悪霊と化し、その力をもって現世に災厄をばら撒くはずの存在だった貴方。しかし、二人のうら若き女性霊能者によって、貴方は人々に恐怖を与えるどころか、与えられる側になってしまって…？

A.呪術師
B.巫女


A.悪霊くん…み〜つけた♪ こんなところに引き篭もってたなんて…わたしから逃げるなんて酷くない？君にはただ、わたしの式神になって欲しいだけなのに…


B.あ、こんなところに居たんだ…もう逃がさないよ。君はあたしの手で祓うって決めてるから。わたしの手にかかって、最期を迎えられる方が、君にとっても幸せだもんね？


A.ちょっと？貴女、いきなり現れて何？彼はこれからわたしのモノになる予定なんだけど？勝手に祓われると、わたしが困るの。


B.…貴女、呪術師ね。悪霊を私利私欲のために使い、自らの商売道具とする薄汚い連中…そんな勝手、巫女であるこのあたしが許すと思う？


A.貴女に許される筋合いはないわ。大体、ここは巫女さんが足を踏み入れるような神域ではないはず。たかが悪霊一匹のために、この不浄な山の中まで入ってくるなんて、ご苦労なことね。一体何が目的？


B.言ったでしょう？そこの悪霊を祓うって。彼はわたしの幼馴染だから。せめて最期は、わたしの手で終わらせてあげようと思って。これはあたしなりの、彼への慈悲なの。呪術師である貴女の出る幕はないわ。大人しくここから立ち去るっていうなら、見逃してあげてもいいけど？


A.あははっ…！巫女さんもそんな面白い冗談が言えるんだぁ……貴女、上から目線でムカつくわね。今すぐ呪い殺してあげる。わたしと彼との、二人きりの時間を邪魔した報いを受けなさい？


B.(舌打ち) この呪術師風情が…！彼のことをオモチャみたいに扱うつもりのくせに、よくもいけしゃあしゃあと…！これ以上の勝手は許さないから…！


(霊能力バトル開始)


A.くっ…！清浄な神に護られてる女って厄介ね…！呪いが全部弾き返される…！ホント、ムカつくったら、ありゃしない…！


B.ハァ…この呪いの量、祓っても祓ってもキリがない…どれだけ呪力を蓄えてんの？この女…


A.(ため息) ねぇ…直接やり合うのはやめない？それより、どちらが彼をモノにできるか、勝負しましょ？


B.は？何それ、どういうこと？


A.簡単な話よ。結局は彼を呪うか祓うか、どっちにするかってことでしょ？だったら、彼の身体に直接干渉すればいいのよ…こうやって、ね？


(Aが彼の首筋にキス)


B.あっ、ちょ…！何やってんの！首にキスって、貴女、正気⁉︎


A.ふふっ…ほら、いいの？早く祓わないと、彼の身体が、わたしの呪いにどんどん侵蝕されていくけど？


B.こっ、の…！あたしの幼馴染にふしだらなことしないで！君もデレデレしない！ンッ…！


(Bが彼の首筋にキス)


A.へぇ…意外とヤれるんだ。清楚で通ってる巫女さんも、存外ふしだらなのね♪ 勉強になったわ♪


B.違う…！これは彼を救うためだから…！煩悩まみれの貴女と一緒にしないで…！


A.本当に〜？実は彼に合法的にチュッチュできて、嬉しいんじゃないの〜？自分の心に素直になってみたら？ツンデレ幼馴染ちゃん？


B.貴女とは本気で相容れないみたい…！君、こっち来て！いつまでも呪術師のおっぱい魔人にデレデレすんな！この変態！


(Bが無理やり彼の腕を引き寄せる)


A.酷い言い草ね。そこまで言われちゃあ、お姉さんも引き返せないかな？君の腕、借りちゃおーっと♪ ふふっ♪


(Aが彼の片腕に抱きつく)


B.ねぇ…まさかそこの腐れ呪術師にほだされたわけじゃないよね？いくら悪霊に成り下がったといっても、それだけは許さないから。あ、あたし以外の女に尻尾振んな、バーカ…！


A.…ふーん？生前のお二人の関係が気になるわね。これは後で存分に聞き出してやらなきゃ。その為にはまず、君にはわたしの従順なペットになってもらわないと♡ その身体にわたしの呪い、徹底的に刻み込ませて？


A.君はわたしが呪ってあげるから…身体、全部こっちにちょうだい？
B.君はあたしが祓ってあげるから…身体、全部こっちに寄こしなさい？

・台本（ゆるボイ！）
【霊能バトル】妖艶な呪術師と正義漢な巫女との霊能合戦
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎