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地味めなクラスの男子に偽装カップルになるよう頼まれた
written by 松平蒼太郎
  • 学校/学園
  • 甘々
  • ラブラブ
  • カップル
  • 恋人同士
  • 同級生
  • クラスメイト
  • 演技
  • 告白
公開日2023年04月12日 18:37 更新日2023年04月12日 18:37
文字数
2066文字(約 6分54秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
クラスメイト男子
視聴者役柄
クラスメイト女子
場所
学校
あらすじ
ある日、貴女はクラスであまり話したことのない男子に突然声をかけられた。とある事情で、彼は貴女に自分の彼女役を引き受けてほしいと頼んできて…?
本編
なぁ、ちょっといいか?


うん、君。ちょっと頼み事があるんだが。


あぁ…俺とイチャイチャラブラブなカップルのフリをしてくれ。


そう。俺と恋人のフリをしてくれ。頼む。


いや…君、演劇部だろ?


だからそういうの得意かなって思って。


それに去年の文化祭の演劇、見てたから。


うん。君が主演の演劇。


あれ、今でも結構印象に残ってる。


だから頼む。この通りだ。


あぁ…ちょっと面倒ごとに巻き込まれて…


同じクラスの川西って奴なんだけどさ、俺、そいつに目つけられてて。


うん…俺、あいつの地位を脅かすみたいな存在になってる…らしい。


多分、体育祭のクラス対抗リレーでちょっと目立ったのがいけなかったんだろうな。


アイツ、運動に関しては自分が一番だと思ってたみたいで。


まぁ、つまりはそういうこと。授業中も休み時間もいっつも睨まれてる。


ちょっと面倒になってきたから、ここらで一つ手を打っとこうと思って。


具体的な作戦はこう。まず俺が君に告白する。もちろん、川西の目のつくところで。


で、君は二つ返事でそれをOKする。


「わたしも君に気があった」みたいなことを言ってもらえると助かる。


で、その後は毎日、クラスで惚気まくって、ラブラブのカップルを演じる。


作戦のキモはこの惚気段階。俺が君に構いまくることで、川西に俺が「女にばかりかまけるバカ」という認識を植え付ける。


で、あいつの俺への敵愾心が取れた段階で、君は俺をフる。


「ごめん、やっぱり冷めた」とか「君といてもあんまり楽しくない」みたいな感じでいいからさ。


そして俺は意気消沈の腑抜けになり、川西の地位を脅かすような存在ではなくなる…良い作戦だと思わないか?


多分大丈夫だ。川西、結構単純な性格だから。


作戦としてはこんな感じだけど…引き受けてくれるか?


大丈夫。本当のカップルになろうとか思ってない。


あくまで川西の警戒を解くための演技をするだけ。


もちろん、引き受けてくれたら、何かしらのお礼はする。


君の言うことを何でも聞くってのでもいい。


彼女役、引き受けてくれると助かるんだが…


本当か?ありがとう。恩に着る。


じゃあ早速、作戦通りに今から告白する。ちょうど教室に川西もいることだしな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(小声で呟く)


この辺でいいか…じゃあ手筈通りに…


(ひと息入れる)


悪いな、わざわざこんなとこに呼び出して…


うん…あのさ、俺、君のこと前から気になってたんだ。


つ、つまり好きってこと!異性として!


よかったら、俺と付き合ってくれ!


本当か⁉︎ ありがとう!嬉しいよ!


あぁ、これからよろしく!


君のこと、絶対大事にするから!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


悪い、ちょっといいか?


あぁ…面倒なことになった。


いや、俺と君の演技に問題はない。


周りは完璧に俺らが付き合ってるもんだと思ってるしな。


問題は川西だ。アイツ、どうやら君のこと密かに狙ってたらしい。


そう。つまり、俺はアイツの恋敵になってしまったってことだ。


いや、本人から直接聞いた。胸ぐらも掴まれた。


その場で適当に丸め込んだけど…多分、次はない。


俺が殴られるか、君が川西に強引に迫られるかのどっちかだろうな。


前者で済むならいいが、後者だと君も面倒だろ?


あ、いや、人の気持ちを勝手に決めつけるのは良くないな。


君的に川西はどう?付き合いたいと思う?


絶対嫌、か…だとしたら、取れる手段は二つだな。


あぁ。一つは予定通り、俺が君にフラれて、君は周りの女子に守ってもらう。


幸い、君は友達も多いしな。クラスでの地位もそこそこ高いし…


女子に囲われてる君を見れば、川西もおいそれと手出しできないはずだ。


もう一つは…あまりおすすめはしないが、俺と本気で付き合うこと。


あぁ。そうなったら、俺は本気で君を守るし、川西とだって決着をつける。


面倒なことに巻き込んで悪かったな。どっちにするかは君が決めてくれ。


……え、は?その、本気で言ってる?


いや、たしかに本気で守るとは言ったけど…本当にいいのか?俺とガチのカップルになって…


あ、そう…ちょっと予想外すぎて頭混乱してる。まさかの展開だな…


いや、一緒に殴られなくていい。


アイツに殴られるのは俺一人で十分だ。


そ、そりゃあな…好きになった女くらい、自分の手で守りたいし…


なんか恥ずかしいな!演技の時の告白はスラスラ言えたのに…!


いや、うん…俺も中学の時は演劇部だったんだ。訳あって辞めちまったけど…


いや、そんなことはいい。もう一度確認だけど、本当に俺が彼氏でいいんだな?


そっか…すまん、恩に着る。


(彼女の言葉と笑顔で言葉が詰まる)


…ッ、そーいう小っ恥ずかしいこと簡単に言うなよ…照れるだろ…


と、とりあえず帰るか!いつまでもここにいるのもアレだしな!うん!


(彼女に手を繋がれる)


あっ…そ、そうだな。恋人同士なら手、繋がなきゃだよな…


うん…君のこと、ちゃんと守るから。そう約束したし。


いや…イチャラブする演技はもういい。


これからは自然体で話そう。そうした方がお互い楽だし。


あぁ。改めてよろしく。本物の恋人として、さ…


※この後、彼女の発案で川西くんの目の前でガチのベロチューをかましたことで、川西くんの脳は破壊され、彼が二人に関わることはなくなりましたとさ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
地味めなクラスの男子に偽装カップルになるよう頼まれた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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