あなたは今日も行きつけの喫茶店に行きます。
そこには僕っ子の優しいお姉さんがいて、心地のいい空間が広がっています。
しかし、何気ない気持ちで彼女もつれてきていいかと聞くと、彼女の態度が豹変して……

いらっしゃいませー……って、君じゃないか。

今日は学校はもう終わりかい？
うんうん、そうか。お疲れ様。今日もよく頑張ったね。

僕はどうだったかって？
うちの店はいつも通り、ほどほどな客入りで平和なもんだよ。

でも、今日は君と会えてうれしいよー。
いつものコーヒーでいいかい？
うん、りょーかい。

（数秒の間）

はい、どうぞ。
……どう？ おいしい？
よかった！ 君のその顔を見るために、私はこの店をやっているんだよ。

大げさ？ ふふっ、案外そうでもないかもよ？
僕は君が店に来てくれるだけで、楽しくやっていけるんだ。

ん、今度友達と一緒に来てみたいって？
うん、いいよ。

君の友達だから、きっといい人なんだろうね。
飛び切りのコーヒー豆を準備して待っておくよ。

でも、君がここに人を連れてこようとするなんて、珍しいね。
その友達って、一体どんな人なんだい？
普段、よく一緒に遊んだりするのかな？

女の子？
……へ、へえ、そうなんだ。

女の子、なんだあ。

それで？ その子とはどういう仲なんだい？
まさか、僕との付き合いよりも長いわけはないんだろうけど……

え、彼女……？
しかも、結構長い間付き合ってる……って。

……どういうことだい？ 今まで彼女がいるなんて一言も言ってなかったじゃないか。
何でずっと黙っていたんだ？ 君にはこの僕がいるというのに！

話す必要がないと思った、だって？
あくまで君と僕は店員と客の関係だから、彼女がいるかどうかなんて関係ない……？

ひどいっ！ひどいよ！

僕はいつも君のために愛情をこめてコーヒーを淹れながら、君がこの店に来てくれるのをずっと待っているんだ。
今日は来るかな……それとも明日か、明後日か、それともその次の日かな……って。

僕はこんなにも君のことを想っているのに！

それなのに君は、僕たちがただの店員と客の関係でしかないって言うのかい？
それどころか彼女までつくっているなんて……

（数秒の間）

ごめんなさい……か。

そうだね、ちょっと熱くなりすぎたよ。
僕のほうこそごめん……仲直りしよう。

たしかに、僕は今まで、君の気持ちを勝手に解釈して、都合のいいように受け取っていたのかもしれないね。
悪かったよ。

お詫びにこれをあげよう。君のために特別に作ったブレンドだ。
どうかこれで、機嫌を直してほしい。

（SE：飲み物を飲む音）

お味はどうだい。
僕が愛情を込めて、君にいつか飲ませようと思っていたブレンドコーヒー。

美味しいけど、少し変な味がする？
おやおや、流石は私のコーヒーを飲み続けてきただけのことはあるね。
ちゃんと舌が肥えている。

ん、どうしたのかな？ そんなにとろーんと眠そうな顔をして。
コーヒーを飲んだって、眠くなるわけがないのにね。

睡眠薬を盛ったのかって？

さあ、どうだろうな。

（※ちょっと煽るような言い方ですっとぼける）
あまりの美味しさに気絶しそうになってるんじゃないのか～？

さあ、ゆっくりと休んでくれたまえ。
ふふ……君が目を覚ましたら、ちょっぴりお仕置きをしてあげないとね。
別に痛いことはしないよ。ただ、しばらくは彼女さんには会わせてあげない。

君はもう、私の元から逃げられない。
深くて優しい……気持ちのいい眠りにつくんだ。

起き上がろうとすればするほど、気持ちのいい眠気が襲ってくる……
あらがうことなんて、できない……

さあ、おやすみなさい。
私の大事なお客さん。

・台本（ゆるボイ！）
優しい僕っ子な店員さんかと思ってたら、勘違い激重メンヘラ女だった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
らくがき