「せ〜んぱい♪」

「チョコ、貰えました？ねえ、貰えました？…なんて、貰えてるわけないですよね。先輩ですもんね〜」
　
「そんな可哀想な先輩には私が…え？さっき貰った？」
　
「そ、そんな〜…強がらなくていいんですよ？」
　
(小声で)
「…ほんとに貰ってる。おかしいな…悪い虫がつかないように全部処理したはずなんだけど…」
　
「い、いえ！なんでもないですよ？」

「ところでそれ…誰から貰ったんですか？」
　
「へぇ…あの人ですか…意外ですね」
　
(小声で)
「ノーマークだったな…今度消しておかないと…」
　
「いえいえ、なんでもないです。ところで先輩、これどうぞ！」
　
「はい、チョコです！手作りですよ〜」
　
「嬉しい？えへへ…私もめっちゃ嬉しいです！」
　
「え？ああこの怪我ですか？包丁でちょっと切っちゃって…」
　
「料理上手なのに珍しい？えへへ、料理上手なんて褒めても何も出ませんよ〜♪明日のお昼は先輩の好きなおかず作ってきますね♪」
　
「チョコ今食べていいか？もちろんですよ！」
　
(小声で)
「えへへ…私が先輩の中に入っていく…ちょっと貧血気味になっちゃったけど頑張ってよかった…」
　
「え？変わった味がする？秘密の隠し味を入れましたからね〜」
　
「…美味しかったですか？美味しい？」
　
「えへへ…よかったです！もっとお菓子作り勉強して来年も作ってきますから楽しみにしててくださいね？」
　
「いつも通り一緒に帰るか、ですか？そうしたいんですけど…ちょっと用事があって…」
　
「すみません…明日は一緒に帰りましょうね？あ、新しいケーキ屋さん出来たらしいですよ！明日行きましょ？」
　
「えへへ…デートですね？」
　
「先輩照れてる♪かわいいですね♪」
　
「帰る？照れちゃって〜♪っと怒らないでくださいよ先輩〜」
　
(囁き)
「そんな顔もかわいいですけどね？」

「じゃあまた明日ですね！ばいば〜い、先輩！」
　
(数秒置いて)
　
「…ねえ」
　
「ねえ！貴女を呼んでるの！」
　
「…今後一切、先輩に近寄らないでくれる？ここで約束してくれるなら見逃してあげるから」
　
「私が先輩のなんなのかって？」
　
「私は先輩の将来のお嫁さんだよ♪」
　
「私はね、先輩のことすっごくすっごくす〜っごく愛しているの♪」
　
「貴女は知らないでしょ？先輩が朝何時に起きるのかとか、お風呂で身体をどこから洗うのかとかさ」
　
「そんなことも知らないくせに、先輩のこと好きなんて言わないでね？」
　
「ストーカー？…ふざけないで！私をあんな腐った生ゴミみたいな奴らと一緒にするな！」
　
「警察に言う？…あはは！まだ私を生ゴミとかと一緒だと思ってるの？」
　
「…不愉快。すっごく不愉快」
　
「まあいいや」
　
「これがチャンス。今後一切先輩に近寄らないで」
　
「ふーん…じゃあ…」
　
「消えろ、先輩の前から」
　
(刃物で刺す音)
　
「何をって…決まってるでしょ？」
　
「悪い虫は消さなきゃ、先輩が可哀想だもん」
　
(刃物で刺す音)
　
「うるさいなぁ…ハエの羽音みたいに不快なの！」
　
(刃物で刺す音)
　
「さっさっと…」
　
(刃物で刺す音)
　
「消えろ！」
　
(刃物で刺す音)
　
「ふう…やっと静かになった…」
　
「こいつも、今までの害虫も強情…後処理めんどくさいのに」
　
「うわー…制服がべたべた…洗濯しても明日までに乾くかなぁ…というかそもそもこの汚れ取れるかな…このゴミも処分しないと…あー…この教室も掃除しなきゃ…」
　
「めんどくさいけど、全部先輩のためだもんね」
　
「よーし、頑張るぞー！おー！」

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレ後輩のバレンタイン
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シス=リリシア