところに
足繁く通うバカもいるしね。


バカだよ、もちろん。
日常生活では全然役に立たない
代物ばっか集めてさ…
これをバカと言わずして
なんと言うんだい?


ふふふっ…さあね。
褒めてもいるし、貶してもいる。
どう捉えるかはアンタ次第さ。


ん?……やれやれ、仕方ないねぇ。
どれ、もう少し強めにマッサージ
してやろうかね。


(しばらく無言でマッサージ)


そろそろこんなものでいいかい?
スライムは十分堪能できただろう?


あ〜、そう?ベトベトする?
じゃあ少しだけ、お耳拭き拭き
しましょうか…


……はい、取れた。
じゃ、このスライムはアンタに
くれてやるよ。ほれ。


あぁ、好きに使いな。
アタシには必要ないからね。


あ…紅茶、冷めちゃったねぇ。
淹れなおしてくるよ。


なんだい?……ふふっ、ガキが
一丁前に言うじゃないか。


まぁ、好きにしな。
いつでも勝手に遊びに来るといいさ。
あたしはいつでもここにいるからね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
知り合いの魔女のお礼スライムマッサージ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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