魔界の神社の神官として働いている男は過労死寸前だった…しかし、そんなところをとある妖狐に救われて…？

邪魔するぞ。元気にしておるか？


むむ…相変わらず勤勉じゃのう、魔界の神官殿は…


たまには休んだらどうじゃ？お主は人間なのじゃろう？このままでは身体が保たぬぞ？


ふぅむ…たしかにな。この神社の結界を維持できるのはお主しかおらんからのぅ。


じゃが、別によいではないか。


ここの結界が破れ、悪神が解き放たれたとしてもお主の責任ではない。


お主にここの厄介ごと全てを押し付けた魔王にこそ、その責任がある。


なんなら、儂が直談判してやろうか？


「かの青年を神官という役職から解放してやってくれ」とな…


責任感の強い奴じゃ…なぜそうまでして、この神社にこだわる？お主は魔界出身ではなかろうに…


ふぅむ…なるほど。これは儂が何を言っても無駄なようじゃな。


まぁえぇ。今はお主がしたいようにすればよい。


儂はその辺の縁側でのんびり昼寝でもしておるわ…それじゃあの。


(あくびしながら立ち去る)


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目が覚めたか？お主、神社の境内の裏手で倒れておったぞ？


マジじゃ。まったく、儂の警告を無視して働き続けるから…


うむ。見てのとおり、ここは儂の膝の上。


どうじゃ？フカフカで気持ちいいであろう？


まぁまぁ。そう慌てずともよい。今はゆっくり寝ておればえぇ。


ここ？ここは儂の実家じゃ。


眺めのいい、綺麗な庭じゃろう？


儂の式神が毎日手入れをしておるのじゃ。


うむ。儂は働かん。怠惰じゃからのう。


…どうした？急に顔色を変えて…


おぉ、ようやっと気づいたか。


そうじゃ。儂は『怠惰』の大罪を司る賞金首。


お主と同様、勤勉な魔王様を怠惰にしようとした罪で魔界警察から追われておる。


あの時はもう少しだったんじゃがのう。


儂の怠惰パワーなるものを注入したお茶を飲んでもらおうとしたのじゃが、すんでのところでめざとい側近に気づかれてしまってのぉ…今じゃ、すっかり追われる身じゃ。


ん？あぁ、警察はたまに来るぞ？


儂の妖力を直浴びさせて追い返しているがな。


うむ。儂の全身から発せられる妖力を浴びた者たちは、今ごろ怠惰な日常を貪っておるじゃろうな。


なぜ、と言われてもな…勤勉な者を見るとどうしても発作的にダメにしたくなるのじゃ。


お主も無論、その一人じゃ。あそこまで働かんでもよかろうに…


じゃが、もう心配は要らん。儂の膝枕で、お主は一生働くことのできない身体になった。


一生、儂にこうして縁側で膝枕されていようではないか。


ふふふ…なんじゃ？怠け者になることが不服か？


お主の思考から勤勉という二文字を奪ってしまわねばなるまい…しばし、我慢せよ。


(ベロキス)


お主には特別に、直接口から儂の『怠惰パワー』を流し込んでやったぞ…


ほぅら…もう儂の膝の上から離れたくなくなったであろう？


うむ…いい子、いい子じゃ…


ダメになったご褒美に、儂が頭を撫でてやろう。よしよし…


(頭を撫でる)


うむ、どうした？質問があるなら、遠慮なく申してみよ。


ほぅ…質問ではなく要望か。なんじゃ？


ロリ…？この儂が、か…？


ふふふ…よかろう。お主たっての頼みじゃ。聞き入れぬわけにはいくまい。


なぁに、余裕じゃ。自らの姿形を変えるなど、妖狐にとっては朝飯前よ。見ておれ…ドロン！


(幼女の姿に変身)


どうじゃ？完璧な変身じゃろう？


うむ。今の儂はどこからどう見ても、完璧な幼女じゃ。


しかし、この姿が好きとは…さてはお主、ロリコンじゃな？


まぁ、よい。お主が怠け者になり、自らの欲望を臆面もなく吐き散らすその姿は最高じゃ。見てて心がほっこりする。


儂はそんなお主を愛しておる…なぁ、元神官殿？


うむ…これからはここでの〜んびり暮らすとよい。


儂が一生、つきっきりで面倒を見てやるからな…？

・台本（ゆるボイ！）
七つの大罪を司る上位魔族には近づくべからず〜怠惰妖狐(スロウスフォックス)編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎