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自称可愛くて出来る後輩ちゃんは、先輩に自分のことを忘れて欲しくないようです。いん夏祭り。
written by かよ!
  • からかい
  • 告白
  • 甘々
  • 切ない
  • 片思い
  • 少女
  • 後輩
  • 年下
  • 天然
公開日2023年01月02日 17:29 更新日2023年01月02日 17:29
文字数
2712文字(約 9分3秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
大学生女子、サークルの後輩
視聴者役柄
大学生男子、サークルの先輩
場所
夏祭り
あらすじ
あなたは大学三年!
一年間であなたに随分懐いた後輩ちゃんと、夏祭りへGO!!!

生意気かと思えば無邪気で、からかっているかと思えばしおらしく……。
そんな色んな表情をみせる後輩ちゃんとの日々は、いつしかあなたの中で失い難いものになっていたよ。

でもどこか、自分とは不釣り合いな気がして、一線を越えられずに今日に至っているよ。

でも、それでも、あなたは知っているよ。
後輩ちゃんを大切に想うなら、
他の誰か任せになんてせず、自分が彼女を大切にして、幸せにすべきなんだって。

他の誰かが、彼女を大切にするかは確証がないけど、
自分が彼女を大切にするという事だけは、少なくとも自分が自分であり続ければ達成可能であるからだよ。
でも、彼女を大切にしたいのはあくまで自分のエゴである事も理解しているよ。

そもそもこの世に、誰かの為なんてないんだ。

彼女が不幸になるのを見たくない自分の為に、
彼女ともっと共にありたい自分の為に、
他の誰かでない自分の為に、あなたは決めたんだよ。
花火が終わったら、彼女に気持ちを伝えようって。

いつかは全部終わっちゃう。

手を繋いだら離す時がくる。
でも、離れる度に繋ぎ直して
それを繰り返す。
それがきっと、人間に叶えられるただひとつの永遠の作り方。

花火が終わっちゃうのは寂しいけれど、
来年もまた、見にくればいいじゃん。
来年も、その来年も。
本編
[下駄の鳴る音]

せ~~~んぱ~~~い!
ごめんなさいっ!
お待たせ!
しちゃいましたっ!

……。


どうしたんですか。先輩。
何フリーズしてるんですか。


え。
浴衣、似合ってる……?
可愛い……ですか。


んん。
髪型も?


ふ、ふ〜ん。先輩……。
やるじゃないですか。
私が「どうですか」って言い出す前に褒められるなんて。
これも出来る後輩ちゃんの指導の賜物ですねっ!


あい。
今度はなんですか。
『着付けを美容院で頼んでたから遅れたのか?』って……。

……。

そーですよっ!

予約してたんですけどね!
想定より時間掛かっちゃったんですっ!!
急に褒めるの上手くなるの、やめてくださいっ!!!

先輩のくせに!生意気ですよっ!
言うタイミングをっ!
もっと!小分けにっ!してくださいっ!
ほんとっ!なんなんですかっ!


……あぁもう。

先輩のせいで、皆に見られちゃったじゃないですか。


行きますよっ!



◆◆◆



まずは、これ!
わたあめ~~~!

こんなの甘いだけ?
ん~~正解!
私も今は別に、特別好きって訳じゃないです。


でもでも!
このもこもこまんまるフォルム!
可愛い私に似合うと思いませんか~?

ほらほら!

べりべりふぉとじぇにっく~!
しゃったーちゃんす、ですよ!先輩っ!

可愛く撮れました?

じゃあ次は、先輩もほら、袋からだして!

はい、ぴーす!


[ここから出店ごとに次々場面転換するようなイメージ]


次はこれ!たこ焼き!
次!焼きそば!
つぎつぎっ!広島風お好み焼き!
じゃがバター!
唐揚げ!
りんご飴!
かき氷~~!



◆◆◆


……。

ちょっと食べ過ぎちゃいましたかね。
うぬぬ……帯苦し……。

はっ。
先輩。そろそろ花火の時間じゃないですか!?

お腹抱えて休憩してる場合じゃないですっ!
速やかに有利ポジ探しましょう!

これは陣取りゲームですっ!



◆◆◆



せ〜んぱ~~い……。
こんな穴場スポット知ってるんなら
先に言っといてくださいよ~。
そしたら私もあんなに慌てずに済んだのに……。

よいしょ。

[座る]


にしても。

空も良く見えるし、座れるし、
こんなにいい場所、知ってるなんて。


もしかして!

先輩…
後輩ちゃんとのお花火おデートの為に!
花火観覧最適ロケーションを事前調査していた……
ということなのですかっ!?!?


……。


あ、前に来たことあるんですね。


そですか。


いや〜先輩も隅に置けないな~~~!!!

そういうのじゃない?
またまた!いいんですよ。
そういう気とか遣わなくて!


……。


あ、天文部の活動で。
それも一人で。去年?


そうなんですね!よかったぁ。


あ。いえ、ほら……。
先輩が、たまたまフィールドワークしてて、よかったなぁって!!!
ないすわーくですっ!
なーいすふぃーるどわーく!
褒めて遣わ〜す!ばい後輩ちゃん。



[花火会場の電灯が消える]



あ、もう。
始まっちゃうんですね。

ほんと、あっという間……。




[花火が打ち上り始める]




あ、あそこ見てください!先輩!
上がり始めてますよ!花火!

花火といえば!アレです!
アレ言いましょうよ、アレ!


た~まや~!


……タイミング、今のでいいんですかね。


にしても。
綺麗ですねっ。先輩。



[花火は続いている]



花びらの一つ一つが
真っ黒な空に、キラキラって光って。

それで……。
いつか消えてっちゃう。
こんなに綺麗なんだし、ずっと咲いててくれて良いのに。

なんて。
そう思いませんか、先輩。

……。

ねえ。
先輩、知ってました?

こんなに可愛い後輩ちゃんなワケですが、
実は友達、そんなに多くなくて。


こう見えて、ほら。
私、結構気難しいので。


それこそ、
本音で話せる友達とか地元の友達くらいで。


それと、あと。
……先輩くらいで。


だから。


この間、先輩が就活始めて、正直……焦りました。
あぁ、こういう毎日って終わるんだって、やっと分かって。


おかしいですよね。
全然、別に、当たり前の事なのに。


なんでですかねっ。
ずっとずっと、続くような気でいたんです。


そんなハズ、ないのに。


……。


なんの話だって感じですよね!

ごめんなさ……。


[聞き手、肩を引き寄せる]


……!

せんぱ〜い……。
唐突に肩引き寄せる…なんて…
こんなムーブ、教えてないですよっ。
何処で覚えてきたんですか。


まったく。


私、余裕ある系女子で居たいのに。
最近いつも、先輩、不意打ちしてきて。
そのせいで余裕、なくなっちゃうじゃないですかっ。
ほんと、ズルいですよっ。



にしても。
ぬくいですね。先輩。
いえ、大丈夫です。
全然、嫌とかそういうんじゃないです。
夜風で少し冷えてたんで、心地いいくらいです。
最後に食べたの、かき氷でしたし。


……。


[静かに、打ち上がる花火を眺めている]


……ほんとに、すごく、綺麗。
大詰めって感じの勢いですね。


……。


先輩。
今日、二人で来れて、よかったです。
先輩は……どう、でしたか。


楽しかったですか。
ま、当然ですねっ。

こんなに可愛い後輩ちゃんと、
お祭りで遊んで、花火もこうやって肩寄せ合って見て…。
楽しくないわけないですもんねっ!


ふふっ。
えへへ…。

せ~んぱい。
ちょっとこっち向いてください。


[そっと唇と唇が触れ合う]


キス……しちゃいましたね。


これで、後輩ちゃんのこと…
忘れたくても忘れられませんね?

先輩はこれから先の人生、
花火を見る度思い出すんです。
私のこと。


何処にいても。
誰といても。
何をしてても、です。


……怒りました?


『勝手だ…』?

だって。
だって……。


花火も、もう終わっちゃうし、
夏休みだって、あと少しで終わっちゃうじゃないですかっ!


先輩だって、いつかは卒業して、会えなくなっちゃうじゃないですか…。


会えなく、なるじゃないですか……。


そんなの…私……。


だから、
どんな形でも…先輩に私を、憶えてて欲しかったんです……。


……。


『勝手に思い出になろうとするな』?

『本当はお前のこと、ずっと好きだった』って……


先輩、それって…
あ、はい。黙って聞きます。

『でも、俺なんかじゃなくて、同い年で、明るくて、女心の分かるやつが相応しいと思ってた』って…


そうやって私の事、居るかも分からない誰か任せに……!?


出来ない、ですか。
出来るわけないですか。


そですか。


えーと……。

つーまーりー……。


お話を整理しますと。


先輩は…
花火が終わったら私に告白なさるおつもりだった……。

という事で認識に相違はございませんでしょうか……。

YES……。

あー。


あーーー。


……だって。


仕方ないじゃないですかぁ……。
知らないですもん。
知りようがないじゃないですか!
先輩の予定なんてっ!

それに!
たいみんぐ!
肩引き寄せた時とか!
あの時言ってもよかったじゃないですかっ!


そこは臨機応変に…っ!


ふふっ。
あははは。

何やってるんですか、これ。

もう!
ムードも何もないじゃないですかぁ~!
……私のせいでもありますね。

はい。
ごめんなさい。


でもでも、どんな形であれ、
先輩の気持ち聞けて……
わたし、うれしいですっ。


あ。
見てください。先輩。


ちょうど、花火……終わったみたいですよ?


さっきは、心の準備出来てなかったんで。
後輩ちゃんへの愛の告白……
もう一回聞かせてもらえませんか?
私もちゃんと、お返事したいので。


ねっ。
いいじゃないですか~!
せ~んぱい!


わーんもあたーいむ!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
自称可愛くて出来る後輩ちゃんは、先輩に自分のことを忘れて欲しくないようです。いん夏祭り。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
かよ!
ライター情報
主に男性向け(女性演者向け)のシチュエーションボイス台本を投稿してます。

切ないの多めかも。

◆フリー台本について

使ったら教えて!めっちゃ喜ぶヤツ!
(喜ばせたくなければ教えなくてもいい)

読み辛かったら教えて!もう本文に反映しちゃうかも。

細かい所とか全然好きに変えて読んでくれちゃってOK。


◆質問等はこちらでも
Twitter :@reading_by_kayo
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