貴方は悩んでいた。小学校以来の幼馴染からは好意を寄せられ、現在付き合っている彼女からも重い愛を囁かれて板挟みになっていた。そんなある日、幼馴染と一緒に自分の家まで帰ることになり、家に帰ると、今度は恋人である彼女が部屋で自分のことを待っていた。自分に好意を寄せる二人がとうとうその場で鉢合わせてしまい、修羅場は避けられなくなって…？

A.ボクっ娘幼馴染　B.現役彼女


(終礼のチャイム)


A.ねぇねぇ。今日は僕と一緒に帰ろ？いいでしょ？


A.…僕から逃げる気？そんなわけないよね？


A.体育倉庫で僕のこと、押し倒したくせに…


A.あーあ…クラスの注目、集めちゃったね。どうする？


A.ふふっ、そうだね。早く帰ろっか。二人きりで、ね？


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(鼻歌)


A.君の家に行くの、楽しみだな〜♪


A.うん。だって放課後の自宅デートって感じするし。


A.今度はゲーセンか遊園地まで、制服デートに行くのもいいかもね。


A.彼女？僕が君の彼女でしょ？


A.僕は認めないよ、その女のこと。


A.元々は僕が君の彼女になる予定だったのに、勝手に横から奪い取って…絶対に許せない。


A.ほらっ。そんなことはいいから、早く家に帰ろ？カレカノらしく、くっつきながらのんびり過ごそ？ねっ？


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(家の扉を開ける)


B.あ、おかえりー。お邪魔してるよー。


A…は？誰？僕、君の家に女が居るなんて聞いてないけど？


B.あたしはそこの彼の彼女。彼女が彼氏の家にいるとか普通だよね？別に何もおかしいことないでしょ？


A.いや、普通におかしいから。勝手に彼女名乗って、勝手に家に上がり込んで…もしかしなくても犯罪者？やめた方がいいよ、そういうの。僕が通報したら、即捕まるよ？


B.あははっ！やれるもんならやってみればぁ？証拠もないし、警察は取り合ってくれないと思うけどねー。


A.ねぇ、何この女？これが例の泥棒猫？中学で離れ離れになってた間に、僕から君を奪い取ったあの女でしょ？


B.はぁ？なに人聞きの悪いこと言ってんの？あたし、ちゃんと告白して、それを彼に受け入れてもらえたから、こうして堂々と付き合ってんの。横から奪い取ろうとしてんのは、アンタの方でしょ？自分のこと棚に上げて、人を泥棒猫呼ばわりするなんて、信じられない。率直に言ってサイテーだよ、アンタ。


A.サイテーなのは、そっちだと思うけどね。僕は小学校の頃からずっと彼を思い続けてきたんだ。僕と彼が少し離れた隙に、横から割り込んできたのは、貴女の方。そっちこそ、自分のことを棚に上げないでくれるかな？そういうことされると、虫のいどころが悪くなるからさ。


B.いや、意味わかんないから。思い続けてきたって言うけど、気持ちは口に出して伝えてないんでしょ？だったら、いくら思い続けたところで意味ないし、今更気持ちを押し付けてる分、余計にタチ悪いよ。彼の負担になるようなこと、しないでくれる？


A.たしかに小学校の頃は、勇気が出なくて、口に出しては伝えられなかったよ。けど、好きだって気持ちに偽りはないし、何よりついこの間、好きだってことは彼にきちんと伝えた。貴女は僕より告白するのがたまたま先だったに過ぎない。たったそれだけのことで、彼女ヅラしないでくれるかな？虫唾が走るから。


B.それでも、あたしが彼に告白を受け入れてもらえたのは事実だし。アンタが横から何言おうと、この事実は覆せないから。残念だったね？負け犬ちゃん？


A.(舌打ち) 調子に乗らないでくれるかな…⁉︎ 彼は優しいから、仕方なく貴女の告白を受け入れたに決まってる！心から貴女を愛してるとは思えないけどな！


B.あーあ…弱者の僻みって怖〜いw すぐ自分に都合のいい妄想を現実に当てはめようとするんだからさぁ。ホンット、可哀想w


A.君…今のこの女の顔、見たでしょ？すごく邪悪な顔してる。こんな性格が終わってる女とは今すぐ別れた方がいい。付き合ってると、君がこの先辛い思いをするだけだから。


B.だーかーらー…妄想ってか、憶測でものを語らないでくれる？そうやって彼を惑わして、現在進行形で辛い思いさせてんのは、アンタの方でしょ⁉︎ これ以上、あたしの彼に妙なこと吹き込むのはやめてよ！


A.僕は彼のためを思って言ってるだけだよ。それの何がいけないの？あと、邪悪な顔してるのはホントだよ。鏡、今すぐ見てこれば？


B.もういい。アンタと話すだけ無駄だった。君、早くその女追い出してよ。どうせ無理やりついてこられて迷惑してるんでしょ？君が無理だってんなら、あたしが追い出してあげるけど？


A.出て行くのは貴女の方だよ。無許可で堂々と他人の家に居座って…少しは恥を知れば？君もなんとか言ってやってよ。この恥知らずな女にさ。


B.うるさい…うるさいうるさい！アンタごとき部外者があたしと彼の間に入ってくるな！小学校の頃から好きだった？笑わせないで！後からしゃしゃり出てきただけの、自称幼馴染ちゃんがさぁ！


A.自称っていうなら、そっちもでしょ？彼のこの引き攣った顔見てよ。明らかに貴女にドン引きしてるじゃないか。女の醜い本性を目の当たりにして、引かない方がおかしいよね？彼の気持ちが離れたのが分かったなら、おとなしく身を引いた方がいいと思うけどな。このまま彼に執着しても、惨めな思いをするのはそっちなわけだし。


B.…君、そこ退いて。そこの自分が好かれてると勘違いしてる雌犬を追い出さなくちゃいけないから。


A.…君、なんで止めるの？そこの醜悪な泥棒猫をそばに置いておくことは、君のためにもならないんだよ？だから、僕が排除してあげなくちゃ…


B.ふーん…？そこまで言うなら君が決めれば？まぁ当然、どっちを選ぶべきかは分かってるだろうけど。


A.そうだね。そもそも君が甘い態度を取るから、こんな性悪女が勘違いしてくっついてくることになったんだし。君が責任持って選ぶのが筋だよね？


B.はぁ？勘違いしてるのはそっちでしょ？寝取り女のくせして、堂々と恋人気取って隣でベタベタベタベタ…！見ててマジで気持ち悪い。吐き気がする。さっさと彼から見放されれば？


A.恋人気取ってるのはそっちだと思うけどな。ほら、君もいつまでも悩んでないで、ちゃんと選んで？それがモテる男の責任ってやつだから。


(Aが男の腕にしがみつく)


B.そうだよ…そこの寝取り系勘違い女をわからせてあげて。「俺はお前の彼氏じゃない」って。


(Bが男の腕にしがみつく)


A.両方からくっつかれちゃったね？もう逃げ場はないからさ…男らしくビシッと決めてよ。


B.そーそー…脇が甘い君は、これからも女の子を勘違いさせちゃうかもしれないからさ…今のうちにきちんと矯正しておかなくちゃ。


A.君は当然、僕を選んでくれるよね？
B.君は勿論、あたしを選んでくれるよね？

・台本（ゆるボイ！）
ボクっ娘幼馴染と現役彼女のドロドロ修羅場
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎