メシマズ属性持ちの貴女は、いつも自分のご飯を美味しそうに食べてくれる彼氏のことが大好きだった。そんな彼から、自然な流れでさらっとプロポーズされてしまって…？

な～、腹減った。メシ、食わしてくんね？


うん。外食飽きたし、お前の飯が食いたい。ダメ？


サンキュー。じゃあ大至急頼むわ。今、めっちゃ腹減って死にそうだからさ。


(彼女が食事を作って持ってくる)


お、早いな。簡単なモン作ってくれたんだ。そんじゃ、いただきます。


(食事をする)


うん、美味い。これならご飯、何倍でもいけるわ。うめぇ…


(しばらく無言で飯を食う)


…ん？どうした？お前も腹減ってんなら食えば？


え、別に？全然まずくないけど？てか、いつも美味いっつってんじゃん。なんで？


へー…これでメシマズ属性持ちって…普通に美味いと思うけどな。少なくとも俺は。


ふ～ん…まぁ俺、貧乏舌らしいからな。大体何喰っても美味いって言うんだろうけど。


……じゃあ結婚する？俺、お前の飯なら全部美味しく食える自信あるけど？


まぁなー。よそでは食えない味だからなー、これ。


ほかの奴が食えないっつーなら、俺が全部独占したいんだけど。いい？


(彼女が泣き出す)


…え？あ、なんかごめん…泣かすようなこと言って…ちょっと理由はわかんねえんだけどさ。


あ、マジ？やったぁ。ダメもとでプロポーズしてみたんだけど、受け入れられてよかった。


(ケースに入った婚約指輪をケースごと渡す)


…ん、どーぞ。婚約指輪、買ってきた。


受け入れられなかったら、テキトーに売り払うつもりだったけど、そうならなくて安心した。今、めっちゃほっとしてる。ありがとな。


あ、ちょっと待って。キスは歯磨きして、風呂入ってからで。


お前も臭い男とキスしたくないだろ？百年の恋も冷めるっていうかさ…


そそ。そーいうこと。俺も一番清潔な状態でお前とキスしたい。だから、ちょっとだけ待ってて？

・台本（ゆるボイ！）
【ショート】貧乏舌な彼氏からのナチュラルプロポーズ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎