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イケメンなボクっ娘と「ヒミツ」のお話
written by 霜月鷹
  • 告白
  • ヤンデレ
  • ボクっ娘
  • マフィア
  • 庇護欲
公開日2021年09月03日 21:45 更新日2021年09月03日 21:45
文字数
4035文字(約 13分27秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
偶然出会った留学生……?
視聴者役柄
辛い日々を送る学生
場所
人通りの少ない空き地、自宅
あらすじ
つらい日々の連続、何処にも居場所なんてない……誰も寄り付かないお気に入りの空き地で途方に暮れていた。
今日も昨日と同じで、明日も今日と同じ──そう思っていた。
けれども、いきなり声を掛けて来た綺麗な女の人のおかげで陰鬱な毎日は少しずつ変わっていくのだった。
昏いけれど、とても温かい場所へと──
本編
ねぇ、そこの君……ちょっと良いかい?
そうそう君、少し教えて貰いたいことがあるんだ。
実は僕、久しぶりの休暇に浮かれてここら辺の見物をしてたら道に迷っちゃって……このホテルまでの帰り道、もし良ければ教えて貰えないかな?
後でしっかりとお礼はするから……ありがとう、助かるよ!
この辺り……というか日本に来るのは久しぶりで、思わずはしゃぎ過ぎちゃってさ。
昔から家族に「少し落ち着いて行動しろ」って注意されてたんだけど、やっぱり好きな場所に来ると興奮しちゃって──そういえばさ、君はどうしてこんなところに居るの?
人通りも少ないし、いくら治安が良い国とはいえ君みたいな普通の学生さんが一人で来るにはちょっと危ない気がするんだけど?
「あの場所で一人になるのが好き」……えぇと、ごめん。
その感じ、どうやら少し訳アリみたいだね。
僕、家柄なのかは分からないけどそういうのに敏感で……これ以上踏み込まれたくない事情だったとしたら、僕はホテルに到着するまで黙ってるけど。
気にしなくていい?そっか、ありがとう。
でもさ、もし本当に大変な事だったら……そうだな……よし、大変な時は僕を頼れば良いよ!
これ、お礼って呼べるほどのモノでもないけど僕の電話番号。
なんでか分からないけど、君って放っておけない気がしてさ……だから、何かあったらすぐに僕を呼んで。
どうせ暫くの間はこっちに居るし、それに現地の友達も欲しいな~って思ってたから。
うん、何となくだけど君とは友達になれそうな気がするんだ。
なんというかさ、僕って昔からちょっとだけ複雑な事情のせいで友達が少なくて……でも、君に対してはそういう事情とかも気にせず友達になれるかな~って、直感だけど。
お、やっと帰ってこれた……皆、けっこう心配してるだろうなぁ。
実は今日、ちょっと新居探しとかでゴタゴタしてて……お礼はまた今度でも良いかな?
「お礼なんていらない?」いやいや、そういう訳にはいかないよ!
僕は君にピンチを助けてもらったんだ、お礼はなるべく早いうちに必ず返すから。
それじゃあ日頃を見計らってまた会いに行くから……とりあえず、今日はさようならだね。

(50日後)

お、今日は僕の方が一足先に到着しちゃったのか。
いつもはこの時間になれば居る筈なんだけどなぁ……もしかして、やっぱり何かあったのかな?
本当なら話を聞きたいのに、あの子はいつも「大丈夫」の一点張りだからな……仕方ない。
少し気が引けるけど、これもあの子の為だからね。

もしもし、僕……ごめん、こんな中途半端な時間に電話して。
いきなりで悪いんだけど、ちょっと頼みたいことがあるんだ。
とある人の身辺を調べてほしくてね、僕の友人なんだけど……なんていうか、ちょっと訳アリみたいでね。
こっちに危害が及ぶことはないと思うんだけど、なんか見てると不安で仕方ないんだ。
後で顔写真と僕が知ってる限りの情報を送っておくけど──え?あの子との関係?
いや、さっきも言った通り友人だけど……僕、何か変な事でも言ったかい?
……確かに君の指摘は当たってるよ、まだ本人には伝えてはいないけどね。
だからこそ、例え些細な事だったとしても何か分かれば僕に教えて。
ありがとう……それじゃあ切るね。

おやおや、もしかして僕の後ろに立っているのは──やっぱり、今日はいつもより遅かったじゃないか。
さっきの電話?あぁ、知り合いに少し頼み事をしてたんだ。
ちょっと気になる事があってね、一度気になったことは徹底的に知りたくなる……僕の悪癖だよ。
ま、そんな事はどうでも良いや。
それより、今日は僕達が知り合ってから50日記念っていう事で──これ、僕からのプレゼントだよ。
ほらほら開けてみて、けっこう真剣に選んだんだから。
どうかな、僕が付けてるのとお揃いの指輪……僕の家って、本当に仲の良い人にはこういう贈り物をする習慣があるんだ。
君は学生だから学校に着けてくのは無理だと思うけど……これから僕と会う時は、必ずそれを付けてきてよね。
ん?僕に聞きたいことがあるの?
あー、確かに年齢だけで言えば僕も君と同じ学生なんだろうけど、勉強とかは少し前にある程度は終わらせちゃったんだ。
必要だと思えば自分で教材を取り寄せて勉強とかしてるし、そのおかげで日本語だってこんなに使いこなせてるんだから。
僕の故郷じゃ日本と違って学歴とかはそんなに重要視されないし、むしろこうやって色んな国の言葉を話せた方が好都合なんだ。
そんな事よりさ、今日は時間に余裕があるんでしょ?
それなら、今日は僕の家に遊びに来てよ。
実はようやく新居が見つかってね……友人である君にも見てもらいたくってさ。
何か時間を厳守しないとダメな理由があるのは分かってるけど、それに間に合わせるように帰りの車も手配してあげるから。
あと、明日は少し予定が入っちゃって君に会えないからさ……その分、今日は君との時間を思いっきり楽しみたいんだ。
ごめんね、僕のわがままに付き合ってもらって……それじゃあ、迎えを呼ぶから少しだけ待ってて。
君、きっと驚くと思うから……ふふ♪


(2日後)

やぁ、二日ぶりだね……この間は流石にちょっと、驚いた?
そうでもない?相変わらず君ってば……僕の素性を知っても前と変わらずに会ってくれるのは嬉しいけど、そんな人って初めてだから……その、なんだか少し落ち着かないかも。

仲の良い友人が実はマフィア……日本だと極道って言うんだっけ?の令嬢でした。

今までの友達はそれを知ったらすぐ何処かへ消えちゃったのに、君はこうやって僕と友達のままで居てくれる──ありがとう、とっても嬉しいよ。

でもさぁ、驚いたのは僕も一緒だよ。

君には悪い事をしたって思ってるけど、ちょっとだけ君の身辺を調べさせてもらったんだ……君、いったいこれの何処が大丈夫なんだ?
学校では手酷く虐められてるみたいだし、家では虐待に近い事の繰り返し──こんな劣悪な環境、今までに見た事ないんだけど。
それとも、日本では君みたいな生活が当たり前なのかい?違うよね?
訳アリなのは初対面の頃から分かってたけど、まさかここまで酷いとは……誰かに助けを求めたり、しなかったの?
そっか……助けを諦めるくらい、君の置かれた環境は辛いモノだったんだね。

でも安心して……君はもう、二度と傷付かなくて良いんだ。
家族の皆からは「軽率な行動は慎め」って散々言われてたけどさ、君はもう……僕の大切な家族だから。
君にあげた指輪、あれって実は僕達が固い絆で結ばれた「家族」である事を証明する為の指輪だったんだ。
これで僕は、君に何があっても僕が出来る限りの手段で君を助けることが出来る。
家族を助ける為だったら、僕だけじゃなくて皆が手を貸してくれるから。
ねぇ、こっちに来て……君の事、ハグさせて。
ぎゅーって、少し力を込めても良いかい?
ありがとう……うん、思ってた通りだ。
こうやって君をハグしてると、とっても幸せな気持ちになれる。
君も?それは光栄だよ……あのさ、僕と一緒に居る時くらいは、別に泣いても良いんだよ。
僕は君の味方で、僕の家族も君の味方だ……この間だって、みんな拙い日本語で大歓迎してくれてたでしょ?
今の君に居場所が無いなら、今日からは僕が君の居場所になってあげる。
僕だけを見て、僕の声だけを聞いて、僕だけに心を開けば良い……大丈夫、僕は絶対に君を離さないから。
相当我慢してたんだね、こんなに泣いちゃって……よしよし、よく頑張ったね。

今夜、みんなで君の事を迎えに行く。
君の地獄は、僕が今日で終わらせてあげる。
なるべく早く迎えに行くけど……それまでの間、僕の事を待っててね。



(数時間後)

こんばんは~単刀直入で申し訳ないのですが、此方のお子さんを貰いに来ました♪
何故って言われましても……この家庭では日常的に子供への非道な行いがされているとの情報を頂きましたので、こうして我々が保護しに来たというのです。
別に、誰からも通報などは受けていませんよ?勿論、あなた方のお子さんは我々が此処に来るなど──お、ようやく主役の登場だね!
ちょっと待ってて、君の親御さんと話を付けてるところだから……君達、あの子の傍に居てあげて。
何をするんだと言われましても、大人に暴力を振るわれてる子供を保護しに来たんですから、これくらいの事は当然でしょう。
アンタら、まさかとは思うけど僕らが……えぇと、この国だとカタギって言うんだっけ?
そういう人間に見えてるのかな。
いやいや、確かに服装は地味だけど、こんな目をした奴らがカタギな訳ないでしょ。
へぇ……こういう時だけは、しっかり親としての務めを果たすんだ──反吐が出る。
自分の子供が苦しんでるのを見て見ぬふりして、それで自分達の都合の良いように使い潰して……道具が奪われそうになったら「家族」として扱う?
そんな都合の良い話、まさかとは思うけど信じてもらえるとでも思ってるのかい?
はぁ、追い詰められた途端に雄弁になって……もう良いや。

あらら~ごめんなさい、ちょうどいい所にナイフがあったから、思わずやっちゃった♪
でも、片方だけ残すのは可哀相だから……はい、これで夫婦水入らずで永遠に添い遂げられますね♪


ふぅ……あれ、流石の君でも、これは少し堪えると思ったんだけど、僕の見当違いだったかな。
とりあえずだけど、君はこいつらと一緒に「通り魔に襲われて命を落とした」って事にしてもらう。
色々と根回しはしてあるから、後の事は心配しなくても良いよ。
流石にやり過ぎかなって思ったけど、僕の国には「ひどい病気には思い切った処置」っていうコトワザがあるんだ。
病気に限らず、上手く行ってない事には思い切ったアクションをしてみれば良いよって意味なんだけど……とりあえず、これで君を縛るものはなくなったよ。
もう……こんな時まで僕を心配するなんて、でもありがとう。
あんまり褒められた事じゃないけど、僕はこういうの慣れてるから。
それに、これで君を僕のモノに出来るなら……これくらいは何ともないよ。
さぁ……いつまでもこんな所に居ないで、僕と一緒に行こう。
君はこれから先、ずっと僕の隣に居るんだ。
僕がずっと守ってあげる、君を幸せにしてあげる……君の事を、誰よりも愛してあげる。

もう絶対、君を独りにはさせないよ……僕だけのダーリン♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
イケメンなボクっ娘と「ヒミツ」のお話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を書いてるタヌキ的な「何か」です。
もし宜しければ、使用実績の方もお願いします…!
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