貴方は幼馴染の彼女と映画に行くために、待ち合わせ場所に向かったが、そこで柄の悪い女たちのナンパに遭ってしまう。ビビって声も出せない貴方を助けたのは、他ならぬ幼馴染の彼女であった…

ちょっとアンタたち！そこで何やってんの⁉︎


ナンパァ？悪いけどお呼びじゃないの。とっととどっか行ってくれる？


あたし？あたしはコイツの腐れ縁兼彼女。


アンタたちの入る隙間なんて一ミリもないの。わかる？


あのさー…そうやってデカい声で威圧すれば、ビビると思ってんの？舐めないで欲しいんだけど。


ちょっと手、借りるわね…！


(不良女の手を握る)


どう？これでも握力60はあんのよ？


誰がゴリラよ！仮にも乙女に向かって失礼でしょうが！このパッキン女！


とにかく、コイツに手ェ出すのは許さないから！


…何？やる気？


どうしてもやるってんなら相手になるけど？


言っとくけどあたし、コイツ守るためなら、どんな手だって使うから。


指の一本か二本くらいは寄越す覚悟しなさい？


できないと思う？今すぐ実践してあげようか？


(不良たちが退散する)


ふん…逃げるなら最初からナンパなんかすんなっつーの。バーカ。


それより君、怪我ない？大丈夫？


そっか…まだ声かけられてただけなんだね。無事でよかった。


じゃ、そろそろ行こっ！映画、始まっちゃうよ！


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映画、面白かったね！評判通りだった！


最後の最後でどんでん返しがあるかと思ってたけど…平和に終わってよかったー。


え、それ、どういう意味？本当に平和だったらって…


あー、さっきのナンパのことかぁ。


いいよ、気にしなくて。


あんなの、いつも通りだし。


時間にタイトな君が、待ち合わせ場所にいないからさー…どうしたんだろうって、その辺探し回ってたら、絡まれてるとこを見つけたんだ。


ホントに無事でよかった。君が隣にいなきゃ、映画なんて楽しめないからね。


わ、わー！ど、どうしたの⁉︎


あたし、泣かせるようなこと言っちゃった⁉︎ ごめん！


え…？それってつまり、どういうこと…？


あ〜、そういうことかぁ…やっぱりまだ悩んでたんだ。


そうだ。ちょっと行きたいとこあるから、一緒に行こ。


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どう？ここ、風が気持ちいいでしょ？


ふふっ、まぁね。ここ、穴場の高台なんだー。周り全然人いないでしょ？


うん。気持ちを切り替えたい時によく来るの。


ほら、ベンチあるし、一緒に座ろ？


(二人でベンチに腰掛ける)


で、さっきの話の続きだけど…腕借りながら喋るね。


(彼氏の腕に縋り付く)


あたしさ…君のこと情けないなんて一度も思ったことないよ。


君の言う男らしくないっていうのは、世間一般の見方だったり、君自身の思い込みだったりすると思うんだ。


うん。だって君はあたしにとってすっごくカッコいい男の子だから。


あたしが極道の娘だって知っても、仲良くしてくれたでしょ？


そうだよ。たったそれだけのことで、君のことはカッコいいって思うし、彼氏にしたいって思ったんだよ？


君が自分を否定するなら、あたしがそれを上回るくらい肯定してあげる。


君は情けなくもないし、カッコ悪くもない。


ましてや、男らしくないなんて絶対に思わない。


さっき、逆ナンしてきた女どもを追っ払えなかったのは気にしなくていい。


あれは君の得意分野じゃなかったってだけの話だから。


君の苦手な部分はあたしが補う。


ああいう荒事はあたしに任せといてくれればいいから。


君はこれまで通り、あたしと仲良くしてくれると嬉しい。


あ、あとは、たまによしよししてくれるともっと嬉しいかな？


(彼氏に頭を撫でられる)


んっ…えへへ♪


君、相変わらず頭撫でるの上手だね。


こうして君に甘やかしてもらうのが、あたしの生き甲斐なんだ…


あたしに優しくしてくれる君は男らしくてカッコいいよ。いつもありがとね。


…今度は嬉し泣きの方だって、信じてるからね？


大丈夫…君のことはあたしが守る。


これからもよろしくね…あたしだけの彼氏くん。

・台本（ゆるボイ！）
ヒーローな幼馴染彼女の全肯定
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎