ようやく来たか……待ちわびたぞ。
幾千年の時を生きた私だが、これ程までに気を長くしたのは初めての事だ。
あぁ、たかが一晩。されど一晩だ。
昨夜お前と別れ、そして今日再び顔を合わせることを誓う。
ただそれだけの事が私の胸を昂らせ、こうも浮足立たせたのだ。
お前が俗世を離れ、この仙境へと身を置くと誓いを立てた事……包み隠さずに言うのであれば、とても嬉しかった。
私と肩を並べ、寝食を共にせんとする物好きと出会えたこと、私は心から嬉しく思う。
ただ、仙女として在る事を選んだ私に、まだこのような感情が残っていたとは……
師たる天仙様の耳に達すれば、あの方はさぞ苦い顔をされるであろうな。
「仙境の山門を守護するお前が人に絆されるなど──」と、季節が巡るよりも長い小言を聞かされるやも知れぬ。
ふふ、そう気に病む必要はないぞ♪
今のは軽い冗談だ、天仙様はそれほど狭量な方ではない。
お前の事も、きっと歓迎してくれるだろう。
さて、あれこれと積もる話もあるが……それは後の楽しみにして、そろそろ参ろうか。

福徳円満、喜色満面に溢れたお前の在りようを、私は楽しみにしているぞ。

・台本（ゆるボイ！）
仙女様と仙境へ至る
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・台本制作者
霜月鷹