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実は妹溺愛のお兄ちゃん。久しぶりに帰省したら、妹の様子がおかしい……
written by 神塚わひろ
  • 切ない
  • 癒し
公開日2021年07月01日 19:00 更新日2021年07月01日 15:53
文字数
3948文字(約 13分10秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
優しいお兄ちゃん(学生)
視聴者役柄
お兄ちゃん大好きな妹
場所
妹の部屋
あらすじ
一人暮らしをしている兄が久しぶりに帰省。
変わらず優しい両親に溺愛の妹。
……しかし、妹はなんだか様子が変で……
本編
〇妹の部屋(夕方)

SE 妹の部屋をノックする

兄「おーい、入っていいか~?」

SE ドアが開く音

兄「なぁにやってんだ?
 え? 勉強? あ、じゃあ邪魔しちまったか?」

   妹、首を横に振る。休憩するところだったという。

兄「そっか。じゃあ、休憩に兄ちゃんもまぜてくれ♪」
   と、妹の部屋に入る。

SE ドアの閉まる音

   妹、デスクチェアに座る。

SE 椅子が軋む音

   兄、床に腰を下ろす。

兄「勉強って、テストでもあんのか?」
   妹、「予習だよ」とにっこりする。
兄「予習? お前、相変わらず真面目だなあ。
 あ、分からないところはないか?
 兄ちゃんが教えようか?」
   と、立ち上がり妹の机上のノートを覗き込む。

   妹、慌ててノートや教科書を隠す。
   「私の方が賢いもん」と頬を膨らます。

   兄、その動作に違和感を覚える。

兄「ははっ、言うねぇ~。
 そうだよな~。
 お前、いつも学年成績トップだもんな~。
 兄ちゃんの手助けなんていらねっか」
   と、妹の頭をポンポンと撫でる。

兄「それよりよぉ……」
   と、兄、真面目顔になる。

   次の瞬間、急に砕けた様子で妹に抱き着く。
兄「兄ちゃん寂しいぞぉ~!
 久しぶりに帰ってきたのに、お前素っ気ないんだもんよ~。
 兄妹(きょうだい)水入らず、お喋りしようぜ~」

   妹、少々うざがるも、嬉しそう。「勉強しなきゃ」という。

兄「まだ勉強すんのかー?
 兄ちゃんより勉強の方が大事かっ!」
   兄、妹の頭をグリグリ強目に撫でる。
   妹、ハッとして、そんな事ないという。

兄「じゃあ、兄ちゃんとお話、なっ!」

   妹、諦めたような笑顔。
   兄と一緒にベッドに並んで座る。

SE ベッド軋む音

兄「オレ最近、本屋のバイト始めてよ。
 もお、そこの先輩が厳しいのなんのって。
 本は赤ん坊と一緒だから、大事に扱いなさい! とか。
 コミック1つとっても、文庫サイズはあっちやら大判はそっちやらで――」

   妹、楽しそうに笑いながら聞いている。
   兄、つられてフッと笑う。
兄「お前んトコはどう?
 学校は楽しいか?
 お袋がさ、お前がテストで学年トップのたびに大喜びでメール送ってくるんだよ。
 写真つきだぜ? 見るか?」

   妹、顔を赤くしてお母さんのことを怒る。

兄「ははっ、あんま怒んなよ。
 お袋だって、嬉しくてついやっちまってるんだから。
 お前が優秀だから、自慢なんだよ。 
 そういや、音楽とか体育は?
 あ、そっか。音楽と美術は選択科目だったな。
 お前どっち?」

   妹、小さな声で応える。
兄「え? 何だって? ……美術?」

   兄、思い出したように
兄「あー……だよな~。
 お前、音楽は壊滅的だもんな……っ痛。
痛ぇって。叩きすぎだって。
……っははは」

   しばらく兄妹で笑いあう。

兄「……なあ、ずぅっと気になってたんだけどよ……
 その左足、どした?
 スカートで隠してるけど、太もものそれ……火傷だろ?」

   妹、「エッチ!」と言って慌てて隠す。

兄「『えっち』じゃねえだろ?
 こっちゃ真面目に訊いてんだ。
 それ、フツーそんなとこにできるか?」

   妹、授業で火傷したという。

兄「あ? 調理実習で熱湯こぼした?
 すぐ冷やしたのか? 結構な痕になってんぞ?」

   妹、大丈夫と言ってにっこりする。

兄「なら、いい。
 ……じゃあ、別のこと訊いていいか?」

   妹、身構えて「何?」と顔をこわばらせる。
   兄、机横にあるカバンに目をやる。

兄「あそこにあるカバン、なんであんなに汚れてんだ?
 あれ、誕生日にオレがプレゼントしたやつだよな?
 お前、ずっと欲しがってたやつ。
 スッゲー大事にしてくれてたのに、あんなに汚れてるなんて……」

   妹、慌ててカバンを押し入れに隠す。

兄「落として汚しちまった?
 後で綺麗にするつもりだった?
 ……そっか」

   兄、押し入れの前に立つ妹に壁ドン。
   低いトーンで少々脅すように、
兄「お兄ちゃんに嘘つくとは、いい度胸だな……」

   妹、ビビりつつも兄を見据える。体は震えている。
   兄、その様子にため息をつく。
   声のトーンをいつもの高さに戻して、
兄「お前さ……嘘とか隠し事できねぇんだからさ。
 親父やお袋はのほほんとしてっからごまかせるけど、オレには通用しねぇぞ?
 それと、さっき慌てて隠してたけどよ……
 教科書もノートも、ボロボロで落書きやらあっただろ。
 ものを大切にするお前が、そんなことするなんて考えられねえんだよ」

   妹、声を出さず、涙をボロボロ流し始める。
   兄、妹を優しく抱きしめる。

兄「……ごめんな、ビビらす言い方しちまって……
 でも、お前がもしかして……ヒドイ目に遭ってんのかと思うと……兄ちゃんは……」
   兄、妹を抱きしめる手に力が入る。

兄「大丈夫だ……大丈夫……
 我慢しなくていいから。
 なんも言わなくていいから……」

   妹、思わず痛みを声にする。

兄「んあ? 悪い……
 ……え? 怪我? ちょっ……見せろ」
   妹、今度は素直に従う。

   妹の腕や背中にいくつものアザ。
   兄、信じられないといった表情になる。

兄「お前……これ、ずっと我慢してたのか……?」
   兄、背中のアザをそっと撫でる。

兄「……つらかったろ……」
   兄、妹の傷を隠すようにバックハグ。
兄「親父とお袋には……?」
   妹、首を横に降る。

兄「……そっか。心配させたくないもんな」
   妹、両親には言わないでと懇願する。

兄「よしよし……大丈夫、言わねぇから。
 大丈夫。兄ちゃん、お前との秘密、絶対バラしたりしねぇって。
 ……え、知ってるって?
 ……あんがとな」
   妹、ポツリポツリと話し始める。

兄「……うん……うん。
 それはいつくらいから?
 3ヶ月前から?
 ……うん……そっか、だんだんエスカレートしてんな」
   と、妹の頭を撫でる。

兄「お前が毎回学年トップだから、贔屓されてると思われたんだな」

   妹、さらに話し続ける。

兄「……え?
 叩かれて……蹴られ、て……髪や、服も……?」
   兄、妹のイジメを想像し、ぎゅっと唇を噛む。

兄「……無理すんな。
 ……無理に……話さなくていい……」
   兄、妹を優しく抱きしめる。
兄「そっか……それでも学校には行き続けたんだ。
 独りで耐えてたんだな……えらいな……頑張ったな……!」

   妹、兄にだけは知られたくなかったと告白。
兄「え、ホントは、オレには知られたくなかったって?
 なんで――」
   妹、兄にいきなりキスする。

SE 軽いリップ音

兄「っ……!?」
   兄、突然のことに声がでない。

兄「ちょっ……お……おまっ……!
 ど、どど……」
   兄、うろたえすぎて言葉にならない。
   妹、兄の事が好きだとカミングアウト。
兄「は……はあっ?
 え? オレの事?
 いやでもオレ……お前の兄ちゃ――」
   妹、兄をベッドに押し倒す。

SE ベッドが軋む音

   「迷惑ばかりでごめんなさい」と、兄の胸で泣きじゃくる。
   兄、ため息をつく。
兄「……はあ~、何言ってんだ。
 迷惑なワケねーだろ」
   兄、妹を優しく撫でる。
兄「オレ……で、いいのか?」
   と、照れつつも不安げに言う。
   妹、「お兄ちゃんがいいの!」とはっきり言う。

   兄、逆に妹へと覆いかぶさる。
   妹の耳元に口を近づける。
   少し興奮した吐息を聞かせ、
兄「オレも……お前がいい……」
   と、囁く。

   兄、妹にかぶさったまま頭を撫でる。
兄「最初は、さ……
 当たり前だけど、妹として大事だった。
 けど、いつの間にか、お前の事……
 妹としてでなく、別の感情で見てることに気がついて……
 オレは兄ちゃんで、お前は……妹で……
 こんな感情、お前を傷つけるかもって思うと……怖くなっちまった。
 だから……オレは家を出たんだ……」

   妹、「寂しかった」と涙を必死に拭う。
   手首にある傷痕が見える。
兄「結果的に、お前を寂しがらせただけだったな……
 ホント……ごめん」
   妹、泣きながらも笑顔で応える。

兄「オレがいない間、よく頑張ったな……えらいぞ。
 だからってわけじゃねえけど……
 これは兄ちゃんからご褒美だ」
   兄、妹の頬にキスする。

SE 軽いリップ音

兄「反対の頬にも……」

SE 軽いリップ音

兄「お前は、頑張ってるよ……だから……」
   と、吐息混じりに妹を見つめる。

   兄、妹の手首を優しく持ち上げ、
兄「こんな傷、もう……つくらないでくれ」
   と、辛そうに懇願する。
   妹、ハッとする。

兄「独りで……終わらせようとしたんだろ……?
 怖かったろ……?
 この傷……」
   兄、妹の手首を舐める。
兄「……手首、動かすな。手当てすっから……」
   兄、さらに手首を、舐め回す。

兄「つらいってのに……
 そんな時にそばにいなくてごめんな。
 頼りねぇな、オレ……」
   妹、そんな事ないと慌てる。

兄「お前がいなくなるなんて……
 考えるとゾッとする。考えたくねぇ……!
 怖ぇ……!」

   兄、妹を優しく抱きしめる。

SE 衣擦れの音

兄「……お前を、守りたい……
 オレが、お前を守るから……!」
   妹、突然のことにビックリして目を丸める。

兄「……これからはずっとそばで、お前を守るから……!
   妹、嬉しさで涙を流す。

SE ベッドが軋む音

兄「そうだ……お前の傷、手当しねぇと……」

   兄、妹の服を脱がす。

SE 衣擦れの音

兄「……っ!
 改めて見ると……ひでぇな……!
 傷も、アザも……!」
   と、妹の怪我した部分を優しく舐める。

SE リップ音

兄「全部、オレが治してやる……」

SE リップ音

   妹、ビクっと身を震わせる。
   兄、感じてる妹を初めて見て少し驚く。
兄「お前……感じやすいのな……
 ……ククッ、丸まんなって」
   と、丸くなって身を固める妹を見て楽しむ。

兄「背中、丸見えだぞ?」
   と、背中をどんどん舐めていく。

SE 連続リップ音

   兄、だんだん興奮してくる。

兄「あの、さ……
 こっから先は……オレも抑制が効かねえ、かも」
   兄、息遣いが荒くなる。

兄「……いいか?」
   妹、こくん、と頷く。
兄「……止まらねぇ、からな……!」
   妹、にっこりと微笑む。

SE 連続してリップ音



-END-
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
実は妹溺愛のお兄ちゃん。久しぶりに帰省したら、妹の様子がおかしい……
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
神塚わひろ
ライター情報
pixiv、ファンティアにて女性向けフリー台本書いています。
台本ご利用の際は言っていただけるとすごく喜びます。
反応は遅めです、申し訳ない。
甘々、R、たまにバイオレンス。
有償販売利用の条件
音声の商用利用→可
二次配布・台本自体の販売→不可
利用実績(最大10件)
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