看守の男は一人の女囚人を見張っていた。彼女は鬼姫であり、その獰猛さから、人間から危険視され、収監されていた。そんな彼女を油断なく見張っていると、いつもの如く彼女の方から話しかけてきて…？

ねぇ、看守さん…イイコトしてあげるって言ったら、アタシをここから出してくれる？


ちぇー…そんな冷たい顔で見下ろさなくても…ゾクゾクするじゃん。


んふふ…まぁね。マゾであるのは否定しない。魔族だけに、ってね。ふふふ…


あぁ〜w もうこれ以上ないくらい冷たい目で見下ろしてくるw ヤバw


(しばらく笑い続ける)


はぁ〜w 笑った笑ったw


相変わらずつめて〜w ほんとウケるw


…ん？何が？別に脱走とかしないよ？看守さんとお話ししてる方が楽しいしね。


うん、楽しいよ。看守さん、人の話遮ったりしないし。全部ちゃんと聞いた上で、極寒のコメントくれるし、話してて楽しい。


だから、いつもありがと。退屈なはずの獄中生活が楽しい生活に早変わりだ。えへへ♪


あ、あ〜…まぁ、出れるよ？出ようと思えばね？


うん。むしろこんなちゃちい牢屋で、アタシを本気で閉じ込められると思ってる看守さんの上の人がバカだなって…アタシを誰だと思ってんだっつー話。


ふふ…その二つ名、誰がつけたか知らねーけど、めちゃくちゃ厨二っぽくてウケるw まぁ、カッコいいからいいんだけどさw


いやー、今度警察の前で名乗ってみよっかな？


「無礼者…我を誰だと心得る？『緋天の鬼姫』であるぞ？地面にこうべを垂れて平伏せよ」とか！めっちゃオモロくない⁉︎


え〜、マジ？信じてくんないんだ〜。ウチはこれでもいいとこのお姫様ですー。ちゃんとお姫様らしい振る舞いもできますのことよ？


ぶっ、ふふ…！ヤバ、自分で言っててウケてきた…！腹いて〜w


(しばらくツボり続ける)


ふ〜、笑った笑ったw やっぱ看守さんがウチの見張り役で良かった。こんなにウケたの、いつぶりだろw


あ、それはそうと看守さん…『わたくし』と少しイイコトしません？


(牢屋の鍵を力づくで壊して、中から出てくる)


わたくし、たった今決めましたわ…貴方様を我が婿として迎え入れることを、ね？


(取り押さえようとした看守の男を一撃で叩きのめして、逆に取り押さえる)


あら…人が鬼に真っ向勝負では敵わないと、幼稚園で教わりませんでした？


えぇ、こちらが本来の…というか、形式ばった喋り方ですわ。こちらの口調の方が、より強い力を発揮できる気がするので。


まぁ、貴方様があちらの口調の方がお気に入りというのであれば、戻して差し上げますが？


くっ、ふふ…こうして取り押さえられながらも、その冷たい目線は変わらないんですのね。


やっぱり貴方様はわたくしをゾクゾクさせてくれる…屈服させた時は、わたくしをどのように見てくれるのでしょうか？今から楽しみです♪


正式な初夜は我が里で迎えるとして…今はわたくし、じゃなくて『ウチ』に屈服しとこっか♪どっちのウチも愛してもらえるよーにね。


無駄無駄♪ ここ、ウチを逃がさないために地下深くに掘った特別な牢獄でしょ？誰も助けに来ないって。


ウチらの間に邪魔者は要らない…看守さんもそー思うよね？


無駄じゃねーし…鬼の力、甘くみない方がいーよ？油断してると、壊しちゃうかもだから♪


ま、看守さんはウチの見込んだ男だし、大丈夫だよね〜♪


ちゃんと最後まで壊れないでいて？ウチとの約束、だよ？

・台本（ゆるボイ！）
【逆プロポーズ】収監中の鬼姫は口調と態度の落差がエグい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎