金儲けのため、ドラゴンを密漁しに来た男は、知らぬうちに謎の結界内へと迷い込んでしまう。そんな彼の目の前に現れたのは、『ウロボロス』と名乗る竜族の少女で…？

あら…あらあら。うふふ♪ 飛んで火にいる夏の虫とは、まさにこのことだったんですのね…まさか自らわたくしの罠(トラップ)に飛び込んでくるとは思いもよりませんでした♪


…まだお気づきになられませんか？ここはわたくしの固有結界、『無限牢(むげんろう)』の中ですわ。貴方は自らわたくしの懐(ふところ)に飛び込んで来てくださったんですのよ？


だって、ほら…見てください？どこまでも変わらぬ闇夜の景色…どこをどう歩いても、全く景色が変わらなかったでしょう？貴方もここが元いた世界とは違うってことぐらい、とっくに理解しているはず。でしょう？


うふふ…どうしても認めたくありませんか？まぁ、無理もありませんわ。伝説のドラゴンとやらを密漁しに来ただけなのに、意味の分からぬ世界に閉じ込められて…あまりの理不尽さに内心、憤っているのでしょう？


ここから出せと言われましても…せっかく手間ひまかけて仕掛けたわたくしの罠(トラップ)に、無防備にも飛び込んできた可愛い人間くんを逃がすなんて、するわけがないでしょう？


しかもここ、結界の中でも特に深淵に位置する場所ですし…逆にこんな奥深くにまで入ってこれたのは、貴方が初めてですよ？それはつまり、貴方とわたくしとの相性がこの上なく抜群であるということ♡ そんな超優良物件である貴方には、無償の愛を無制限に届けなくては失礼というものではありませんか？


あぁ、そういえば申し遅れました。わたくし、この結界の主であるウロボロスと申します。おそらく、貴方の探し求めていた伝説のドラゴンとやらが、このわたくしです。以後、お見知りおきを。


うふふ…そのようなつれないことを仰らないでくださいな。貴方はわたくしを求めて、ここまで来てくれたのでしょう？ひ弱な人間の殿方が、わざわざこのような辺鄙なところにまではるばる出向いてくださったのです…こちらもそれ相応のお返しをしなければ、無作法というもの。


(一歩ずつ近づいてくる彼女に恐怖した彼が発砲)


ふふ、ざーんねん♪ そのようなおもちゃでは、わたくしに傷一つつけることはできませんわよ？


(何度も発砲されるが、無傷)


あらあら…そんなにおもちゃをバンバン鳴らして…そんなに遊びたいのなら、わたくしがもっと楽しい遊びを教えてあげますわよ？えいっ♪


(幻術をかける)


…いかがです？ご自身が消えて無くなる感覚は…これが、人の恐れてやまぬ『死』というやつです。一瞬だけ、貴方が死ぬ幻を見せてあげました♪


あらあら♪ 今の一瞬だけでもう心が砕けてしまいましたか？たかが一回死んだだけで、こんなに恐れをなすなんて…人間さんは御しやすくて助かります♪


(抱き寄せる)


ギュー…つ・か・ま・え・た♡ もう逃がしませんよ♡


えぇ…貴方をこれから正式な眷属としてお迎えしますわ。これで死という恐るべき事象から永遠に逃れることができますわね♡


そう…貴方の人生にもはや、始まりも終わりもない。他の何かに生まれ変わることもできなければ、その命を永遠に終えることもない。無限にわたくしの元で生き続けることができますのよ？


まぁまぁ…他のことなんでどうでもいいじゃありませんか。貴方の人生に必要なのはわたくしだけ。家族も友達も財産も、何もかも忘れてわたくしだけのことを考えてくださいまし。それが今の貴方にとっての、最善の選択なのですから。


今感じてる恐怖もじきに、わたくしへの愛情に変わるでしょう…時間はたっぷりあります。その間、貴方のことはたっぷり可愛がってあげますからね♡ うふふっ♪

・台本（ゆるボイ！）
【人外/ヤンデレ】高貴なるドラゴン娘の無限愛
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎