(足音)

ふふっ…み　い　つ　け　た(囁き)

ねぇ　そこの君

君だよ…君　ゆう君

えっ？お前は誰だって？　そしてなんだその呼び方はって…

えー　ひどいよー　私のこと忘れちゃうなんて(拗ねる)

本当に覚えていないの私だよ　わ　た　し

本当に覚えていないなんて…本当に酷い…

酷いよ…

それじゃちょっと私の話聞いてくれる？

本当　ありがとう　じゃ　話すね

小さい頃…よく一緒にこの広場で遊んでたじゃない…

あっ…やっと思い出してくれた！

(電話の音)

あっ…ゆう君…電話…鳴ってるよ

(彼が少し離れて電話に出る)

誰と話してるのかな？

えっ…なんで…デートの約束なんかしちゃってるの… ゆう君

なんで　なんで　なんで　

あっ…ゆう君

えっ…　目が変って…

そんなことないよ…ゆう君(少し焦って)

そうだ私の家…すぐそこだから お茶でもしていかない？

来てくれるの？　やった！

あれ…の出番かな(小声)

あっ…うんうん　なんでもないよ

何も言ってないよ　空耳じゃない？


じゃ私の家いこっか

(足音)

はい　到着！

さぁ　上がって　上がって

(少し間を空けて)

ゆう君、何飲む？

カフェラテね　わかった…作ってくるね

(また少し間を空けて)

はい　お待たせ！　カフェラテだよ

ゆう君　昔からコーヒー好きだよね…

あれ…どうしたの…

目蓋が重くなってきた？

私のベッドでお昼寝する？

(少し間を空けて)

ゆう君…羊…数えてあげるね

羊が…ってもう寝ちゃってる…

ごめんね…ゆう君…君のカフェラテに睡眠薬入れたのを許してね(囁き)

(間を空けて)

あっ…起きた？

って言っても今は夜中の3時なんだけど

(鎖の音)

えっ…なんで手錠と足枷で拘束されてるかって？

私が引っ越す前に言ってくれたよね
君が戻って来たら結婚しようって…(トーン落として)

ほら…君がくれた…これ

大きくなったら私と結婚しますって！クレヨンで書いてくれたよね

あははっははっ　なのに…ゆう君

私との約束忘れて彼女なんてつくるなんて

酷い

はい…これ

何って婚姻届だよ…

君が眠ってる間に役所に行って貰ってきたの

さぁ書いてよ名前…そして印鑑押してよ…

あっそうだ！これ飲ませてあげる

ほら口開けてよ…

開けなさいってっば!

こうなったら

(口移し)

ぷはっ　ゴックン出来たね

あとはゆう君にはもう一度寝てもらうよ

だってそうしないとこの薬の効果は出てこないの

それじゃとりあえず耳かきするよ

まずは右耳から

(耳かき音右耳)(時間はおまかせします　

はい右はおしまい

でもその前に(息を吹きかける)

ふふっビクッてなってるよ

次は左耳

(耳かき音左耳)

はいおしまい　最後に(息を吹きかける)

ふふっ目蓋が閉じてきているよ

ゆっくり休んでね　おやすみ

さて

あの女にも忠告したし

(あくび)

私も眠くなってきたよ

(ベッドに入る音)

おやすみ　私の旦那様　(キス音)

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猫のルジャー