城から家出をした反抗期真っ只中の第一王子が盗賊に誘拐されてしまう。そんな彼を助け出したのは、雷を司る竜騎士の女で…？

(扉を蹴破る)


ったく…こんなとこに誘拐されてたんだ、王子様？あんな盗賊風情に拐われるなんて、格好つかないね？


ん、まぁね…これでも一応、騎士だから。囚われの姫…じゃなくて今回は王子か…を、助けるのは当然だろ？


(敵の盗賊が襲いかかってくる)


(舌打ち) うるせぇゴミどもが…まとめて塵にしてやるよ…！らぁっ！


(雷を纏わせた剣を振るい、敵をまとめて薙ぎ払う)


ふん…これで邪魔なゴミは掃除した。あとは王子、アンタだけだよ。


(上から覆い被さる)


…は？誰が縄をほどくなんて言った？そんなの、一言も言った覚えないけど？


(ため息)


あのさぁ…そもそもこんなことになったのは、アンタが親に余計な反抗心こじらせて、家出したのが原因じゃん。大人しく城でお勉強してりゃ、こんな面倒なことにならなかったのに…全部、アンタの自業自得だよ？


あぁ、たしかに助けるとは言った。けど、このままお城に連れ戻したんじゃ、また同じことの繰り返し。ちょっとばかし、教育する必要はあると思わない？


(彼が押し返そうと抵抗するが、びくともしない)


ふん、このバカガキが…その程度の力で、アタシを押し返せると思ってんの？まぁ、普通の人と竜人って時点で既にかなりの開きはあるけど、それでもこの非力さはそこらの女にも負けそうで心配。


いやさぁ…ホント弱っちいよね、アンタって。アタシの指一本、まともに動かせないじゃん。マジで力入れてる？男なら、もっと頑張れよ…


…ふふっ♪ ま、そーいうとこが、アタシ的にはいいんだけどさ♡ 非力すぎて、逆に萌えるっつーか…ねぇ？


でも、声はちょっとうるさいかな…アタシの指、咥えてみ？ほら、アーン…


(咥えさせた指から軽く雷撃を流す)


ふふふっ♪ めちゃくちゃ痙攣してる♡ これでも手加減したつもりなんだけどなー♡


こんな軽い電気ショックで、更に弱体化するんだからさ…あんな雑魚どもにすら、誘拐されるのも納得だわ。


ねぇ、反抗期真っ只中のバカ王子…アンタのこと、アタシが守ってやろうか？アタシを専属の騎士にしてよ。


アンタが何を喚こうが、この国の跡取りであることに変わりないし…護衛の専属騎士くらいは必要でしょ？ましてや、アタシは竜騎士で、そこらの騎士とは格が違う。採用するならアタシにしろ。


はぁ？跡を継ぐのは弟って…第二王子のこと？アレ、絶賛行方不明じゃん。アタシの同僚が勝手に連れ去って，それからは完璧に足取りを追えずじまい。今ごろ、海にでも沈められてんじゃない？てか、跡を継ぐのは長男のアンタでしょーが。自分の責任から逃げんじゃないっての。


そんなことはいいからさ…早くアタシを専属騎士に任命しろ。アンタになら、忠誠の一つや二つ、誓ってやってもいいけど？


なんでって…アタシが最強で、アンタが最弱だから。強い奴が弱い奴を守る。これ、この世の常識だから。


ま、口でうだうだ言うより、身体で直接わからせた方が早いか…一応、これでも女だからさ、この無駄にデカい胸使って、アンタの脳を甘く痺れさせてあげる…覚悟しな？

・台本（ゆるボイ！）
【人外/ヤンデレ】依存体質な竜騎士からの求愛〜雷の竜騎士編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎