引きこもりのゲーマーである貴女は珍しく、ゲームを買いに行くべく外に出ていた。そこで高校時代からの知り合いの男子に声を掛けられ、ドラマ撮影のエキストラになってほしいと頼まれて…？

あれー？お前、こんなとこで何してんの？普段は引きこもってんのに珍しいじゃん。


俺？ドラマの撮影で近くまで来てんの。当然だろ？


まぁ待てよ。ちょっとお前に頼みたいことあんだけど。


そ。実はさ、エキストラの子が2～3人ほど体調不良で休んじゃってて、ちょっとだけ数足りねーの。せっかくだし、協力してくんね？


頼むって！臨時のバイト代払うからさ！


セリフもないし、ちょっとそれっぽく振る舞ってもらうだけの簡単なお仕事だから！このとーり！


(深々と頭を下げる)


マジ？サンキュー！恩に着る！


じゃあこっち！軽く監督に挨拶したら、指示通り動いてくれな！頼むわ！


(撮影終了、帰ろうとしたところを彼が声をかけてくる)


お疲れ～！今日は助かったわ！ありがとな！


そうだ、今日飯一緒に食いに行く？協力してくれた礼に奢ってやるよ。


え？飯じゃなくて？他になんか欲しいもんでもあんの？


笑わないって。いいから言ってみろよ。な？


ぶふっ…！あは、あはははは！


ごめんごめんｗ なんかお前らしいなーって思ってさ。


じゃあ、行くか。中古のゲームショップ。俺もなんかいいのあったら買お。


(彼女とともにゲームショップへ)


へ～、すげ～。なんかレトロっつーか、懐かしいゲームがいっぱいある。


あ、これとか子どものころよくやってたなぁ。懐かしい…


あぁ、ごめんごめん。お前の買い物がメインだったよな。すまん。


で？どれが欲しいの？これ？


あ、こっち？そっか。じゃあこれ、レジで精算してくるから、ちょっと待っててな。


(清算後、彼が戻ってくる)


お待たせ。はいこれ。今日のお前のバイト代。


いいって。こちらこそありがとうだし。これくらい、安い安い。


暗くなってきたし、そろそろ帰るか。あんまり遅くなるとまずいだろ。


(二人で帰路につく)


あ、そういやこれ。監督からの差し入れ。「風景にしっかり溶け込んでくれてありがとう」だってさ。


いいよ、もらっちゃって。そもそも俺に「エキストラになりそうな人、その辺からひっかけてこい」って言ったの監督なんだし。


そ。あの人、すーぐ無茶ぶりしやがるからなぁ。そんな「ちょっとナンパしてこい」みたいな軽いノリで言われてもさぁ…


ま、いいんだけどな。なんやかんや、ちゃんと現場は回してるし、あと本当に無茶な指示は出さないし。


ん？大丈夫って何が？体調ならすこぶる良好だけど？


あ、それはへーき。俺、そこまで有名じゃないし。パパラッチとかファンとかついてないから。そんなの、ごく一部の有名人だけだよ。


まぁな～。俺なんて俳優の卵みてーなもんだし、まだまだ売れっ子には程遠いよ。今日やったのだって、普通に端役だし。


そう？褒めても何も出ねーぞ？


ははっ、そっか。じゃあその言葉、ありがたく受け取っとくかな。


(いきなり耳元で囁きだす)


ありがとな…そうやって言ってくれるのはマジで励みになる。好きになりそうだ…


(声量を戻す)


ははっ…照れてやんの♪ もしかして囁き耐性ゼロ？可愛いな、おい。


あ～、ほら…いつまでも固まってないで行こーぜ。ちゃんと家まで送ってやるから。な？

・台本（ゆるボイ！）
知り合いの俳優男子にグイグイこられて困ってる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎