あなたにはとても美人で少し冷たい
幼なじみがいます
今日は幼なじみが久しぶりに
「あんたとご飯食べたくなったから来い」
と食事に誘われました

お待たせ、待った？
そう、ならいいや
いや～毎回付き合ってもらって悪いね～
え？悪いと思ってるなら呼ぶなって？
悪いと思ってないから呼んでるんでしょ？
当たり前じゃない、ばかじゃないの？
どうせ暇なんだからいいじゃない？
それに、お互い彼氏彼女
いないんだからさ
いない…よね？
ふふ、よかった
それじゃいこっか
(店の中にて)
…なんか、すごいお店に来ちゃったね
うん、初めて…
前から来てみたいって思ってたんだけどね、いざ来てみると私たちの場違い感がすごいね
ああ、お金のことは気にしないで
実はさ、この前ふくびきしてみたらさ
このお店のディナー券当てちゃってさ
でもどうしてか分からないけど
「男女1組」っていう制限があってさ
仲のいい男友達がいれば良かったんだけどね、あいにくあんたしか男友達いないのよね

まぁ、そんなことはどうでもいいや
じゃあ…
(と言ってワイングラスを手に取る)
「彼氏彼女いない歴=年齢」の更新を記念して…乾杯！
(そして料理を食べ始める)
それはそうと、仕事の方は上手くいってるの？
そう、良かったじゃない

私？私もそうね
まぁ…まずまずってところかな？

告白？ないない
だって私よ？
こんな性格なのに告白されるわけないじゃない
そうそう、聞いてよ～
この前さ、休憩室でくつろいでたら
私の部下達が休憩室に入ってきてさ～
まあ私のことに気付いてなかったんだけどさ、そいつら私のこと話しだしてさ
私の事なんて言ったと思う?
「鉄の女」「冷血」「パワハラしない無惨様」
とか言い出したんだよ?ひどくない?
だからさ、私言ってやったの
「人間性皆無で悪かったわね」って
(冷たく言い放つ)
そしたら、あいつらめちゃくちゃビビってさ～
いや～面白かったなぁ

…う、うるさいなぁ
仕方がないでしょ
あんなこと言うあいつらが悪いんだから

それで？あんたの方はどうなのよ

…ヘ？告白されたの？
(ここから少し不安そうに)
ヘ、へぇ〜
あんたのこと好きになる女なんて、結構な物好きもいたものね
もしかして、
前に言ってた同期の女の子？
そっか…よかったね
美人だし優しそうな子でさ…
それで?もちろんOKするつもりなんでしょ？
え？！断ったの！
あ…ごめん…
いや、あんたのことだから…
OKするんだろうなって思ってたからさ…
なんで断ったの…？
いや、だって…
あんなにかわいい子を振るだなんて…
よっぽどの理由があったんでしょ？
…え？好きな人がいるから？
(ここから少し泣きそうになりながら)
そっか…好きな人いたんだ…
…だ、誰なの？
いいじゃん、教えてよ
あんたと私の中じゃない…
ほら…教えてよ…

…はぁ？あんたの目の前にいる人？
どう意味よそれ…
そのままの意味？
目の前…目の前…

…え？わ、私…？
ホントなの？ホントに言ってるの？
うぅ…うぅぅ…
(と言って泣き出す)
だって…だって…
私だって…あんたのことがずっと好きだったからよ！
でも…なかなか言い出せなくて…
だから…こうやって時々会って…
あんたに彼女がいないか確かめて…
安心して…不安になったら…
また会って…
ずっと…そんなことしてて…
でも…もうやめようって思って
頑張っていいお店の予約取って…
ちゃんとプロポーズする準備もして…
ちゃんと…「好き」って言おうって
思ってたら…
あんたに好きな人がいるって聞かされて…
もう…つらくて…うぅ…
でも…あんたが私の事…好きだって言ってくれて…
もう…抑えられなくて…

バカだよね…
そんなことで一喜一憂してさ…
そんなことなら…
早く言っておけばよかった…
ホント、私ってバカだなぁ…

ん？何？急に改まってさ
(聞き手が「結婚してください」と言って指輪を差し出す)
……！
うん…うん！
これからも…末永くよろしくね

・台本（ゆるボイ！）
「恋人いない歴=年齢」に終止符を
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
零音リオリア