(扉の開閉音)
　
「おはよ」
　
「はやく学校行きましょ？」
　
(足音×2)
　
「ねえ、今日いつもより出てくるの遅かったけど何かあったの？」
　
「寝てた？…ってことはなに？あなたが起きるの遅かったら、危うく私も遅刻するところだったってこと…？」
　
「気をつけてよね？あなたのせいで私まで遅刻するのは嫌よ？」
　
「待たずに先に行けばいいだろって…そんなこと出来るわけないじゃない」
　
「なんでって…えっと…それは…」
　
(小声で)
「あなたと少しでも一緒にいたいからなんて言えるわけないじゃない…」
　
「っ！？何も言ってないわよ！？」
　
「え、えっと…そう！あなたは私の食料だもの！」
　
「私以外の女の子…じゃなくって吸血鬼に私の食料であるあなたの血に手を出されたくないだけだから！そのために見張ってるだけだから！それ以上もそれ以下もないからね！」
　
「わ、分かればいいのよ分かれば…」
　
「そういえば…寝てたって言ってたけど普段こんなに遅くならないじゃない。夜更かしでもしてたの？」
　
「ゲームしてたら寝るのが遅くなった？」
　
「はぁ…何してるのよ…」
　
「子どもじゃないんだからちゃんと寝なさい」
　
「べ、別にあなたを心配してる訳じゃないからね！？体調崩されると血が美味しくなくなるからってだけだから！」
　
「心配してくれてありがとうって…違うから！ほんとに違うんだから！」
　
「…とりあえずちゃんと夜更かししずに寝るのよ？」
　
「返事は？」
　
「…約束してくれないなら、今日からあなたが寝るまで通話繋げ続けるわよ」
　
(小声で)
「…あれ、私寝落ち通話の約束してない？そんなの緊張で私が寝れなくなるんだけど…」

「ふえっ！？な、なんでもないなんでもない！うん、大丈夫大丈夫…」
　
「えっと…その…する…？寝落ち通話…」
　
「こ、今夜から…？わ、わかった…えへへ…」
　
「はっ…！嬉しくなんて思ってないからね！」
　
「学校見えてきたー！あー！今日の授業楽しみだなー！」
　
「突然どうしたって？…うっさいうっさい！誰のせいでこんなになってると思ってるの！」

「あーもー！知らない！私、先行ってるから！」
　
「…とりあえず！夜に私からかけるから、電話取れるようにしといてよ！」
　
「…また放課後！じゃあね！」
　
(走る足音)

・台本（ゆるボイ！）
幼なじみの吸血鬼ちゃんは素直になれない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シス=リリシア