- 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00
更新日2021年08月31日 21:46
文字数
1414文字(約 4分43秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
鬼
視聴者役柄
人間
場所
指定なし
本編
「お、気がついたか」
「お前は誰か?…ほれ、ここを見てみよ」
「そうじゃよ、角じゃ。立派じゃろう?」
「まあ、これでわかるじゃろ。わしは鬼じゃ」
「腹が減ったからのう…のうのうと散歩しておったから捕まえたんじゃ」
「なぜまだ生きているのかって?そんなもの決まっておろう」
「意識があるままくろうてやろうと思ってのう。苦痛に歪む顔と悲鳴を聞きながら食う人間はさぞかし美味じゃろうと思ってな。おぬしもそうは思わんか?」
「…なんじゃ、泣き叫んだり暴れたりするものかと思ったが、なかなかに肝が座っておるな。つまらんやつじゃ」
「…は?そんなことより美人で見とれていた?」
「ばっ…!?馬鹿じゃろうお主!こ、こんな状況で何を何を言っておるのじゃ!?」
「わしが美人なのは鬼の中でも特別妖力が強いのじゃから当たり前じゃが、面と向かって言うやつがおるか!?」
「人間の言葉で言う『でりかしー』と言うやつがないのかおぬし!」
「はぁ…はぁ…」
「もうよい…興が削がれた…」
「わしがここにおることを知られるわけには行かんから、帰すことは出来んが、食うことは保留にしてやる…」
「おぬしの相手をしておったら精神的に疲れた…」
「こんなことなら空腹を我慢せずに食ってしまえばよかったかのう…」
「腹が減っているのか?…まあ、そうじゃな」
「獣共もわしを恐れてそもそも近寄ってこんし、川が流れておらんから魚は食えんし、山菜は好まんし…そんな感じで食うものがないからのう…」
「飯を作る?よいのか!?」
「…ん"ん"っ!そうかそうか」
「では、わしの腹を満たすために作れ」
「結局食料はあるのかと?」
「まあ…少しの肉と、念の為取った山菜くらいかのう。調味料?以前食った人間から奪ったものならあるが…よくわからず使っておらんな」
「調理器具?鍋と包丁くらいならあるが…最近はつかっておらんのう。串で刺して、焼いた肉に塩をかけて食っておるだけじゃから。手入れはしておるから、錆びてはおらんぞ」
「十分?ならはようせい」
(火の音)(調理の音)
「…待ちくたびれたわ。できたのか?」
「お、おおっ…!なんと素晴らしい香りじゃ…!」
「お、おぬし料理人か!?」
「違う?一人暮らしじゃから自炊できるだけ?」
「よくわからんがおぬしはすごいのう!こんな美味そうな物を見たのは何百年ぶりかのう!」
「では、いただくとしようかの!」
「は〜む…もぐもぐ…」
「や、やはり美味じゃ!」
「うむ!おぬしを食らうのはやめよう!これからはわしのためだけに料理を作るのじゃ!」
「…な、なんじゃ?そんなに満面の笑みで」
「か、かわいい!?ま、またそういうことを…!?」
「…と、言っても無駄そうじゃのう。わしの専属料理人にしたのは早計じゃったか…?」
「しかしのう…これ、美味いしのう…はむ…」
「こやつの相手をしてやれば美味い飯が食える…しかし疲れる…」
「毎日が退屈であったのは確かじゃが…こやつはその退屈全て吹き飛ばされるほど疲れる…」
(小声で)
「美人とかかわいいとか言い過ぎなんじゃよ…こういう言葉って、もっと、惚れた女とかに言うものじゃろ…」
「うわあっ!?な、なんじゃ!?」
「じゃあ惚れてるから問題ない…?」
「…んなっ!?ばっ…!おぬし…聞いておったのか!?というか惚れっ…!?」
「うう〜…///」
「ば、ばかもの!うつけ!あほんだら!」
「わしは寝る!残りはおぬしが食って良いから食い終わったらさっさと寝るんじゃぞ!」
「うう〜…なんなんじゃこいつ…」
「お前は誰か?…ほれ、ここを見てみよ」
「そうじゃよ、角じゃ。立派じゃろう?」
「まあ、これでわかるじゃろ。わしは鬼じゃ」
「腹が減ったからのう…のうのうと散歩しておったから捕まえたんじゃ」
「なぜまだ生きているのかって?そんなもの決まっておろう」
「意識があるままくろうてやろうと思ってのう。苦痛に歪む顔と悲鳴を聞きながら食う人間はさぞかし美味じゃろうと思ってな。おぬしもそうは思わんか?」
「…なんじゃ、泣き叫んだり暴れたりするものかと思ったが、なかなかに肝が座っておるな。つまらんやつじゃ」
「…は?そんなことより美人で見とれていた?」
「ばっ…!?馬鹿じゃろうお主!こ、こんな状況で何を何を言っておるのじゃ!?」
「わしが美人なのは鬼の中でも特別妖力が強いのじゃから当たり前じゃが、面と向かって言うやつがおるか!?」
「人間の言葉で言う『でりかしー』と言うやつがないのかおぬし!」
「はぁ…はぁ…」
「もうよい…興が削がれた…」
「わしがここにおることを知られるわけには行かんから、帰すことは出来んが、食うことは保留にしてやる…」
「おぬしの相手をしておったら精神的に疲れた…」
「こんなことなら空腹を我慢せずに食ってしまえばよかったかのう…」
「腹が減っているのか?…まあ、そうじゃな」
「獣共もわしを恐れてそもそも近寄ってこんし、川が流れておらんから魚は食えんし、山菜は好まんし…そんな感じで食うものがないからのう…」
「飯を作る?よいのか!?」
「…ん"ん"っ!そうかそうか」
「では、わしの腹を満たすために作れ」
「結局食料はあるのかと?」
「まあ…少しの肉と、念の為取った山菜くらいかのう。調味料?以前食った人間から奪ったものならあるが…よくわからず使っておらんな」
「調理器具?鍋と包丁くらいならあるが…最近はつかっておらんのう。串で刺して、焼いた肉に塩をかけて食っておるだけじゃから。手入れはしておるから、錆びてはおらんぞ」
「十分?ならはようせい」
(火の音)(調理の音)
「…待ちくたびれたわ。できたのか?」
「お、おおっ…!なんと素晴らしい香りじゃ…!」
「お、おぬし料理人か!?」
「違う?一人暮らしじゃから自炊できるだけ?」
「よくわからんがおぬしはすごいのう!こんな美味そうな物を見たのは何百年ぶりかのう!」
「では、いただくとしようかの!」
「は〜む…もぐもぐ…」
「や、やはり美味じゃ!」
「うむ!おぬしを食らうのはやめよう!これからはわしのためだけに料理を作るのじゃ!」
「…な、なんじゃ?そんなに満面の笑みで」
「か、かわいい!?ま、またそういうことを…!?」
「…と、言っても無駄そうじゃのう。わしの専属料理人にしたのは早計じゃったか…?」
「しかしのう…これ、美味いしのう…はむ…」
「こやつの相手をしてやれば美味い飯が食える…しかし疲れる…」
「毎日が退屈であったのは確かじゃが…こやつはその退屈全て吹き飛ばされるほど疲れる…」
(小声で)
「美人とかかわいいとか言い過ぎなんじゃよ…こういう言葉って、もっと、惚れた女とかに言うものじゃろ…」
「うわあっ!?な、なんじゃ!?」
「じゃあ惚れてるから問題ない…?」
「…んなっ!?ばっ…!おぬし…聞いておったのか!?というか惚れっ…!?」
「うう〜…///」
「ば、ばかもの!うつけ!あほんだら!」
「わしは寝る!残りはおぬしが食って良いから食い終わったらさっさと寝るんじゃぞ!」
「うう〜…なんなんじゃこいつ…」
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ライター情報
シス=リリシアと申します。普段はトピアという配信アプリで不定期で活動しております。
台本は不定期で気が向いた時に書いているので月単位で更新がないこともあるかもしれません。
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