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サキュバスさんは癒したい
written by 霜月鷹
  • ファンタジー
  • サキュバス / 淫魔
  • 癒し
公開日2021年09月09日 04:36 更新日2021年09月09日 04:36
文字数
2096文字(約 7分0秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
サキュバス
視聴者役柄
疲れている男性
場所
夢の中、寝室
本編
こんにちは~それとも、こんばんは?……この場合はどっちが正しいんでしょうね。
空は雲に覆われて、明るいけど暗いようにも見えて……おまけにとても濃い霧に包まれて、なんだか不思議な場所ですよね。
私ですか?私は……その、気が付いたら此処に居て、これからどうしようかな~って迷ってたんです。
そしたら、たまたま何処かへ歩いていく貴方を見つけて──もし良ければ、しばらく一緒に歩いてても良いですか?
その、あんまり怖くはないんですけど……独りで歩いてるのは、なんだかちょっと心細くて。
本当ですか、ありがとうございます!
良かった……それじゃあ、しばらくご一緒させてもらいますね♪

それにしてもこの場所、本当に不思議ですよね。
歩いていても周りには木と霧しか見えなくて、なんだかちゃんと進んでいるのかも分かんなくなっちゃいますね。
ふぅ……ちょっと疲れちゃいました、少し休憩しませんか?
ほらあそこ、座るのに丁度いい切り株もありますし──やった♪
あの、そういえばなんですけど……貴方は此処に来る前は何をしてたんですか?
「家で休んでて、気が付いたらいつの間にか此処に居た」……なるほど、それは不思議ですね。
実は私も似たような感じで……もしかしたら、此処って夢の中なのかもしれませんね。
眠っていた二人の夢が偶然繋がって、私達はそのおかげで出会えたんだと思います!
だって此処に居ると、気分もまるで夢の中に居るみたいで──はい?
何か気になる事でもあるんですか?
私の格好が気になるんですか?
気になるって言われても、別に普通の格好だと思いますけど……角に羽?
あらら、これはもしかして……私の本当の姿が見えちゃってる感じかな。
ちなみにですけど、その羽とか角っていつから見えてました?
最初から……そっか、最初から見えてたんだ。

残念、バレてなければこれから貴方の事、襲っちゃおうと思ってたのに。

そうですよ~私は人間じゃありません。
さっき私が言った事……やっぱりちょっと無理がありましたね。
人間の夢が繋がるなんて、そんな事は余程の事が無い限りはあり得ないですから。
それにしても、夢の中なら私の姿は貴方にとって理想の姿に変わるはずなのに……貴方には最初から、私の本当の姿が見えていたと。
まぁ、こんな夢を見る人にはそんな事を考える余裕も無いって事ですかね。
だって……明るいのかも暗いのかも分からない、霧で前も後ろも見えないの森の中を歩き続けるだなんて、普通に考えて悪夢だと思うんですけど?
えぇ、此処は貴方の夢の中です。
最も普段から見ている夢とは少し違って、此処は貴方の心が投影された夢……貴方の心象風景と言った方が正しいかもしれませんね。
つまり、今の貴方はこんな夢を見てしまうほど疲れているという事なのでしょう。
さて、ここまで話をしておいて自己紹介をしないのもなんですし教えてあげましょう。

私は夢魔……サキュバスって言った方が分かりやすいでしょうか?

えぇ、街で偶然見かけた貴方を襲ってしまおうと、こうして貴方の夢まで足を運んだのですが……気が変わりました。
こんなにも心が弱ってる人間に手を出すなんて、私はちょっと気が引けちゃいます。
なので、今日は私が貴方を安らぎに導いてあげましょう!
ちょっと失礼しますね……こうやって貴方の事をぎゅーって、ちょっとだけ力を込めて抱き締めてあげます。
どうですか、落ち着くでしょう?
実は今、貴方の体を実際に私が抱き締めているんです……はい、夢の外でも私は貴方と一緒に居ます。
だって……起きた時に誰も居なかったら寂しいでしょうし、それに私はサキュバスなんですから。
そういうことをするのには、実際に触れ合わなきゃダメでしょう?
なので、目が覚めてからも私に会うことが出来るのでどうかご安心を。
うふふ……どうやら気持ちも安定してきたようですね。

貴方が抱えている悩み事、あえて聞くことは致しません……教えてくれるのでしたら、それはそれで構いませんけど。
ですが、これだけは言っておきますね。
もう大丈夫ですよ、貴方には私が居ます……狙ったはずの人間に一目惚れしてしまった、変わり者のサキュバスが。
もう一人で抱え込まなくても良いんです、これからは私が貴方の痛みを受け止めてあげます。
えぇ……貴方が許してくれるのなら、私はずっと貴方の隣に居ます。
ずっと隣で貴方の事を愛し続ける──初めて会ったサキュバスにこんな事を言われるのは、流石にちょっと重いですか?
でもこれだけは約束してください……これからは一人で無理をしないで、私の事を頼ってください。
あら、景色が揺らいで……もうすぐ目覚めるのですね、分かりました。
それではこの続きは、夢ではなくあちら側で致すとしましょう。
お返事も、しっかりと聞かせてくださいね?


あら、ようやくお目覚めですか……お寝坊さんですね。
起きるのがあまりにも遅かったので、少しだけ「イタズラ」させてもらいました。
私の付けたキスマーク、とっても似合ってますよ♪
うふふ、そんなに顔を赤くして……可愛いですね。
そんな事より、さっき夢で聞きそびれてしまったお返事……聞かせてもらいましょう。
辛い時は、私を頼ってくれますね?
ありがとうございます……そのお返事、私は生涯忘れませんからね。

それでは今後とも──不束者ですが、何卒よろしくお願い致します♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
サキュバスさんは癒したい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を書いてるタヌキ的な「何か」です。
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