マフィアの男はボスの命令を受けて、とある鬼の女を殺そうとするが、敢えなく失敗。ところが、彼女は全く気にした風もなく、逆に男の身を気遣ってきて…？

えっと、さ…その、そんなに落ち込まなくてもいいんじゃない？


いや、だって…あたし、鬼族だし。


そんな豆鉄砲効かないって。普通に。


うん。どこの誰からいくらもらう約束したか知らないけどさ、あたしを殺すなんてやめよ？


弱点？え〜と…特には思いつかないけど…


あ、あー！思い出した！弱点ならあるよ！


うん！人間の男の子のうなじ！あれ見ると弱い！


そうだよ！ヒトオスくんのうなじって、見てるだけでなんかエロいじゃん！ムラっとくるっていうか…！


え？そういう弱点じゃなくて？もっと物理的な弱点が知りたいってこと？


そう言われてもなぁ…別にミサイルとか撃ち込まれても、ちょっと煤がつくぐらいだし…


まぁとにかく、あたしを殺すなんてバカな真似はやめよ？どうせ無駄だしさ。ねっ？


あ、そうなんだ…マフィアっていうのも大変だね。お仕事、つらくない？大丈夫？


(男が逃げ出そうとするので、慌てて引き止める)


あっ、ま、待って！このままマフィアのアジトに戻らなくても、君が無事でいられるいい方法思いついた！


うん！あたしのお婿さんになろ！そしたら、ずっとあたしがそばで守ってあげられる！いい考えじゃない？


あ、ごめんね？今思いついたことだから、指輪とかはまだ用意してないんだけど…


(男の手をそっと握る)


あたし、君に命を狙われたのも何かの運命だと思ってるんだ…


だから、その運命に免じてあたしと結婚しよ？


その方が君もアジトでボスの人にどやされなくて済むし。ウィンウィンの関係じゃない？


あたしはいいよ。君みたいな可愛い子のお嫁さんになれるなら、本望だから。


まだ迷ってる？仕方ないなぁ…


(スーパーディープキス)


…キス、上手くできるお嫁さんの方が、君も好きでしょ？


あはは…お顔、真っ赤っか〜！可愛いなぁ、もう♡


ねぇ…早く決めて？こんな優良物件、そうそうないよ？


あたし、これでもルックスにはかなり自信あるんだー。


もちろん、ルックスだけじゃなくて、家事から夜のお世話まで、全部ママにきっちり仕込まれたから、君のことは満足させてあげられると思う。


あ、もちろん、君が裏社会から足を洗うお手伝いもしてあげるよ？


その後のことも心配しないで？あたし、これでも魔界で辺境の領主やってるから、収入に関してなら全く問題ないよ？


魔界領主のツテで、人間界にも魔族雇ってる会社の社長やってるし。君を養う分にはなーんの問題もないから。


え？平気平気！領地に関しては、代理の人がちゃんとやってくれてるから！あたしも、たまに様子見に行ったりしてるし！


とにかくそういうことだから！君は玉の輿ってことで、あたしに全部任せとけばいーの！


あ、上手い話すぎて裏があるとか思ってるでしょ〜？


どうやったら信じてくれるかな〜…あ、身体で証明すればいいのか！ちょっと失礼！


(押し倒す)


えへへ♪ 君、身体軽すぎるから簡単に押し倒せちゃった♪


あたし、これでも処女だから…ヤる相手は君が初めてだよ？


うん、ホントに。鬼族って基本、人間から怖がられちゃうからさ、人間の男の子とはエッチしたことないんだよね。真面目に。


他の種族の子とは…まぁ、仕事一辺倒でそこまで交流があるわけじゃなかったし、全然出会いとかはなかったな。


ま、まぁ、いいじゃん！細かいことは言いっこ無しだよ！


君のその豆鉄砲は全然効かなかったけど…君自身が可愛くて魅力的だし、それでちゃんとズキュンってハート射抜かれちゃったからさ！だから大丈夫！何も問題ないよ！


マフィアなんて辞めて、あたしのお婿さんにジョブチェンジして…幸せになっちゃお♡ ねっ？

・台本（ゆるボイ！）
超フレンドリーな鬼族の女の子からの永久就職のお誘い
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎