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盲目となったわたしの闇を照らしてくれたのは、底抜けに優しい彼氏だった
written by 松平蒼太郎
  • 甘々
  • ラブラブ
  • カップル
  • 恋人同士
  • 純愛
  • ハグ
  • 打ち上げ花火
  • 夏祭りデート
  • 励まし
  • プロポーズ
公開日2023年03月05日 18:05 更新日2023年03月05日 18:05
文字数
1745文字(約 5分49秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
彼氏
視聴者役柄
彼女
場所
夏祭り会場
あらすじ
盲目になってしまった貴女を、恋人である彼が本当の意味で受け入れ、励ますお話。貴女の心の闇を知った彼が取った行動とは…?

※本作はフリー台本作家・ろべ様の作品『目が見えなくなっても気丈に振る舞う彼女の隠してきた闇を受け入れてあげる話。』(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18021813)を主人公視点から書いたお話です。尚、執筆の許可は原作者様からいただいております。
本編
こんにちは。今、大丈夫?


あ、うん。それじゃあ失礼します…


(彼女に抱きしめられる)


えっと…いきなり抱きつかれるとビックリするんだけど…


いい匂い?それはよかった…安心した。


もういい?分かった…


(彼女から離れる)


あ、ええと…その服、とっても可愛いよ。ホントに。


うん…車椅子、押すね。行くよ…


(車椅子を押して歩き出す)


そうだね…杖があればたしかに隣、歩けたよね。


けど、お医者さんが危ないって言うなら仕方ないよ。


そうなんだ…僕も好きだよ。こうして君の後ろから車椅子押して歩くの。


今日?今日は夏祭りに行こうかなって。


あ、うん…嬉しいのはわかるけど、あんまりはしゃぎ過ぎて、疲れないようにね?


あれ?っていうか、今の天気わかるの?


ふーん、そうなんだ…肌感覚とかで分かるんだ…


あ、そうだね…そろそろ会場近いね。


たしかに太鼓と笛の音が聞こえる…


うん…夏だね。夏が来たって感じ。


あ、焼きそば?いいよ、買ってあげる。


(焼きそばを頼む)


はい、どうぞ。熱いから気をつけて持ってね。


うん…ゆっくり落ち着けるところで食べよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ここでいっか。周り人少ないし…


え?もちろん、いいけど…はい、アーン。


(彼女に焼きそばを食べさせる)


そう?美味しい?


ふーん…まぁ、そうだよね。


病院食はあんまり美味しくないってよく聞くし。


そういう意味じゃ、屋台の焼きそばは余計に美味しく感じられるよね。


あ、それよりさ、さっきはなんで屋台の人がおじさんだってわかったの?


あー、そうなんだ。目が見えない分を別の感覚が研ぎ澄まされて補ってるって感じなんだ。


え……ドキドキしてたのは、その…


あ、うん…君は目が見えないわけだし、僕が周りに気を配らなきゃって…


あはは…参ったな。君には敵わないよ。


ていうか、第六感身につけたは言い過ぎじゃない?


あ……僕、今日初めて笑った?


うん…ありがとう。


君の言う通り、僕も楽しまなきゃね。


君との楽しい思い出いっぱい作りたいし。


かき氷?いいよ。一緒に食べに行こっか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ん?もう帰る?たしかに暗くはなってきたけど…


あ、そうだ。打ち上げ花火があるみたいだから、せっかくだし見に行かない?


うん。人気の少ない穴場スポットなら知ってるよ。そこまで移動しよっか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


着いたよ。ここなら、ゆっくり花火が見れると思う。


花火の方向は…右側、だね。


そうそう、そっちで合ってる。


あっ、上がった……えっ?ど、どうしたの?


あっ…わ、わかった。すぐここから離れる…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


大丈夫…?だいぶ遠くまで来たけど…


そっか…ごめん。僕の配慮が足らなかったばっかりに…


君が花火の音を怖がるなんて思わなかった…だから、ごめん。


え?……そう、だったんだ。


ずっと、怖かったんだ…真っ暗闇で、一人で…


うん、うん…そっか、悔しかったんだ。


周りの人と同じように生きられないから…


…ッ、ダメ!話してくれたのはうれしいけど、それ以上は言っちゃダメ!


(抱きしめる)


お願い…?何…?


別、れる…?僕と、君が…?


そっか…分かった。


じゃあ僕からも言いたいこと言っていい?


僕と…結婚して。


結婚して、僕のお嫁さんになって欲しい。


だって…僕も今日プロポーズするつもりだったから。


当たり前だよ…僕は今の君が好きなんだから。


迷惑?上等だよ。そんなのいくらでもかければいい。


もぅ…言い訳はいいから、返事だけ言って。


僕、こう見えてそんなに気が長い方じゃないからさ。


うん…こちらこそ、よろしく。


ありがとね。僕のプロポーズ、受け入れてくれて。


うん、なに?君のお願いなら何でも聞くよ?


当たり前だよ。一生君のそばにいて、君の目になって、君を守ってあげる。


即答するよ。僕は君の恋人だから。


いいよ、もちろん。いくらでもギューしてあげる。


(抱きしめる)


ねぇ…さっき、花火見に行こうって言ったけどさ…多分あのままあそこに居ても、僕も花火は見れなかったと思う。


だって…君が近くにいるんだよ?


花火なんて集中できるわけないじゃないか。


どれだけ花火が綺麗でも、君には敵わないよ。


最初から僕、君以外見えてないから…


あ、君以外見えてないって言っても、ちゃんと周囲の確認は怠らないよ?


う…今のは流石に臭かったかぁ。ごめん…


あ、あはは…やっぱり君には敵わないや。


うん…僕もだよ。君のことが好き。


一番大好きだから…これからも僕と一緒にいてね?約束だよ?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
盲目となったわたしの闇を照らしてくれたのは、底抜けに優しい彼氏だった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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