あなたは普段朝に弱く、毎朝お節介にも幼馴染に起こされていた。
普段から鬱陶しいと思うまでに彼女はあなたのことを気にしているが、献身的だと理解できるものではあった。
しかし、あなたが珍しく早起きしたある朝のこと、リビングで彼女があなたの母と仲良く話しているところを目撃したのであった……

（大部分が三人称視点のシチュボってシチュボなのだろうか……？）

():読み方に関する指示・役の動作（効果音の発生するもの）
[]:場面指定・変更

[聞き手は盗み聞き]

あ、おばさんおはようございます。

えへへー、そうです。
今日もアイツを起こしに来ましたー。

そうですねー。
もうすっかり、私の仕事みたいになっちゃいましたよね。

まあ、おばさんも朝は忙しそうですから、少しくらいお手伝いになればいいんですけど。

いえいえ、私はこの通り、早起きは得意なので！
これじゃ、アイツを起こすために早起きしてるみたいですけどね。

そんな、嫌だったら毎日来ませんよ。

なんでなんでしょうね。
アイツのこと、やっぱ気になっちゃうんですよ。

前からよく遅刻ギリギリに登校することもあるけど、寝坊かと思ったら風邪だったとか、急いで登校してたら自転車とぶつかったとか、アイツのこと一人にしておくと、心配になることが多くて。

多分、アイツに言ったら、子供扱いすんなって怒られるんでしょうけど、心配なのは心配なままなんです。

おばさんもアイツのこと、心配になりますよね。

あはっ、赤ちゃんの時からですか。
そりゃそうですよね。

でも、うらやましいなぁ。
アイツが赤ちゃんだった頃。

絶対、今より純粋でしたよね？
ママぁ、ママぁって、甘えてたりしてましたよね？

うわぁ～。
いいなぁ～。

私も甘えられたいです～。

だって、ひどいですよ？
朝も大体、勝手に部屋入ってくんなって言われるし、帰りも教室の前に立ってると、恋人みたいで恥ずかしいからやめろって言ってくるんですよ！？

朝はおばさん公認で起こしてるし、幼馴染なんて恋人みたいなものなんだから、別に何の問題もないのに。

あと、アイツと話したりとか近付いたりする女のこと注意したら、そんなとこまで口出ししてくるなって怒られちゃいますし。

私は、悪い女に騙されそうなアイツが心配で言ってやってるのに。
てか、私がいるっていうのに。

どんなに気にかけたところで、間違ってもありがとうなんて言ってくれませんもん。
おばさんから言ってやってくださいね？
礼儀ある人じゃないと、社会で嫌われちゃうぞって。

ありがとうございます。

まあ、アイツがお仕事やっていけないとかなったら、私は養うつもりですけど。

そうです。
私が勉強を頑張るのは、アイツを養えるようないい会社に就けるように、ってのもあるんです。
株とか投資とかお金の勉強もしてますから、上手くいけば在宅でアイツにつきっきりっていうのも出来たらいいなって思ってるんですけど。

えへへ。
こうしておばさんやおじさんに、私ならアイツを任せても安心だって言ってもらえるように色々と頑張らないと。

えっ、もー、任せたなんて早いですよおばさん！
言ってくださるのは嬉しいですけど。

でも、任せてください！
私、アイツのこと、絶対幸せにしてみせますから！

なんて、結婚の挨拶みたいなこと言っちゃってますね私。

息子さんを、私にください！
なんて。

本当の挨拶はそのときちゃんとさせていただきますから。

大丈夫ですよ、他の男なんて興味ないです。
私、10年以上アイツ一途でやってるんですからね？
もう人生のほとんどです。

でもアイツは、ちょっと移り気ありますけど。

昔の約束、多分覚えてないんでしょうし。

実は私たち、約束したんですよ。
10年前の2月25日。
向こうの公園で。

ほら、あの時、私が親の仕事の都合で引っ越すかもっていう話があったじゃないですか。
アイツに会えなくなるかもって言ったら、約束、してくれたんです。

大人になったら、結婚しようって。

私、すごく嬉しかったので、今でもはっきり覚えてるんです。

結局、引っ越しの話はなしになって、アイツとの関係はまだまだベッタリですけど。
これも、何かの縁だと思ってます。
もう、運命ですよね。

だから本当、浮気なんて絶対許さないし、そんなのでアイツとなんか離れてやんないって思ってますよ。

ちょっと失礼なことお伺いするんですけど、おばさんはおじさんと、そういうことってありました？
お仕置きとか、よければ参考にしたいなーって。

ってか、浮気される前からされたことなんて考えちゃいけませんよね。
そもそも、浮気しないように私にしか気持ちが向かないようにするのが先、ですもん。

男性を一筋にさせる方法かぁ。
監禁して他の女と物理的に接触させないとかしか思いつかないなぁ。

縛りつけすぎても、逆に離れやすくなるとも聞きますし……でも、自由にしたらやっぱ心配だし……

と、というかまだ、アイツとは付き合ってもないんですけどね！
あはは。
だってアイツ、気付いてもくれないし、惚れさせる方法もわかんないし。

えっ、おばさん、とっておきの方法があるんですか！？

それ、い、いいんですか？
ちょっと、強引すぎるような気もしません？

アイツ、確かにまあ、妙に責任感というか、真面目なところはありますから、既成事実なんて作っちゃえば手っ取り早いっていうのはわかりますけど。

それに、アイツと結婚するなら遅かれ早かれそうなりますし、私だって、捧げるつもりです。
一応、こっそりアイツのそういう好みとか調べてますし、……れ、練習、だって一人でしてますから、わ、私は今すぐにでも、いい、ですけど。

なんか、おばさんが思ってたよりも乗り気で助かります。

って、それ、いわゆる孫の顔が見たいってやつですか？
案外ちゃっかりしてますねおばさん。

利害は一致してるので乗っかっちゃいますけど。

孫は何人がいいですか？
なんちゃって。

もうおばさんがその気なら、婚姻届に挙式に同棲に、色々と準備も考えないといけませんね！
そうだ、婚姻届の証人はおばさんとおじさんにお願いしてもいいですか？

ありがとうございます。
あとは、アイツに話をつけるか……強引に認めさせるか、ですね。

おばさん、ありがとうございます。
いや、もうお義母さんでいいですよね？

これから沢山お世話になると思うので、どうかよろしくお願いします。

おっと、お話しすぎてアイツを遅刻させるところでした。
早く起こしてあげなくちゃ。

んへへー！

　（SE:ドア開ける）

えっ。
な、なんで君がここに！？

ま、まさか、聞こえてたりは……？

あはは、だよねー。
じゃあ……

もう、隠す必要はないんだね。
あ・な・た。

・台本（ゆるボイ！）
【盗み聞きシチュボ】朝起きたら幼馴染が母を懐柔していた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩