あなたが惰眠を貪っていると、チャイムの音が鳴ります。
嫌々開けると、そこにいたのは世話好きなツンデレ幼馴染。
小言を言われながらも、彼女はあなたのお世話をしてくれます……

（SE：チャイムの音）

おーい、いるんでしょ～？
私に居留守なんて効かないんだからね！
早くカギを開けて！

（扉を開ける）

遅い！
もう、全然あけてくれないんだから！

何してたの？
まあ、言わなくてもわかるんだけどさ。

寝てたんでしょ。
はぁ……まったく、あんたはだらしないんだから。
ほら、顔くらい洗いなさいよね……。

朝っぱらから何の用かって？
朝っていうか、もうほとんど昼だけど……まあいいわ。

あんたの家のベランダに、洗濯ものが干しっぱなしにしてあるでしょ。
しかも、昨日の昼から。

夜中に通り雨が降ったの知ってる？
洋服、絶対びしょびしょになってるよ！

え？ そのまま干しておけば乾く？

絶対にダメです！

思ってる以上に雨水は汚いんだよ？
それに、生乾きになるから、もう一回洗って干さなくちゃ！

めんどくさいって……はあ。
ああ、もういい！ 私がやる！

あんたは起き抜けなんでしょ？
何か食べものでも口に入れてなさい！

＊＊＊

よし、これで全部っと。
はい、服は全部取り込んで、洗濯にかけておいたから。
もう一回、ちゃんと干しておくんだよ？

……ねえ。それ、何食べてるの？

昨日の晩ご飯で余ったピザ？ それと……ポテトチップス。

まさか、それがあんたの昼ごはんってわけじゃないよね？

（その通りだと答える）（数秒の間）

……信じらんない。あんたって、ほっんとものぐさね。

はあ……こうなったら、とことんやるしかないか。
感謝しなさい。これから私がご飯を作ってあげるわ。

＊＊＊

はい、完成したわよ。
ご飯に卵焼き、ウインナーに、ピーマンの炒め物。それとお味噌汁。

流しには洗い物がたくさん溜まってるし、冷蔵庫には食材が何にも入ってないし、作るのに苦労したわ。

それで、お味はどう？

おいしい？

……そう。よかった。それが聞けてようやく満足だわ。

べ、別に、あんたがどう答えるかなんてどうでもいいんだけどさ。
やっぱり、食べる人の感想は大事、っていうか……。

……え？ 物凄く美味しいから、もっと食べたい？
こんなご飯が毎日食べられたら、とっても幸せ？

――ッ、そ、それだと、何だか……
（※小声で）あんたと私が夫婦、みたいじゃない……

もう、バカ！ おだてたからって、やってあげないんだからね？
どーせ都合のいい家政婦ぐらいに思ってるんでしょ。

そんなことない？
ふーん、どうだか。

じゃ、私、もう行くから。
どこにって、なんであんたに行き先を言わなきゃいけないのよ。

デートにでも行くのかって？

ち・が・い・ま・す！
ちょっと買い物に行くだけ。
なに？ まだ何か、私にしてほしいことでもあるわけ？

寂しいから、いつ帰ってくるのか教えて欲しい？
な、何言ってるの？ からかわないでよ！

はあ……まったく、あんたは私がいないとほんとにダメね。

付き合ってらんないわ。私、もう行くから。

（扉を開けて去ろうとするが、ちょっと振り向いて）

その……明日も来てあげるから。

（※小さな声でぼそっと）
……またね。

・台本（ゆるボイ！）
お世話好きなツンデレ幼馴染が来た！！！
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
らくがき