窮屈な学校生活に疲れた貴女は、学校をサボって景色のいい高台に来ていた。そこで一人黄昏ていると、幼馴染のクラスメイトがやってきて、貴女の隣に座る。彼は彼で何やら疲れていたようで…？

よっ。やっぱここにいたか。


隣、失礼すんぞ。んしょ、っと…


(隣に座る)


ここ、いつ来てもいい景色だよなぁ。


今日は天気が良いから、特に眺めが良い。


ん？別に？迎えに来たとかじゃなくて、俺もここにサボりに来ただけ。


いや、だって学校しんどいし。


授業はつまんねーし、クラスの雰囲気ギスギスしてるし…やってらんねーよ、マジで。


そうか？俺、周りにうまく溶け込んでるように見える？


ふーん…お前から見た俺ってそんな感じなんだ。


けど、実際はなぁ…心ん中でダリー、ダリーっていっつも思ってる。


これでも神経すり減らして頑張ってんだぜー？


あはは…まぁな。俺、一応クラス委員長だし。


でもなーんか上手くいかねえや。


みんなみみっちいことで喧嘩して、よく分からん派閥までできるし。


クラス、バラバラになっちまったなぁ…


あー、まぁ、それはたしかに。


元々バラバラだと言われると、そうだった気もする。


俺さ、後悔してんの。クラス委員長に立候補したこと。


うん。めちゃくちゃ後悔してる。チョー今更な話だけどさ。


だって…クラスで孤立してるお前のこと、守ってやれなかったから。幼馴染なのにさ…


俺、自分がクラス委員長になって、みんなの調整役になれば、お前も孤立させずに済むと思ったんだよ。


今考えると、スゲェ甘い考えだわ。チョー甘ちゃんだな、俺。


本来はお前のそばにいて、お前を近くで守ってやるべきだったのに…


なのに、それをしなかった。全然そうしようって思いに至らなかった。


ごめんな…俺、お前のこと全然守ってやれなかった。むしろ空回りばっかしてた。


ダセェよな、俺…


ダサすぎて、一周回って笑える。ははっ…


…何も言わねえんだな。罵倒の百個くらい、投げつけていいんだぞ？


あっそ…たしかに俺を罵倒したところで、何も状況変わんねえもんな。


もういっそ、二人でこのままどっか逃げるか？


いいんだよ。嫌な場所にわざわざ留まる必要なんかねぇ。


俺は逃げようかなーって考えてるけど…お前は？


ん、そっか…やっぱ逃げたいよなぁ、今の場所から。だったらやっぱり…


…え？この流れでそういうこと言っちゃう？


あ〜…参ったなぁ。お前は今の場所で頑張る方を選ぶんだ…


一緒に逃げようって提案した俺、チョー臆病者じゃん。普通に恥ずかしいんだが…


あ……そういうこと？なるほど…？


それさ、告白って受け取ってもいい？


あ、それはダメなのか。脈ありだと思ったんだけどなー、一瞬だけ。


オッケー、分かった。お前が頑張るってんなら、俺も一緒に頑張る。


今度は一番近くでお前のこと、守るから。


いいじゃん、近くで。身を寄せ合った方が生き残る確率は高くなるだろー？


ははっ、そっか。お前も俺のこと守ってくれるんだ。それは素直に嬉しい。


じゃあ、まぁ、一緒に頑張るかぁ！今いる場所で！


(立ち上がる)


よしっ！そうと決まれば…！


ほらっ、お前も立てよ…！


(主人公の手を掴んで引っ張り上げる)


そんじゃあ帰るか！このまま二人で！


別にいいじゃん。手ェ繋いだ方がなんか勇気出るし。


昔から嫌なことあった時は、いっつもこうして手ェ繋いで帰ってたろ？


そーいうこと。今回も多分なんとかなる！そう信じようぜ！なっ？


え？なになに？今なんて？


ちょ、教えてくれてもいいだろー？減るもんじゃないしよー。


…ま、いっか。元気出してくれたんなら、それで…


そうだ。途中でアイスかなんか買い食いして帰ろうぜ。


どーせ悪いことしてんだし、買い食いの一つや二つ、どうってことねぇよ。


えー？全部俺の奢りかよー？


幼馴染だからって、ちょっと遠慮なさすぎだぞー？はははっ…

・台本（ゆるボイ！）
幼馴染の彼はわたしのそばにいることを選んでくれた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎