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ヤンデレ食人鬼はアナタを愛したい
written by 霜月鷹
  • ヤンデレ
  • 後輩
  • 殺人鬼
  • 食人鬼
  • サイコパス
  • 怪物
公開日2022年06月23日 11:09 更新日2022年06月23日 11:09
文字数
3439文字(約 11分28秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
半分食人鬼の後輩
視聴者役柄
学生
場所
彼女の自宅
本編
(ナイフで刺す音)

はぁ……はぁ……うぅ……私、また殺しちゃったやっちゃった……
これで、えぇっと……五人目くらいだっけ?
流石に慣れてきたけど……でもやっぱり、すっごい疲れた……体に力、ちっとも入らないかも。
お腹減った……何か食べないと、死んじゃいそう……
あ、そうだ……死体コレを隠せそうな場所は……はぁ、今回も無さそう。
仕方ないや、今日もコレで済ませちゃおう……って、何が「仕方ない」なんだろうね。
私……こういう展開になるの、自分で期待してたじゃん。
何処どこで聞いたんだっけ……コレの味を覚えた獣は、積極的に人を襲うようになるって話。
今の私、あの話に出てきた獣そのまんまじゃん……まぁでも、量もあって美味しいもんね。
それにこうすれば、普通に処分するよりずっとバレにくいもん……これ、とっても理にかなってるよ。
さてと……もしかしたら最期の瞬間「なんで自分が?」って思ったかもしれないけど、私から先輩を奪おうとしたアナタが悪いんだからね?
先輩は私のモノなんだから、アナタみたいな薄汚い存在は近付いちゃいけないの。
私を差し置いて自分の事を「先輩の彼女」だなんて、そんなの絶対に許さない……だからアナタは、私に殺されちゃったの。
でも安心して……アナタはこれから、私の一部になるの。
そうすれば先輩の近くに居ることが出来るんだから……だから、これで我慢してね。

それじゃあ──いただきます。


(ドアの開閉音)

あ……先輩、どうしてこんなところに?
偶然だとしたら、タイミング最悪だなぁ……まぁいっか、今日も一日お疲れさまです。
どうしたんですか、なんか魂抜かれちゃったみたいに固まってますけど……あの、本当に大丈夫ですか?
気分が悪いなら水でも持ってきますけど……いや、調子が悪いなら休ませた方が──はい?
「どうしてここに居るのか」って……いやいや、ちょっと掃除をしてただけですよ。

私と先輩の仲を邪魔する人間を──ね♪

なんだか信じられないって顔してますけど、返り血だらけの私の服を見れば……えぇ、賢い先輩ならすぐに理解してくれますよね。
それとも、先輩はあんな女が居なくなった事にショックを受けてるんですか?
違いますよね……?
先輩が私を差し置いてあんな女の事を気遣うとか……そんなの、ある訳ないですよね?
ねぇ先輩、どうして黙ってるんですか?
先輩……答えてくださいよ、黙ってたら何も分からないでしょう?
「他の人達もお前がやったのか」……先輩、私が聞きたいのはそんな言葉じゃありません。
まぁでも、先輩が此処に居る時点で「犯人が誰か」っていう答えは出ちゃってるんですけどね。
というか、それ以前にさっき私が自分で言っちゃいましたから──

そうですよ……他の四人を殺したのも私です♪

あ、でも世間じゃ一応は行方不明って扱いになってるんでしたっけ……まぁ、それもそうですよね。
居なくなったっていう事実以外、証拠らしい証拠は何も見つかってないみたいですし。
えぇ、死んでますよ……もちろん、一人残らず全員。
信じられないって顔してますけど、先輩の目の前でわたし犯人が自白したじゃないですか。
「どうやって」って言われても……忍び込んで、刺して、それでおしまいですよ?
あぁ、その顔……分かりますよ、死体がどこにあるのか気になるんですね。
それじゃあ先輩にちょっとした質問ですけど、もしも私が「殺した相手を食べた」って言ったら……先輩は信じてくれますか?
まぁ、信じられる訳ないですよねぇ……だってそんなの、人間に出来る訳ないですから。
でもというか何というか……私には出来ちゃうんです、そういう事が。
私の家って昔から少し変わってて、色んなモノを作ったり実験したり……まぁ、とにかく色々やってたんです。
それでですね、私がまだ小さかった頃……その実験で出来た試薬を、私がジュースと間違えて飲んじゃったんです。
今思い出しても、本当に酷い味でした……まぁでも、問題だったのは味じゃなくて薬の効能だったんですけどね。
私の体、普通の人間よりずっと丈夫で強くなったんですけど、その代償にとんでもない欠点が生まれちゃったんです。
先輩、食人鬼グールって知ってますか?
人間を襲って食べる化け物……私、体の半分くらいがそのグールになっちゃってるんです。
今までは普通の食べ物をたくさん食べるだけでどうにか衝動を抑えてたんです、そのおかげで一応は普通の学生として生活できてましたから。
でもあの日、自称先輩の友人さんを間違えて殺しちゃった時、目の前にあの人が転がってるのを見た時……今までずっと抑え込んでた衝動が溢れ出しちゃったんです。
自分がやってしまった殺人コト、この事実をどうすれば良いのか……死体を隠すのか、それとも何処かに隠して自分は罪から逃げるのか。
そうやって迷っていた時、思い付いたんです……目の前に転がってるのはさっきまで人間だっただけの肉の塊。
もう人間じゃないなら、食べたって問題ない……それにこれを隠せば、私がここに居た事、この事件を起こしてしまった事もバレない。
だから必死になって食べて、飢えを凌いで……そこに自分が居たって証拠を消して、その場を後にしたんです。
でも、あの自称友人さんが消えてしまった事実だけは隠せなかった……けれど、警察も噂好きな人達も、誰一人として私には辿り着けなかった。
だからその時、私は理解したんです。
私には私が邪魔だと思ってる奴らを消すだけの力があって、それを隠すだけの力もある。
だから……だからこうやって、今日も先輩にまとわりつく異常者……自分の事を先輩の彼女だとか思い込んでる頭のおかしい女を消したんです──って、なんか私の事ばっかり話しちゃいましたね、すいません。
それじゃあ先輩、あんな女の事なんかさっさと忘れて二人で休憩にしましょう♪
ほらほら、こっちに──

えっと、先輩……どうして今、私の手を払ったんですか……私、もしかして先輩に何か悪いことでもしちゃいましたか?
もしそうなら教えてください、ちゃんと謝りますし次からはそんな事をしないように心掛けますから。
おっと、出て行っちゃ駄目ですよ……というか先輩、私の質問に答えてませんよね?
ダメじゃないですか、聞かれた事にはちゃんと答えなきゃ……人間としての基本ですよ?
「手を離せバケモノ」……えぇっと、なんだか言葉に棘がありますね。
いやまぁ、自分の事を半分グールだって名乗りはしましたけど、一応は私も「人間」なんですからね?
こうして制服を着て学校に通って、大好きな先輩を一途に想い続けてる先輩の彼女──
「お前は彼女なんかじゃなくて異常なストーカーだ」……え、えっと……すいません、ちょっと何言ってるか分かんないです……私がストーカー?私が異常?
あはは、ちょっと訳わかんなくて、頭の処理が追いつかないです……まさか、彼氏である先輩にそんな事を言われちゃうなんて。

──ッ!

(地面に組み伏せられる)

逃げようとしたって無駄ですよ?というか、普通に考えて私が先輩の事を逃がすと思いますか?
私と先輩が恋人同士であるって事実を除いても、先輩は私がどうやって人を殺したのかを知ってるんです……そんな人間、犯人が逃がすと思いますか?
ですよねぇ思いませんよねぇ!?
でも大丈夫ですよ、安心してください♪
映画とかだったら先輩は殺されちゃってるでしょうけど、私はそんな事しません……だって先輩は、私のとっても大事な彼氏なんですから♪
「それは絶対に違う」──ふーん、こんな状況でもそんなにツンツン出来ちゃうんですね。
でも先輩、流石の私もそろそろ我慢の限界が来ちゃいそうです……そうやっていつまでも否定され続けてると、なんかすっごい苛々してきます。

……あはは、大丈夫ですか♪
私がちょっと力を込めただけなのに、先輩の腕からなんかすっごい音が聞こえましたよ~?
あらら、これは完全に折れちゃってますね……そんなに叫んじゃって、とっても痛そうですね。
大丈夫ですよ、私がぎゅ~ってしてあげますから。
ほら落ち着いて、ゆっくり呼吸してください……どうですか、落ち着きましたか?
良かった……でも先輩、このまま私が力を籠めたら先輩の体……さっき折れた腕みたいになっちゃいますね♪
うふふ、急に息が詰まっちゃいましたね♪
ねぇ先輩……もう一度聞きますけど、先輩は私の恋人……そうですよね?
お互いの事を愛し合っていて、常に一緒に居ないと気が狂っちゃいそうになる……それが私達の関係ですよね?
うふふ、ですよね~先輩ってばちゃんと分かってるじゃないですか♪
それじゃあ先輩、さっき私が言った事……他の人には話さないって約束してくれますか?
私の秘密を守って、私との幸せな日々を受け入れてくれますか?
嬉しい……ありがとうございます♪
先輩に限ってそんな事はしないと思いますけど……

もし約束を破ったら、その時には先輩の事を食べちゃいますから──

覚悟、してくださいね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレ食人鬼はアナタを愛したい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
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