0
【三人兄弟】「君は誰を選ぶ?」幼馴染みの兄弟が彼女へアピール
written by 神塚わひろ
  • 告白
  • 喧嘩
  • ラブラブ
  • 純愛
  • ツンデレ
  • 幼なじみ
  • 年下
  • 年上
  • 敬語
公開日2021年07月09日 19:00 更新日2021年07月02日 12:26
文字数
4080文字(約 13分36秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
三兄弟(詳細はあらすじに記載)
視聴者役柄
三兄弟の幼馴染
場所
公園
あらすじ
久しぶりに帰郷し幼馴染みの三兄弟に会った彼女。
公園での日向ぼっこでついうとうとする彼女。

ひょんなことで、三兄弟が幼馴染の彼女にアピールしはじめます。
そして始まる告白合戦。
あなたは誰を選ぶ?

【人物】
末っ子:小悪魔ワンコ系。彼女より年下で、「おねーちゃん」と慕ってくれる。一人称「ボク」。

次男:ツンデレ。彼女と同い年で、ややぶっきらぼうなところも。彼女のことを「お前」呼ばわりで、会うたびに口ゲンカになる。一人称:オレ。

長男:お兄ちゃん系。優しい年上紳士。彼女の事は「君」と優しげに呼ぶ。おっとりというか天然なところがちらほら。一人称:僕。

#健全
#女性向け
#幼馴染み
#ツンデレ
#年下犬系
#年上兄系
#告白合戦
本編
〇公園・芝生の上

   彼女、日向ぼっこをしているうちに眠ってしまう。
   末っ子、彼女の寝顔を覗き込む。
末っ子「……ちゃん、おねーちゃん。
 こんなところで寝てると風邪ひくよ。
 起きて、そろそろおやつにしよーよぉ」
   彼女、起きる気配がない。

末っ子「……もぉ、おねーちゃんってば……
 ぽかぽかの芝生の上で丸くなって、猫みたい。
 おねーちゃん……かわいい……」

SE 頭を撫でる音

末っ子「おねーちゃんの髪、キレイでさわり心地がいい……
 もう少しだけ……撫でさせてね……」
   末っ子、彼女の頭を撫でていたが、うとうとし始める。

SE 鳥のさえずり

   しばらく・間

   次男と長男、ドリンクを買って戻ってくる。

SE 芝生を歩く音

次男「おーい、カプチーノとココア、買ってきたぞー……って、おい!
 何やってんだ!?」
長男「おやおや? これは『抜け駆け』というやつですかね」

次男「おい! さっさと起きろ!」
長男「騒がしくすると、彼女まで目覚めてしまいますよ」

   末っ子、ゆっくり起き上がる。
末っ子「……あれ? ボク、寝ちゃってた?」

   次男、小声で末っ子を掴みながら、
次男「お前……そいつから離れろっ!」

末っ子「あ~ん、何するんだよぉ~?」

   長男、小声で注意する。
長男「静かに……彼女が起きてしまいます」

末っ子「あ……ごめん」
   と、つられて小声になる。

次男「とにかく、こいつが起きないよう少し離れよーぜ」

   彼女が起きないよう、少し離れる三人。

SE 芝生を少し歩く音

長男「君のすべき事は昼寝ではなく、彼女が風邪をひかぬよう対処する事でしょう?
 ブランケットを掛けてあげるならまだしも、なぜ君まで一緒になって眠っているんです?」

末っ子「兄さんたら怒んないでよ~。
 眠るつもりはなかったんだ。
 ただ、おねーちゃんを撫でていたら、さわり心地が良くて、ぽかぽかしてきちゃって……で、気づいたら寝ちゃってたんだよ」

次男「立派な抜け駆けだな」
長男「抜け駆けですね」

末っ子「ふーんだ!
 コーヒーに砂糖マシマシでミルクたーっぷり入れないと飲めないお兄に言われたくないよ!」

   末っ子、ツンとそっぽを向く。
   次男、カチンとくる。
次男「なっ……! ココアしか飲めないやつがよく言うぜ!」
   と、買ってきたココアを末っ子へ突き出す。

長男「飲み物に罪はないので、その辺にしといたらどうです?」
   と、コーヒーを飲みつつ二人を諭す。

   末っ子・次男、長男に食いかかる。
末っ子「ブラック飲める兄さんは黙ってて!」
次男「自分だけちゃっかりホットにしやがって!」

   末っ子、ココアを飲んで、兄二人を煽る。
末っ子「っていうか、兄さんたちもやってきたら?
 おねーちゃん、すっごくあったかくてふわふわしてたよ」

次男「おまっ……ふっざけんな!
 なんであいつを撫でなきゃいけねーんだよ?」

末っ子「でたよ、お兄のツンデレ……
 そんなだから、久しぶりに逢えたのに、おねーちゃんとケンカばっかして進展しないんじゃないの~?」

次男「ばっ……!
 ツンデレとか、意味わかんね!
 オレは、こいつが知らない奴から告られたっていうから、変なヤローなんかやめとけって言っただけで……」

末っ子「お兄、人の話はちゃんと聞いとこうよ。
 その話、告白したヤツは知らないヤツじゃないでしょ?」

長男「厳密には、『知らない奴』ではなく、『一度も話したことのない生徒会長』ですね」

次男「オレらにとっちゃ、知らない学校の知らないヤローだ!」

長男「それでも、感情的になってアドバイスするべきではありませんよ。
 彼女だって、昨日の君の態度に戸惑っていました」

   末っ子、長男の言葉に同意する。
末っ子「そうそう。
 それに、おねーちゃんはその告白、きっと初めから断るつもりでいたんだとボクは思うよ?」

次男「なんでだ?」
末っ子「半分はボクの勘。
 ……もう半分は、ボクたちに相談してくれたから」

長男「告白を受け入れるつもりなら、少し時間を空けたって、彼女は一人で考えて返事をしていたでしょうからね」

末っ子「幼馴染みなら、おねーちゃんのことくらい何でも知ってないとね、お兄」

次男「……ンだと?」

末っ子「一度も話したことがない生徒会長よりも、おねーちゃんのことをぜぇーんぶ知ってるボクの方が、何百倍も何千倍もおねーちゃんの事、好きだもん!
 このチャンスにおねーちゃんをボクのものにしちゃおっかなー」

次男「まてまてまて!
 なんでそうなる?」

末っ子「だって、ボクおねーちゃんをお嫁さんにしたいもん」

   末っ子、声のトーンを落として小悪魔のように、
末っ子「……だったら、他のヤツにとられる前に、ボクのものにしなきゃ」

長男「出ましたね、小悪魔」

末っ子「ボクおねーちゃんのとこに行ってくる~」
   末っ子、長男と次男の間をすり抜けて走っていく。

SE 芝生を走り去る音

次男「待てっ……!
 ……あ、あいつはオレのもんだ!」
   と、末っ子を追いかける。

長男「彼女はものではありません!
 二人とも! 待ちなさい!」
   と、二人を追いかける。

SE 芝生を走り去る音

SE 近付く駆け足音

末っ子「あ、おねーちゃん起きてる。
 ちょーどよかった~。
 ね、ね、おねーちゃん!
 ボク、おねーちゃんにお話があって――」

SE 芝生を走る音

次男「くぉら待てえ!
 テメ何回抜け駆けすりゃ……!」
   次男、彼女が起きていることに気づく。
次男「あ……おう、起きたのか?」

   彼女、二人に「どうしたの?」という顔。

末っ子「あのね、おねーちゃんが昨日相談してくれた事を聞いて、ボクからも伝えた……」

SE ドンッと人を押す音

末っ子「痛ったーい!」
   末っ子、次男にどつかれ押しのけられる。

   次男、末っ子に変わり彼女の目の前にくる。
次男「き、昨日は悪かった!
 オレ、ついカッとなっちまって、お前の気持ち無視して断れとか言っちまって……
 けどオレ、お前がオレ以外の男と一緒って考えただけで、スゲー嫌で、耐えらんねぇんだ!」

末っ子「ちょっと、ボクが先だよ!
 おねーちゃんはボクのお嫁さんになるの。
 お兄みたいに意地悪したりしないもん」
   末っ子、彼女に抱きつく。

SE 衣擦れ音

次男「あ、こら! 抱きつくな!
 そいつから離れろ!
 あとドサクサで告るんじゃねぇ!」

末っ子「お兄だって同じじゃん。
 それから、おねーちゃんのことが一番好きなのは、ボ――」
   長男が割り込む。
長男「僕ですっ!
 ……はあっ……はあ……」
   長男、遅れて到着する。

   次男・末っ子、少し呆れた表情。
次男「兄貴、体力なさすぎだ……」
末っ子「兄さんまでボクの邪魔をする~」

   長男、息切れしながら、
長男「か、彼女を一番大切にしている、のは……僕……僕です!」

   彼女、息切れする長男の背中をさする。

SE 衣擦れ音

長男「す、すみませ……お気遣いを……」
   と、言いつつむせる。

末っ子「もう~!
 お兄も兄さんも、どうして邪魔ばっかするのさー?
 もともと、ボクとおねーちゃんのお出かけの約束だったのにぃ~。
 お兄は普段めんどくさがって出かけないくせに!
 兄さんだって、今日は仕事じゃなかったの!?」

   次男、眼を逸らしながら、
次男「こいつをお前と二人きりにすんのが心配だったから……」

   長男、息を整えながら、
長男「……大切な幼馴染みが帰ってくる事以上に優先すべき案件はありませんから」

末っ子「おねーちゃんはボクのお嫁さんになるんだよ!」

次男「そんなの、こいつに訊かなきゃわかんねーだろーが!」
長男「同意見です」

   兄弟三人、彼女の前にきて、視線をあわせる。

末っ子「……ねえ、おねーちゃんは、誰のお嫁さんになりたい?」
次男「……お前は、誰を選ぶ?」
長男「君の気持ちを……教えて下さい」

   末っ子、彼女に抱きついて頬擦りする。

SE 頬擦りする音

末っ子「おねーちゃんの頬っぺた、ふにふにしてやわらか~い」

   末っ子、にこにこしながら、
末っ子「あのね、おねーちゃん。ボクはね、お料理得意だよ。
 それに、毎朝おはようのキスとハグしたいな。
 お休みの日は一緒にお出かけしたり、たくさんお話したりしよ。
 毎日をおねーちゃんと過ごしたいんだ」
   末っ子、彼女の頬にキスする。

SE 軽いリップ音

末っ子「照れてるおねーちゃん、すっごいかわいい。
 ……今はまだ兄さんたちと比べたら、子供っぽいかもしれないけど、絶対イイ男になるから!
 ……だから、ボクを選んで」

次男「……おい」
   彼女、次男に腕をそっと引かれ、懐へ抱き込まれる。

SE 衣擦れ音

   次男、照れながら、
次男「……な、なんだよ。
 抱きしめるくらいさせろよ……
 今から大事なこと、言うんだし……」

   次男、ぶっきらぼうながら、優しげに、
次男「お、オレは……ぶっちゃけ家事とか得意じゃねぇけど……手伝うから。
 そこまで不器用でもねぇから、心配するな。
 それに、お前の事……絶対大切にする。
 苦労はさせねぇし、不安なときは、ずっとそばにいて、こんなふうに抱きしめていてやる。
 お、お前の笑った顔……すげー好きなんだ」
   次男、優しくぎゅっと抱きしめる。

SE 衣擦れ音

次男「……だから、オレを選べ」

   彼女、長男によって後ろへと引き離される。

長男「こちらを向いてください……」
   長男、彼女の腰を引き寄せ、顎に手を添え自分の方を向かせる。

SE 衣擦れ音

長男「君は幾つになっても僕を見上げてますね」

   長男、耳元で、
長男「そこがまた、かわいいです」

   長男、真面目な表情で、
長男「僕は、掃除や洗濯は弟たちには負けません。
 何せ、家の片付けはすべて僕がしていますから。
 仕事が忙しいときもありますが、休みの日はあなたのそばにずっといます。
 ドライブにも行きましょう。
 あなたの行きたいところへ連れて行きます」
   長男、彼女を抱きしめる。

SE 衣擦れ音

長男「寂しい思いはさせません。
 あなたと、幸せを感じていたいです。
 かわいらしいあなたの笑顔を……他の誰にも渡したくない。
 ……だから、僕を選んでください」


BGM 選択の時

末っ子「おねーちゃん、ずっと一緒にいよ」
次男「お前は、オレが守るから」
長男「あなたを誰にも渡したくありません」


三人『あなたは、誰と幸せになりたいですか?』


-END-
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【三人兄弟】「君は誰を選ぶ?」幼馴染みの兄弟が彼女へアピール
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
神塚わひろ
ライター情報
pixiv、ファンティアにて女性向けフリー台本書いています。
台本ご利用の際は言っていただけるとすごく喜びます。
反応は遅めです、申し訳ない。
甘々、R、たまにバイオレンス。
有償販売利用の条件
音声の商用利用→可
二次配布・台本自体の販売→不可
利用実績(最大10件)
神塚わひろ の投稿台本(最大10件)