貴女は球技大会で怪我をしてしまい、保健室送りになっていた。そんな時、クラスで一番よく喋る男子が貴女を訪ねてきて…？

(保健室の扉が開く)


よっ。さっきの試合で怪我したんだって？


あ、うん。正直言うと、そんな感じ。


お前をからかう機会なんてそうそう無いからさ。これを逃すわけにはいかないと思って。


あはは…そんな怒んなって。可愛い顔が台無しだぞ？


キモいは直球すぎw 傷つくだろw


それよかさー、フィジカルモンスターのお前でも足捻ることあるんだ。


ま、待て待て。その拳は一旦おろしてもろて。な？


違うって！俺の頭に振り下ろすんじゃなくて！拳を収めろって意味！


あ〜、怖…殴られたら、いくら命があっても足りねーよな…


冗談だよ…で？怪我の方は大丈夫？


は？心配してるから、こうして見舞いに来てんだろ？


失敬な…俺だって人並みに心配するし。


ま、とにかくだ。お前のカタキは俺が取ってやるから。


聞いたぞ。女子は4組に負けたんだろ？


次、俺ら男子がちょうど4組と当たるからさ、そん時にボコしてくる。ちなみに種目はソフトボール。


大丈夫に決まってんだろ？俺、帰宅部だし。


毎日走り込んで帰ってるから、そこそこ活躍できると思うぞ。


バカ、活躍できるって。帰宅部舐めんな。


(頭を撫でる)


じゃ俺、そろそろ行ってくるから、保健室で大人しく待っとくんだぞ？


ははは、わりぃわりぃ。なんかちょうどいい位置に頭があったからつい。


ん？どした？まだ俺に言い足りないことある？


おっ、おぅ…！そこまで言われたなら仕方ねえな！ちょっと本気で頑張ってくるわ！そんじゃ！


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疲れた〜…てか帰り、雨かよぉ。


天気予報見てなかったから、傘忘れた…


よし…仕方ないから走って帰r……って、お前。まだ学校にいたの？つか、足の怪我平気？


あー、そう。それならよかった。


歩いて帰れないとか死活問題だからな。そん時は俺がおぶってやるけど。


え、お前一人くらい余裕でおぶれるし。帰宅部舐めんな。


だって見た感じ、体重超軽そうじゃん。絶対余裕で背負えるって。


何だよ、急に…傘なら見ての通り、持ってない。だから今から走って帰んだよ。


え、あぁ、うん…それで？


え、なになに？どゆこと？


えーっと…要するに、俺がお前を家まで送ればいいってこと？


あ〜、了解。じゃ、一緒に帰るかぁ。傘ん中入れてくれよ。


(相合傘しながら帰る)


お前、自分の傘なんだからもっとこっち寄れって。俺は濡れても平気だから。ほら…


(肩を抱き寄せて、傘の中に入れる)


な、何だよ…急に変な声出して…


肩濡れるから、入れてやっただけだろ？


え、まさか肩も怪我してた？それはすまん。


え？怪我して痛いから、触れられたくなかったんじゃねえの？


あ、今度は怒った…お前、今日気分変わりすぎじゃね？メンタル大丈夫？しんどいなら、学校休めよ？


…俺の何を諦めたんだよ？そのため息が俺にはサッパリなんですけど〜…


あ、そういやさ、4組にボロ勝ちしたぞ。ソフトボール。


そ。俺、すごくね？サヨナラランニングホームランかましちゃった。今日から帰宅部のエースって呼んでくれ。


いいんだよ、今日は。怪我人を家まで送るっていう最重要ミッションをこなしてるから。これも帰宅部の立派な活動だから。


え……珍し。お前が俺にお礼？


あ、今のシャレじゃないから。ホント、たまたま口をついて出ただけ…うん。


その絶対零度の視線やめろ。こっちが凍えるわ。


まぁとりあえず、どういたしまして。お前になら、いつでも頼られてやるよ。


え、だって友達じゃん？友達に頼られて嬉しくないわけなくね？


うん。だってクラスの女子ん中ではお前と一番仲良いと思ってるし。実際、こんだけ軽口叩いてるし。


……あ、もしかして俺の勘違いとか？実は俺のこと嫌いだったり？


そ、そっか…そりゃ助かる。改めて、これからも仲良くしてくださいってことで。


あ、ここお前ん家？じゃあここでバイバイだな。


お、傘貸してくれんの？サンキュー。明日学校で返すわ。


おぅ。ちゃんと養生しろよ。そんじゃ、またな。

・台本（ゆるボイ！）
【青春】バカと鈍感は乙女の機微を察することができない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎