ある晩、寝ようとしていた貴方は窓を叩く音に気が付き、振り向くとそこには隣に住む知り合いの女の子がいて…？

(窓を叩く音)

よっすー。遊びに来ちゃった♪

え、お化け呼ばわりは酷くない？可愛いお隣さんが人目を偲んで遊びに来てあげたってのに。

いや、玄関は無理。今夜中じゃん。つか、玄関より窓からのが早いし。

とりあえず中入れてよ。人に見られたらまずいし。ほら、早く早く。




夜中にごめんね？なーんか眠れなくてさぁ…

そ。暇んなったから、君のとこに遊びに来たってこと。

いや？ノープランだけど？何する？ゲームとか？

へー、なに？じゃあ彼女だったら、窓からの不法侵入も許すんだ。君も結構無防備だね。

あー、なるほど。心を許せる相手だったらの話か。そーいうことね。

じゃああたしは君が心を許してる相手って事でいい？窓から入れてくれたし。

うわー、ひどっ！あたし、そんなめんどくさくないし！ちょっと夜中にかまちょしただけじゃん！

うーん、この朴念仁は…こういう、なんて言うの？日常の中の非日常を楽しむのがいいんじゃん。

お隣さんが女の子で、しかも夜中の喋り相手になってくれって頼むこと自体、滅多にないからね？

相変わらずテキトーだなぁ…あしらうにしても、もうちょっと優しく扱ってよー。バカー。相手は女の子だぞー？

…え？今なんて？女の子って歳でもないだろって聞こえたような…

うん、有罪(ギルティ)。はい、デコピンの刑。

(デコピン強打)

バーカ。デリカシーない男には必要な仕打ちでしょ。むしろ下の急所じゃなかったことを感謝すべきだと思うけど？

はいはい、大声出さない。家族の方、起きちゃうよ？

あ、そうだ。せっかくだし、本読ませてよ。何かある？

えーっと……あ、これでいっか。ちょっと借りるねー。

え？やだよ、面倒臭い。自分の部屋に一々戻るのとか、手間じゃん。

大丈夫、すぐ読み終わるから。ちょっと居候すんねー。




ん……あれ？朝？いつのまに…

(あくび)

本読んで寝落ちしてたんだ…てか、ヤバ。本によだれ垂らしちゃった…とりあえず拭いとこ。

…？なんか下騒がしいなぁ。家族と何かあったんかな？

(ドアが開く)

あ、おはよー。ごめん、あのまま寝落ちしちゃってさー。

本、ちょっと汚しちゃったけど勘弁しt……ってどうしたの？そんな血相変えて…

へ？冤罪って…何が？どゆこと？

あ、あー…下が騒がしかったのってそういう…

あ、あはは…ごめんごめん。ちゃんと釈明するから。

分かってるって。このままだと君、女の子を無理やり部屋に連れ込んだクズ男になるんでしょ？

りょーかい。頑張って君の弁護しますよーっと。




ふー…よかったね。なんとか誤解が解けて。

え？まだ怪しまれてる？うっそだー、あんな完璧な釈明で疑いが晴れてないとかあり得ないって。絶対。

あ、今度はそっち？彼女いる疑惑持たれてんの？

大変だねー、君も。まぁ頑張って。

どーどー。そんな怒らないでって。ちょっとは悪かったと思ってるからさー。

んー…じゃあさ、ほんとに付き合う？あたしら…

あはは、何照れてんの？可愛い〜。もしかして本気にしちゃった？

ふふふっ…さぁ？付き合う付き合わないは、君の決断と今後の態度次第かなー。

ま、とりあえず昨日はぐっすり眠れたし、マジで感謝してる。ありがとね。

また眠れなかったら、夜中に来るかもだから、そん時はよろ〜♪ にひひ♪

・台本（ゆるボイ！）
隣に住む知り合いの女の子が夜中に窓から遊びに来た
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎