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【ASMR/和風ファンタジー】少年妖狐の解呪耳かき
written by 松平蒼太郎
  • 耳かき
  • ファンタジー
  • 少年
  • 妖狐
  • 耳吹き
  • 梵天
  • 和風
  • 九尾の狐
公開日2024年07月03日 09:45 更新日2024年07月03日 09:45
文字数
2136文字(約 7分8秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
少年妖狐
視聴者役柄
人間女性
場所
結界の張られた洞窟
あらすじ
強大な呪いをかけられた貴女は、妖狐の少年に耳かきでその呪いを取り除いてもらえることになった。徐々に貴女の中で大きくなっていく呪い。少年は己の身を賭して、それと戦うことを決意して…?
本編
お姉さん…こっち。大丈夫?まだ歩けそう?


ん、分かった…すぐ案内する。僕についてきて。


(彼女を洞窟まで案内する)


…ここまで来れば、大丈夫かな?清浄な結界に覆われてるからここなら、呪いの肥大化も抑えられるはず…


それにしても…お姉さんも災難だったね。厄介なのに目をつけられちゃって…


大丈夫。お姉さんの守護霊はまだ消えていない。力は弱まってるけど、今もお姉さんのこと、ちゃんと守ってくれてるよ。


うん。だから、僕はこの守護霊の力を再び強めるお手伝いをする。守護霊が本来の力を取り戻せば、お姉さんにしつこく纏わりつく呪いも自然に取り払われるはずだから…


任せて。それじゃあまずは、守護霊の力を弱めてる大元の呪いをお姉さんの中から取り除く…耳かきっていう形でね。


そ、耳かき。多分、お姉さんの耳に溜まった呪いが守護霊の力を弱めてるんだと思う。お姉さん、最近耳に何かされた記憶は?


だよね。何度も耳元で呪いの言葉を囁かれてるよね。その際に、呪いが耳の中に埋め込まれていったんだと思う。


ええと…ここ洞窟だし、いい枕もないから、とりあえず僕の膝を枕にして、横向きに寝転んで?緊急事態で、布団もなくて申し訳ないけどさ…


(彼女を膝枕する)


ん……耳かき棒は僕の妖力で生成するから、心配しないで。はっ…!


(気合を入れて、耳かき棒を手元に生成)


それじゃあ、始めていこうか。時間も限られてるしね…


(耳かき)


やっぱり…実際に目で見ると、酷い状態だね。これじゃあ、精神も肉体も侵蝕されて当然だよ…


大丈夫、怖がらないで…お姉さんには僕がついてる。僕はお姉さんの味方だから…お母さんにもそう頼まれてるし。


うん…今は亡き、お姉さんのお母さんね。いざという時は娘の力になってやってくれって。僕もそれを了承した。だから、お姉さんのことは助けるよ。


…知りたい?お母さんと僕が、どういう関係か…


じゃあ話すね…僕は彼女の元使い魔でね、僕をここまで育ててくれた恩人なんだ。


そ。ただの弱小狐だった僕を大切に育ててくれた、立派なご主人様…彼女がいなければ、僕はとうの昔にのたれ死んでいたと思う。そんな彼女からの切実なお願いだから、聞かないわけにはいかないよ。


あ、ちなみに、お姉さんの守護霊は、お姉さんが生まれる前に亡くなった、お姉さんのお父さん。お姉さんは良いご両親を持ったね。


……平気だよ。ここには僕しかいないし、思いっきり泣いちゃっていいんじゃないかな?耳かきは続行するけどね…


(しばらく無言で耳かき)


はい、耳かきはこれで終わり。仕上げの梵天、していくよ…


(梵天)


強力な呪いだけど、大丈夫…お姉さんには僕がついてる…だから、大丈夫…


ふふ…お礼を言うのはまだ早いよ。全部終わったら、ありがたく受け取っておくね。


……身体の力、さっきよりだいぶ抜けてる。緊張が解けてきたようで何より。この調子なら…


…っと、油断するのは良くないね。呪いは最後までかき出さなくちゃ、意味ないよね…これで、こっちは最後。


(耳吹き)


はい、こっちの耳掃除は終了。反対の耳もやるから、ゴロンってして?


ん…じゃあ始めていくから、そのままで…いくよ。


(耳かき)


むぅ…こっちの呪いが本命かぁ。結構手強そうなのがいる…


心配しないで。どうにかして取り除くから…僕もしっかり腰を据えてやるね。尾の数を一本ずつ増やしてっ…!


(九尾の狐となる)


はぁ、はぁ…よし、なれた…!九尾の狐に…!


あ、うん…お姉さんも知ってるよね?妖狐は尾の数が多ければ多いほど、強い力を持つって。僕は元々三本しかないけど、無理やり力を底上げして、九尾になったんだ。


平気だよ…お姉さんのことを思えばこれくらい、なんてことない…でも、本当に無理やり九尾になってるから、あまり長い時間はもたない…


だから、速攻で勝負を決める…!改めて、いくよ…!


(高速耳かき)


これ以上、お姉さんの身体に呪いを侵蝕させない…!お姉さんの身体から、出ていけっ…!


はぁ、はぁ…このまま、いけば、何とかっ…!


…!お姉さん、大丈夫⁉︎ 苦しいの⁉︎


…ッ!わかった…少し強引になるけど、一気に全部かき出す…!


(超高速耳かき)


…!取れた!今だ、『妖術・狐火』!


(耳かき棒の先についた耳垢を炎で消し飛ばす)


はぁ、はぁ…お、大元はこれで取れた…!あとは残党を処理するだけ…!この、梵天で…


(梵天)


ふぅ…とりあえず、なんとか、なったかな…?


うん…大元はついさっき焼却したから…もう復活することはないと思う。


お姉さん…ここまでよく頑張ったね。えらいよ。僕の無理に付き合ってくれてありがと。


ううん、全然。僕はあくまでお姉さんが助かるお手伝いをしただけだから。本当に偉いのは、呪いそのものと戦ったお姉さん自身だよ。


もうすぐ、終わるから…お姉さんを蝕んでいた呪いが、全部…


(しばらく無言で梵天)


梵天も終わり…最後は耳を吹いて、解呪の儀式は完了だ…いくよ。


(耳吹き)


今度こそ終わったよ…お疲れ様。身体はどう?平気?


そっか…よかった。じゃあ、お姉さんはもうしばらくだけここに居て。僕は少し野暮用で出かけてくるから…


ん?野暮用っていうのは、アレだよ…お姉さんに呪いをかけた張本人のところに行って、話をつけてくるだけ。


そ。相手は呪術師だからね…お姉さんとなにやら因縁があるみたいだけど、これ以上お姉さんを苦しめるわけにもいかないし…代わりに僕が決着をつけてくるよ。


心配しないで…次に目を覚ました時には、何もかも、綺麗さっぱり片付いてると思うからさ…もうひと仕事、頑張ってくるね?行ってきます…
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【ASMR/和風ファンタジー】少年妖狐の解呪耳かき
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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