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四大元素を司るヤンデレ魔導士から逃げられない〜長女・重土の魔導士編〜
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • シリアス
  • 拘束
  • ヤンデレ
  • 年下
  • 魔導士
  • パパ活
  • 戦闘
  • 依存
  • 異世界
公開日2022年12月16日 21:31 更新日2022年12月16日 21:31
文字数
2522文字(約 8分25秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
魔導士
視聴者役柄
場所
魔導士の家
あらすじ
逃げたところを次女に再び連れ戻された男は、今度は四姉妹の長女と対面する。男を自分の父親にすることに何の疑問も持たない長女に対し、男は真っ向から否定するが、彼女は意にも介さない。そして男を無理やりにでも納得させるために、彼女は一発勝負を持ちかけてくるが…?
本編
お帰りなさい、お父さん。


お父さんのお部屋、用意してあるから
自由に使っていいわよ。


何?その不満そうな顔…
わたしの作った部屋に
文句でもある?


そうよ。わたしが作ったの。
土魔法でこの部屋を増築したのよ。


何言ってるの。これくらい、わたしに
かかればどうってことないわ。


えぇ。わたしの無限に近い魔力量なら
部屋一つ…いいえ、家一つ建てることくらい
容易いことよ。


それで?その不満顔の理由は何?


ふーん…つまりわたしたちの
父親になるのが不満ってわけね。


あら、そそのかしたなんて失礼ね。


わたしはただ、妹たちに父親が
欲しくないか聞いただけよ。


そしたらみんな貴方がお父さんに
なって欲しいって言うから、それを
認めてあげただけ。


わたし?わたしも勿論賛成よ。
何当たり前のこと聞いてるの?


(ため息)


強情な人…いいわ、だったら
無理にでも納得させてあげる。


お父さん、元魔導士でしょ?
だったら、わたしと魔法で勝負して。
できるわよね?


えぇ、お父さんが勝ったら
今まで妹たちがやったことは
全部謝罪するし、ここから解放してあげる。


ただし…わたしが勝ったら
お父さんはずっとこの家で暮らすの。


当然、勝負は一回きりよ。受ける?
受けないなら、問答無用で拘束するけど。


分かったわ。
なら、勝負をするということでいいわね。


ルールは簡単。お互いの手持ちの魔法を
使って相手を屈服させる。それだけよ。


えぇ。相手に参ったと言わせるか、
動けなくさせるレベルまで打ちのめすか…


このどちらかで勝敗を決するというのでどう?


決まりね。なら、さっそく始めましょうか。


一応言っとくけど、お父さん相手だからって、容赦しないから。覚悟して。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ハァッ、ハァッ…


やるわね…妹たちに
魔法の助言をしただけはあるじゃない…


ふぅん、そうなんだ。
でも、わたしからしたら
十分大したことあるんだけど。


ねぇ…お父さんが魔導士辞めたのってさ…
自分の力が思うように制御できなくなったからでしょ?


一回、体内の魔力を暴発させて
災害もたらしてるもんね?


まぁその時は周りに何もなかったから
実質被害はゼロだけど…
自分の力、怖くなったんでしょ?


…そう。まぁでも、そんなことは
どうでもいいのよ。


わたしが気に入らないのは、
お父さんがわたしたちの元から
黙って離れたこと。


わたしも含めてみんなお父さんのこと
慕ってたのに…黙っていなくなるなんて
酷いじゃない。


分かってるわよ…自分がいたら
みんなを傷つけるから〜とか、
悲劇のヒーローみたいなこと
考えてたんでしょ?バッカみたい。


バカよ、それも大バカ。


勝手に一人で思い詰めて
勝手にいなくなって…


どれだけわたしたちが
寂しい思いをしたか分かる?


ごめんじゃないわよ。
口先だけの謝罪だけじゃ
済まされないから。


責任取って、わたしの本当の
お父さんになりなさいよ…!


…バカな人。この程度で
動揺して隙をみせるなんて…ねっ!


(重力魔法発動)


どう?わたしの重力魔法は?
身体、全く動かせないでしょう?


無理に動かそうとしない方がいいわよ。
身体、比喩抜きで千切れるわよ?


ねぇ、お父さん…そのままで
いいから聞いて。


わたしね、本当のお父さんがいないの。


物心ついた時から
お父さんがいないのが
不思議で仕方なかった。


周りの子はみんなお父さんが
いるのに、どうしてわたしだけって…


後からお母さんから聞いたんだけど、
うちのお父さん、浮気して海に沈められた
んだって。お母さんに。


ホントよ。お母さん、その辺は
ガチで容赦ない人だから。


でもわたし、それ聞いて嫌な気持ちになった。


当然でしょ?クズな浮気男の
血を受け継いでるなんてそんなの
認めたくないじゃない。


だからせめて、血は繋がってなくても
父親は自分で選びたいなって…
そう思って貴方を選んだの。


妹たちを教え導いた貴方なら
本当の父親になれるんじゃないかって。


いいえ、きっとなれるわ。
わたしが見込んだんだから
そうに決まってる。


貴方は他の女に浮気するような
クズ男とは違う。そうでしょう?


ねぇ、お父さん…?
年齢のことなら気にしなくていいのよ?


わたしの方が年上だけど…
それでも貴方には父性がある。
わたしや妹たちを支えてくれたのが
その証拠。


えぇ、わたしだってお父さんの
世話になってるわよ。


さっき使った重力魔法…
あれ、お父さんが直々に教えてくれた
魔法じゃない。忘れたとは言わせないわよ。


お父さんが手ずから教えてくれた魔法…
わたし、ここまで独力で極めたのよ?
一言くらい褒めてくれたっていいじゃない…


ふふっ…ありがとう。
その言葉がずっと聞きたかった。


やっぱりわたしにはお父さんが必要みたい。


お父さんがいなきゃわたし、
本格的にダメになるかも…


だって…こんなに依存しちゃってるんだもの。


このまま重力魔法で足をバキバキに折ってでも、わたしの近くにいて欲しいって、本気で思ってるから…


だから…ね?早くわたしに屈服して?


その口から「参った」って言葉聞かせて?


え……ちょ、お父さん!?
そんな無茶したら…!


嘘…!わたしの魔法を打ち破るなんて…!


ふふっ…さすがお父さん。
そう来なくっちゃ。


打ち破ったのはいいけど…
この後はどうするの?


一気に魔力を消費した反動で
動けないんじゃない?


もういいわよ…お父さん、
わたし相手にたくさん頑張ったから。
もう頑張らなくていい。


顔、こっち向けて…
最後に勝負、決めさせてもらうわね。ンッ…


(ディープキス)


ハァ…わたしの魔力、ちゃんと飲み込んだ?


ふふふ…苦しい?当然よね、
一気に魔力を過剰摂取したんだから。


さっき言ったでしょ?
わたしの魔力量は桁外れだって。


えぇ、そういうこと。
お父さんに最初から勝ち目なんてなかったの。


わたしに無尽蔵の魔力がある時点で
勝負は決まっていたの。残念だったわね。


けど…勝ち目がないことがわからない
お父さんじゃないわよね?どうして
勝負を受けたの?


あはは…!そう、分かってたんだ。
ここから逃げても無駄だってこと…


そうよ。いくら逃げたところで
またわたしの妹たちがお父さんを
捕まえる。


そしてわたしが最後に
お父さんを優しく迎え入れるの。
完璧なシナリオでしょう?


やっと分かってくれたんだ…嬉しい。
本当にありがとう。


(抱きしめる)


お父さんも、四人も娘がいるんだから
もう逃げちゃダメよ?


お父さんには娘の成長を
見守る義務があるんだから…
そうでしょ?


時間はたっぷりあるから…
これからいっぱい愛を育んでいきましょ?ね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
四大元素を司るヤンデレ魔導士から逃げられない〜長女・重土の魔導士編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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