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生まれて数日のホムンクルスの少女とマスターの物語
written by シス=リリシア
  • 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年08月31日 21:47
文字数
806文字(約 2分42秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ホムンクルス
視聴者役柄
マスター
場所
指定なし
本編
(ノック音)
(扉の開閉音)
「マスター、おはようございます。」
 
(足音)
 
「指示された通り起床時間に起こしに参りました。起きてください、マスター。」
 
「起きませんか。では『殴ってでも起こせ』との命令でしたので、起きるまで殴打させていただきます。」
 
(布団から跳ね起きる音)
 
「おはようございます、マスター。」
 
「ほんとに殴ろうとするバカがどこにいるか、ですか。なぜ、私は叱責されているのでしょう。私は命令を遂行しようとしただけですが、なにか私に落ち度がありましたでしょうか?」
 
「比喩表現…ですか。なるほど、ではそう記憶しておきます。」
 
「では、次の命令を、マスター」
 
「こちらに来い、ですか。了解しました。」
 
(布が擦れる音)
 
「………?」
 
「何も思わないのか、ですか?その質問はどういう意味でしょう。」
 
「突然抱きしめたことについて何も思わないのか、ですか?」
 
「私はマスターによって生み出されたホムンクルスです。故に私はマスターの所有物であり、マスターが私をどう扱っても良いと思われますが。」
 
「私自身が何も思わないか、ですか…そう、ですね…」
 
「あたたかく、感じます。マスターの体温が高いから、というのもありますが…なんというか、憶測ですが、マスターが以前教えてくれた心というというもの?があたたかいのだと思います。」
 
「今はそれでいい?…最初の命令、『人らしく生きろ』というもののことでしょうか。」
 
「…私にはあの命令を理解出来ていません。命令のい意味も、命令したマスターの意図も、真意も、何もかも。」
 
「ただ…このあたたかさに包まれたまま、このひとときを過ごしたいと感じます。」
 
「二度寝をする?…私もご一緒してもよろしいですか?」
 
「ありがとうございます、マスター。」
 
「…ひとつお願いがあるのですが」
 
「その…もう少し強く抱きしめて欲しい、です…」
 
(布が擦れる音)
 
「ふふっ…あたたかいです…これが…心…」
 
「マスター…これからも…よろしく…お願い…しま…す…」
 
(寝息)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
生まれて数日のホムンクルスの少女とマスターの物語
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シス=リリシア
ライター情報
 シス=リリシアと申します。普段はトピアという配信アプリで不定期で活動しております。
 台本は不定期で気が向いた時に書いているので月単位で更新がないこともあるかもしれません。
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