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オレの連れなんで
written by 神塚わひろ
  • 甘々
  • 同棲
公開日2021年07月04日 19:00 更新日2021年07月02日 11:08
文字数
2345文字(約 7分49秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
優しいお兄ちゃん
視聴者役柄
お兄ちゃん大好きな妹
場所
遊園地
あらすじ
以前、約束した遊園地に遊びに来た兄妹。
妹がナンパされているようで。

#幼馴染がお兄ちゃん
#ナンパ
本編
〇遊園地

   妹、ジェットコースターに乗ったあと足取りがフラフラしている。

兄「ほら、大丈夫か? ゆっくり座れ」
   兄、妹をエスコートしてベンチに座らせる。

兄「まだ眩暈するか?」

   妹、大丈夫と言ってにっこりするが、顔色が悪い。
   兄、心配そうな表情。
兄「お前、ジェットコースターが好きっつっても、子供の頃の話だろ?
 遊園地すら久しぶりなのに、はしゃぎすぎだ」

   妹、「そんなことないもん」と、頬を膨らます。
   兄、妹の強がる様子にため息を漏らす。

兄「そんだけ言い返せるなら心配ないな。
 けど、もう少し休んどけ。
 ジュースか何か買ってきてやるから。
 いいか、チョロチョロ動いて迷子になったりすんなよ」
   妹、怒る。
   兄、妹の文句を背に売店へ走る。

 しばらく・間

   兄、スマホを操作し、酔った時の対策を調べる。

SE スマホのタップ音

兄「……えーと、乗り物酔いした時は……
 ……お、あった。
 炭酸は飲んで大丈夫、か。
 ……あいつコーラ飲めたよな?」

SE 自販機でジュースを買う音

兄「早く戻ってやらねぇと」
   兄、踵を返す。

SE 駆け足の音

   兄、途中で看板を見つけ立ち止まる。
兄「ん? なんだ、あの看板……?
 へぇ、八時から花火のショーをやるのか。
 あいつ『絶対見る!』とか言いそうだな♪」

   兄、手に持った飲み物を見て、
兄「……おっと、急がねぇと」

   兄、駆け足で妹のもとへ戻る。

SE 駆け足の音

   妹の周りに男性が数人いる。

SE 女の子を誘うモブ男たちの声

兄・心の声「……なんだ?
 あんな囲むように男が何人も……
 まさか……!」

SE 駆け足の音

   兄、何気ない様子で妹に声をかける。
兄「おう、戻ったぞー」

   妹、困った顔で兄を見上げる。
   兄、その顔を見て、ナンパだと察する。

兄・心の声「あー……やっぱしナンパか……」

兄「待たせちまって悪い」
   兄、ナンパ男たちを無視して妹に近づく。
   妹の頭を撫で、飲み物を渡す。

兄「お前が飲めるもん探してたら遅くなっちまって」

   兄、横目でナンパ男たちを睨む。

兄「……で? あんたら、何?」
   ナンパ男たち、兄に畏縮する。
   兄、威嚇するように息を吐く。
兄「…………」

   ナンパ男たち、そそくさと立ち去る。
   兄、ナンパ男たちが見えなくなるまで険しい表情。
   彼らがいなくなったところで、ふぅっと一息つく。
兄「……行ったか」

   妹、兄の様子にクスッと笑ってしまう。
兄「ん? なに笑ってんだ?
 つか、なにナンパされてんだよ。
 モテモテか」
   妹、すごいでしょ、とドヤ顔。

兄「ドヤ顔してる場合か。
 下手すりゃ変なトコ連れてかれてたぞ?」
   兄、妹の隣に座る。
   妹、「ごめんなさい」と反省の様子。

兄「いいよ、謝んなって。
 何もされてないみたいで良かった」

SE ペットボトル炭酸飲料を開ける音。

兄「ほら、ゆっくり飲めよ」

   妹、「ありがと」と飲み物を受け取る。
   兄、妹が飲み物を飲む姿を心配そうに見つめる。

兄「具合は大丈夫か?
 あいつらに絡まれて、余計具合悪くなったりしてないか?」
   妹、大丈夫だよ、と言う。

兄「そっか……ならよかった」
   兄、妹がいつも通りの顔になって安堵する。

兄「それ飲んだら、ぼちぼち移動するか?
 ……そうだ。さっき、イベントの看板を見つけたんだけど、夜、花火のショーがあるってさ。
 見ていくか?」

   妹、「絶対見たい!」と興奮する。

兄「ククッ、言うと思った。
 今日はお前のやりたい事、ぜーんぶすっか!」

SE 遊園地のにぎわい

   兄妹でお化け屋敷などアトラクションを楽しむ。

○遊園地(夕方)

   妹、照れながら兄と腕を組んで歩く。
兄「ほら、ちゃんとくっついてろって。
 でないと、昼間みたいに変なヤツに絡まれるぞ」
   妹「それは嫌っ」と兄にしがみつく。

SE 衣擦れ音

兄「ははっ。さすがに懲りたみたいだな」

   妹、チュロスの店を見つける

兄「ん? あの店がどうした?
 ……ああ、チュロスが欲しいのか?
 いいぞ。どの味にすんだ?」

   妹、チュロスを選ぶ。
   兄、購入して妹に渡す。

兄「ほら、ハニーシナモン。
 限定モノ、好きだなお前。
 ……って、ほおばりすぎだっ。
 ほら、シナモンが口の周りに……」

   兄、妹の唇を舐める。

SE リップ音

兄「甘いな。ハチミツもついてるからか」

   妹、「手で取ればいいじゃない!」と照れながら怒る。

兄「お、怒んなよ……!
 手で取ったら、ハチミツでベッタベタになるだろ?
 ……それによ……」

   兄、妹の頭を撫でる。

SE 頭を撫でる音

兄「お前のかわいい顔じゃ、
 怒っても全然怖くねーよ」
   兄、爽やかに『まさに兄』という笑顔で言う。
   妹、照れで赤くなりつつふくれっ面になる。

兄「だーかーら、そんな顔は逆効果だっての。
 舐めるくらい、いいじゃねーか」

   兄、耳元で、急に男の声で、
兄「……だってよ、これ以上に濃厚なキス……
 何度もやっただろ?」
   妹、真っ赤になる。

   兄、また兄の顔に戻って、
兄「ククッ、やっぱかわいいなぁ」

兄・心の声「ここでキス以上のことしたら……こいつ、どんな顔するかな?」

兄「お、そういえば、花火そろそろなんじゃねーの?」

SE 打ち上げ花火の音

兄「言ってるそばから……
 見えるか? ほら、もっと見えるトコ行こう」

   人混みの中、二人並んで花火を見る。
   妹、花火を見上げ、「キレイ」と嬉しそう。
兄「……ああ、キレイだな」

   兄、花火に照らされる妹を見つめる。

兄「……なあ、また……来れるといいな」
   妹、「また行くの! 当たり前じゃない」と言う。

兄「……そっか……そうだな。行こう、な!」

   兄、耳元で、
兄「二人っきりで……な」

SE 軽いリップ音

   兄、妹の頬にキスする。
   直後、花火が上がる。

SE 打ち上げ花火の音


-END-
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
オレの連れなんで
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
神塚わひろ
ライター情報
pixiv、ファンティアにて女性向けフリー台本書いています。
台本ご利用の際は言っていただけるとすごく喜びます。
反応は遅めです、申し訳ない。
甘々、R、たまにバイオレンス。
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