リスカをしようとした貴女の元に、元カレが駆けつけてきた。彼は無理やり貴女を抱き寄せ、どうにかリスカをやめさせることに成功する。貴女がリスカをしようとした理由を今カレであることを察する元カレだが、それ以上は踏み込もうとはしなかった。なぜなら、このような状況そのものを、彼が心の底から望んでいたからだ…

…おい、それ以上はやめとけ。引き返せなくなるぞ。

うるせえな…お前に破滅されるとこっちが迷惑なんだよ。とっととこっち戻ってこいや。

クッソ…聞き分けのねえ奴だな…！いいからこっち来いって…！

(無理やり抱き寄せる)

うるせぇ、じっとしてろ…どうしてもリスカしたいってんなら、俺を刺してからにしろや。

あっそ…じゃあ、その物騒なモン今すぐ捨てろ。危なくてしょうがねぇ。

(ナイフを捨てさせる)

はぁ…危なかった。マジで刺されたら、ちょっときつかったかもな。

あ？カッコつけたのはポーズだよ。ほんとに刺されたいわけねぇだろ。

へぇへぇ…カッコよくなくて悪ぅござんしたね。けど、俺がこういう男だってのは前から知ってんだろ。

ん…元カレだからな、一応。いろいろあって別れちまったけど…

…やべぇと思ったんだよ。SNSでお前の病んでる投稿見て。手首切る秒読み寸前じゃねえかって思った。

駆けつけてみたら、案の定だったけどな…理由は何となくわかるけど。

今カレ、だろ？付き合ってて、辛いんじゃねぇの？

身体のあざ…それ、彼氏につけられたもんじゃねぇのか？

やっぱり…一応聞くけど、別れるつもりないんだよな？

そっか…じゃあ俺からは何も言わない。無理やり別れさせるのは逆効果っぽいしな。

うん…なんかあったら、家族でも友達でもいいから、誰かしら頼れ。そうしなきゃ、本気で破滅するぞ？

あぁ。もちろん、俺でもいい。元カレだけど、お前のことを大切に思ってることに変わりねぇから。いつでも駆けつけてやる。

どういたしまして。ずっとお前のことは気にかけててやるから。

…そうだな。そろそろ帰るわ。彼氏に見つかったら、状況悪化しそうだし。

おぅ、じゃあまたな。それから、いきなり押しかけて悪かった。

(家を出る)

ふぅ…あの様子だともう少しか。いい感じに追い詰められてきてんな。

今カレくん、あいつのことしっかりDVしてるみてぇで何よりだ。紹介して正解だった。

もっとギリギリまで追い詰めてくれよ？じゃねぇと、あいつが俺に心開いてくれねぇからな。

(着信)

おっと、噂をすれば…もしもし？いきなりどーした？彼女関連での相談か？

へぇ～…未だに言うことを聞いてくれない。じゃあもっとしばき上げろ。そうすりゃ、あいつもいつか完全にお前にひれ伏す。

おいおい…しっかりしてくれよ？元カレの俺がサポートしてやってんだ。今カレのお前があいつを幸せにしてくれなきゃ困るんだよ。

おう。マジで頼むぞ？じゃねぇと、何のためにお前を紹介したかわかんねぇからな。

あぁ…期待してっからな？ちゃんとあいつのこと、手籠めにするんだぞ？そんじゃ。

(通話を切る)

ははっ…びっくりするくらい素直な彼氏くんだな。御しやすすぎて、逆に心配になるぜ。

俺はいつでも大事な元カノちゃんを助けられるように、スタンバっとかなきゃな？

・台本（ゆるボイ！）
助けに来てくれた元カレが黒幕すぎる件について
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎