0
【両性向け】用心棒の女剣士と2人旅【添い寝】
written by Nora
  • シリアス
  • ファンタジー
  • 百合
  • 年上
  • 切ない
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2022年05月24日 23:10
文字数
2291文字(約 7分39秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
女剣士
視聴者役柄
指定なし
場所
山中
あらすじ
用心棒の女剣士と、町から町へ国中をめぐる旅をしているあなた。山を越える途中、ある一夜の出来事。

~Noraより~
初投稿です。いろいろなものに感化され、ついカッとなってやりました。実は少し後悔しています。
本編
よし。今日はこのあたりで休もう。おまえも疲れただろう?……無理はするな。ほら、ここに干し肉とパンが入っているから、腹の中に入れたらもう寝ろ。…………ん?私はいいよ。腹が膨れると感覚が鈍るからな。おまえの優しさには感謝するが、私のことは心配いらないよ。

それより、明日も早いぞ。日の出とともにここを立つ。きちんと寝て、体力を回復させておけ。おまえを担いでこの山を越えるのは、さすがの私でも厳しいからな。


…………さあ、もう横になって休め。毛布、持っているだろう?…………どうした?……いや、私はここで岩壁にもたれて休むよ。ここは獣や山賊どもが徘徊している山奥だからな。いつでも動けるように体制を整えておかなければいけないんだ。……一緒に寝たい?

……はあ。まったく、何を甘えたことを言っている。おまえももうすっかり大人になって、子守役からは解放されたと思っていたんだが、違ったのか?

……寒い?……そう言えば、日が沈んでから急に冷えてきたな。本当は、たき火でも出来ればいいんだが……このあたりにいるかもしれない山賊どもに、変な興味でも持たれたら困るからな。暗闇の中の火は、思っているよりも目立つものなんだ。見晴らしのいいところでは、葉巻の先ほどのわずかな火でも、遥か先から見通せてしまう。それに、こちらとしても夜目が利かなくなるからな。そもそも、野営の基本はだな……ん?……はいはい、わかったよ。……おまえが眠るまでだからな。今、そっちに行くよ。

……っしょっと。ほら、これでいいか?……もっとこっちへ来い。わたしの外套でくるんでやるから。こうすれば、暖かいだろう?……ほら、目を閉じて、おやすみ。

(彼女の暖かさが、ゆっくりとあなたの身体に伝わってくる……)

……さっきから落ち着きがないな。どうした?眠れないのか?……しかたがないな。それじゃあ少し、話でもしようか。

……そうだな……おまえを両親から託されてから、もうずいぶん経つな。「世間知らずの娘に、広い世界を見せてやってほしい」と頼まれたとき、おまえはまだ子どもと言ってもいいくらいの年だったな。いくら用心棒として私を同行させるとはいえ、年頃の娘を危険と隣り合わせの旅に出すなんて……まったく、金持ちの人間ってのはずいぶん酔狂なことを考えるもんだと、内心あきれていたよ。しかも、破格の報酬を提示してな。

……だが、今になってみれば、彼らは心のどこかで自分たちの運命を予期していて、おまえを私に託したのかもしれないと思うよ。

……おまえの家に盗賊が押し入って、財産と、両親の命を奪っていったとの知らせを受けたとき、以前の私なら、用心棒を続けてはいなかっただろう。用心棒としての報酬はもともと、引き受けたときに半分、無事に連れ帰ったときに残りの半分をもらう約束だったからな。だから、もはやもう半分の報酬を受け取れないとわかったとき、おまえをしばらく愛玩具程度に連れ歩いて、飽きたらその辺の町に放り出すくらいのことはしていただろう。何のためらいもなく、な。

……そんな悲しそうな顔をしないでくれ。言っただろう?あくまで「おまえと出会う以前の私だったら」の話だ。……私は、おまえと出会って一緒に旅をするうちに、報酬など関係なく自分の意志でおまえを守りたいと思うようになっていったんだ。

今、おまえは私の生きる意味そのものだ。だから、おまえを見捨てるなんてことは、出来るはずがないんだよ。

私はな……幼い頃に家族を亡くしてから、ずっと独りで生きてきた。仲間と呼び合う者がいたこともあったが、自分の得にならないと思えば平気で切り捨ててきた。私のこの人生が、どこかで行き倒れてただの肉になるまでの時間つぶしだと思うと、もう何もかもがどうでもよかったんだ。当然、用心棒の依頼を受ければ、報酬分はきっちり働いたさ。でも……たくさんの人を裏切って、欺いて、殺めて……ここまで生きてきたんだ。

……神様はきっと、こんな私を幸せになどしないだろうな。いつか必ず、罰を与えるだろう。それは覚悟しているし、甘んじて受けるつもりだ。だから……だから、いつかおまえが私のもとを離れたいと思う日が来ても、私は……(ここで言葉を遮られる)

……すまない。そうだな。おまえは、そんなことはしない。それは、ちゃんとわかっているつもりだ。

ただ、おまえには幸せな人生を歩んでいってほしいと思っている。そのために、全力を尽くすよ。……でも、もし……おまえを幸せにするのが、もはや私ではないとしたら、その時はおまえの幸せを邪魔するつもりなど毛頭ない。それが言いたかっただけだ。

…………少し、感傷的になってしまったようだ。すまない。もう、二度とこんなことは言わないよ。……ああ。約束する。

少し、落ち着く必要がありそうだな。……その……キス……してもいいか?(何度か軽くキスをする)……ふふっ、耳まで赤くして……おまえは本当に可愛いな(耳にも軽くキスをする)。町に着いたら、耳飾りでも買ってやろう。

……今日は、このくらいにしておこう。これ以上は……我慢が出来なくなる。その代わり、次に宿に着いたときは……最後まで、したい。今までずっと、私のこの汚れた手でおまえの純潔を奪うのはためらっていたが……次こそは、きっと抑えられない。私だけのために流される血が欲しい。……泣いたってやめないからな。

……ふふっ、なんだ?今さら怖じ気づいたのか?何かにつけて、「自分はもう子どもじゃない!」なんて言って、威勢だけはいいのにな。おまえのその不安そうな顔を見るともっといじめたくなるが……この楽しみは、その時まで大事にとっておくとしよう。

さあ、今夜はもう眠るんだ。このまま、抱きしめて、なでていてやるから。何も心配はいらないよ。目を閉じて……そうだ、そのまま…………。この先何があっても、私の全てをかけて、おまえを守る。おまえだけを……ずっと……ずっと。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【両性向け】用心棒の女剣士と2人旅【添い寝】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
Nora
ライター情報
 どうも、Noraです。一応「フリー台本」というジャンルで投稿してはいますが、「自分が主人公になれる読み物」としても楽しんでもらえたら嬉しいです。

 なお、私の台本は、全て女×女を想定して書いていますが、男性向けとしても対応できるかと思います。違和感のある部分は、あらすじを変えない程度に改変してくださって構いません。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
Nora の投稿台本(最大10件)