しがないサラリーマンの男は日々、働いて帰って寝るだけの生活を送っていた。そんなある日、近くの喫煙所までタバコを吸いに出かけようとすると、半ばストーカーと化していた女子高生に家の前で待ち伏せされていた。彼女は地下アイドルで、なぜか自身のファンではない男に執着しているようで…？

(男が家から出てくる)


あ、こんばんは、お兄さん。こんな時間にどこ行くの？あたしも連れてってよ。


ストーカーって…そんなことないよ。あたしはただ、お兄さんのことが心配で見守ってるだけだよ？


もー…何？その呆れたようなため息…しょうがねぇなって言わんばかりにさー。


あ、けどもう、あたしの存在には慣れてくれたんだ。嬉しいなぁ、ふふっ♪


って、ちょっと！置いてかないでよ！バカ！けちんぼ！


(喫煙所についた男が煙草を吸い始める)


あ～、やっぱり…ダメだよ？タバコばっかり吸ってちゃ。肺が真っ黒になるから。


も～、人が心配してるってのに…相変わらず塩対応なんだから…


お兄さんってさー、不思議な人だよね。あたし見てもピクリとも反応しないじゃん。主に下半身とか。


ガキじゃないもーん。もうすぐ高校卒業するから、実質大人だもーん。


ていうか、ホントにお兄さんだけだよ？あたしみたいな美少女見て鼻の下伸ばさないの。もしかしてそっち系の趣味があったりなかったり？


またそんな投げやりな答え方してぇ…これでも繊細な乙女なんだから、ちょっとは気を遣ったらぁ？もしかしなくても、傷ついちゃうぞ～？


ふふふ…ねぇ、お兄さん？お兄さんって、一回だけあたしのライブに来てくれたことあったよね。なんで？


へー、いい友達じゃん。地下アイドルのライブに連れてってくれるなんて。おかげであたしも、お兄さんと知り合えたわけだし。


あ～、まだ人をストーカー呼ばわりしますか…ま、いいけどねー。お兄さん相手なら、特別に許してあげる。


え～？だって暇なんだもん。お兄さんがあたしの暇つぶし相手してよ。ねっ？


ぶー、いけずなんだから。そういうとこも嫌いじゃないけど♡


あっ、また人を置いてこうとする～！待ってってば～！


(家に到着、当然のように彼女も入ってくる)


お邪魔しまーす！お兄さんのお家、何気に初めて入ったかも。今まで無駄に締め出されてたし。


いやいや。ストーカーじゃなくてお兄さん親衛隊。まぁ、あたし一人なんだけど。


それよりお兄さん。あたし、汗かいたからシャワー浴びたい。使っていい？


ふふっ、ありがと。なんだかんだお兄さんって、優しいね♡


あ、着替えとかは大丈夫。自分の準備してきてるから。タオルだけ貸してくれると助かるな。


うん。それじゃあ、遠慮なく使わせてもらうねー。


(脱衣所に行きかけた彼女が戻ってくる)


あ、仮にもアイドルの裸をこっそり覗くのはＮＧ、だからね？ふふふっ♪


(シャワーを浴びた彼女が出てくる)


じゃーん！どう？学校の制服に着替えてみました～！


ほら～、どう？いつもと違って、ザ・JKって感じがするでしょ？


しかもこれ見て？パンツが見えるか見えないかのギリギリのラインのスカートの丈♡


これが男の人の大好きなチラリズムってやつでしょ？どう？感想は？


えぇ～？ホントかなぁ～？顔、ちょっと赤いよ？


お兄さんさ…さっき家出る前シャワー浴びてたよね？一応、身体はちゃんと洗ってるわけだ。


見てたよ？カーテンの隙間から…ちょっとだけ開いてたから。


全裸でお風呂上がってきてさぁ…お兄さんのアソコの大きさ、しっかり見ちゃった♡


(男にあしらわれてため息)


ねぇ…もうやめよ？これ以上、あたしをテキトーにあしらうの…


言っとくけどあたし、どれだけ塩対応されても、お兄さんのこと諦めるつもりないよ？


お兄さん、前にあたしがアイドル続けてもいいって背中押してくれたよね？


全然人気が出なくて、一時期荒れてたあたしを励ましてくれたじゃん…ファンでもないくせに、一丁前のことほざいてくれちゃってさぁ…


正直、ムカついたけど…お兄さんのあれ、あたしの本質を的確に言い当ててくれた言葉だったから。


お兄さんのあの言葉のおかげで、ちゃんと自分と向き合って、頑張って活動続けて…だんだん人気も出るようになって…やっとなりたい自分に近づけた気がする。


でも、まだ足りない…たくさんの人に認めてもらえるようにはなったけど、まだ認めてくれない人が目の前に一人いる。


一番に認めてもらいたい人に認められないってさ、すごく悲しいことなんだよ？


お兄さん…もっとあたしのこと見て？もっとあたしを優先して？


お兄さんはほかの男の人とは違う…あたしの外面だけじゃなくて、内面を知った上でも付き合ってくれてる…そんなお兄さんのこと、いつの間にか好きになっちゃったみたい。


最初は気になって追いかけてただけなんだけどね…あたしの本質を一発で見抜いた人は、どんな人なんだろうって…


ううん、失望なんかしない。むしろその逆。


ずっと一人で頑張って働いてて…お父さんの残した借金、頑張って返してるとこなんでしょ？


見てるよ？お兄さんのことはずーっと見てる。


一人で頑張っててえらいじゃん…誰にも愚痴ひとつ言わずに黙々と働いて…そんなお兄さんのこと、尊敬してるし、ずっとそばにいてあげたいって思った。励ましてあげたいとも思った。


借金まみれでも構わないよ？だってお兄さんはその辺の男と違って、素敵な人だもん。


これでも男を見る目だけはあるからさ…お兄さんにはぜひ、あたしに手を出してほしいなぁって♪


性欲が枯れ果てたわけじゃないんでしょ？だったら我慢しなくていいんじゃない？


あたしをその気にさせた責任、とってよ…あたし、もうお兄さんのことしか考えられないよ…


ね…毎日頑張って辛いでしょ？心と体の拠りどころが欲しいんじゃない？


ほら…おいで？美少女アイドルの現役JKが好きにしていいって言ってるんだよ？遠慮する必要なんてないよ。ねっ？


……あくまで意地張るんだ。じゃあ最終手段だ、ね…っ！


(スタンガン)


お兄さんがいけないんだよ？あたしがいいって言ってるのに、手を出さないから…


ちなみに、今使ったのは護身用のスタンガンね。キモい人を撃退するのに重宝してるんだ～♪


あ、心配しないで？もちろんお兄さんは例外だよ？


ねぇ…あたし、お兄さんにとってそんなに魅力ない？そんなわけないよね？お兄さんの言われたとおりに、頑張ってきたんだもん。今更、お兄さんに否定される筋合いないよね？


あたしの中ではもう合意だから…お兄さんはあたしから逃げられないんだよ？


もっと夢中になってもらわなきゃ困るの…だってお兄さんに一番認めてもらいたいから。


(制服を脱ぎだす)


お兄さんにだけは曝け出してあげる…あたしの全部…


いい加減、素直になろ？ずっと意地なんて張っててもしょうがないでしょ？


(尚も抵抗しようとする男を取り押さえる)


あははっ…！さっきのスタンガンのせいかな？身体、うまく動かせないね？


大丈夫、あたしがリードしてあげるから。


お兄さんはあたしにちょっと心許すだけでいいの…そしたらいっぱい、気持ちよくしてあげる。


今は…今だけはお兄さんだけのアイドルだから。ちゃんとお兄さんのことだけ、見ててあげるから。


やだ、やめない。お兄さんを堕とすまでは絶対やめない。


あたしに堕ちて…それから、あたし専属のファンになろっか？


大丈夫だよ～…お兄さんの味気ない生活に美少女っていう彩りが加わるだけだから。


そーいうわけなんで…これから改めてよろしくお願いします、お兄さん♡ ふふふっ♪

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレストーカーと化した地下アイドルの現役JKは手がつけられない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎