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公開日2021年06月05日 18:00
更新日2022年05月24日 23:05
文字数
2464文字(約 8分13秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
暗殺者
視聴者役柄
幼なじみ
場所
場末のバー
あらすじ
私は、おまえとともに生きる未来を選ぶ。この先に残された人生がどんなに短くても……目の前が暗くなる最期の瞬間まで、おまえと一緒にいたい。
~Noraより~
……状況がマニアックすぎて、とても台本向きとは言えないですね……。でも、「自分の命さえ惜しまぬほどの強い友情(愛情?)」みたいなものを書いてみたかったのでした。ちなみにNoraは、男勝りで屈強なお姉さんが大好物です。
~Noraより~
……状況がマニアックすぎて、とても台本向きとは言えないですね……。でも、「自分の命さえ惜しまぬほどの強い友情(愛情?)」みたいなものを書いてみたかったのでした。ちなみにNoraは、男勝りで屈強なお姉さんが大好物です。
本編
~前書き~
身寄りのなかったあなたは、幼い頃に暗殺組織に拾われ、同じ境遇の仲間とともに厳しい訓練を受けて大人になった。感情を殺し、組織の命を受けて動く暗殺者として暗い道を歩んでいたあなただったが、自由になりたいという想いだけは胸の底にくすぶり続けていた。そして、その想いが抑えられなくなったとき……あなたは全てを捨て、組織から姿を消した。
身の危険と隣り合わせの長い逃亡生活を続けていたある日のこと、あなたは思いがけない人物と再会することになる……。
~本編~
(場末の静かなバーで、あなたは静かに酒を飲んでいる。ゆっくりと酔いが回り、まどろみかけてきた頃……いつのまにか、フードを目深にかぶった人物があなたの隣に座っている……。)
……よぉ、久しぶりだな。……少しやつれたんじゃないか?
(目深にかぶったフードから覗く鋭い眼光に、酔いが一気に醒めていくのを感じる……。彼女は、組織にいた頃に特に親しくしていた仲間だった。)
追われている身でありながら、こんなところで酒を飲んでいるなんて、ずいぶんと呑気なものだな。……まぁ、別に急ぐことはないんだ。最後の一杯ぐらい、ゆっくり飲ませてやるよ。
ククッ……驚愕のあまり、口もきけないようだな。おまえが思っていることは言わなくてもわかるよ。なぜここにいるのがわかったのか、だろう?
…………見くびるなよ。組織にいた頃、私は誰よりもおまえの近くにいて、長い時を過ごしてきたんだ。おまえが何を考えて、どう行動するかを推測することくらいできるさ。……どんなに姿を偽ろうと、人混みの中に身を隠そうと……私からは逃げられない。……いや、絶対に、逃がさない。
どうだ?少しは私を見直したか?まぁ……それでも、裏の裏をかいて行動するおまえの慎重さは見事なものだったよ。おかげで、ここまでたどり着くのにずいぶん時間がかかってしまった。
……ん?酒はもういいのか?……そうか。なら、ここを出るぞ。おまえは私の前を、言われたとおりに歩け。……あらかじめ言っておくが、この期に及んでまだ逃げようなんてことは考えるなよ。足の速さでは、私には敵わないはずだ。……万が一見失うことがあっても、また何度だっておまえにたどり着いてみせる。……わかったら、行け。
(袋小路となった路地に誘導される。人気はなく、あたりは不気味なほど静まりかえっている……。)
さあ、ここなら邪魔をされずに任務を遂行できる。……説明するまでもないだろうが、私がここにいるのは、組織の命令を放棄して逃走したおまえを始末するため。どんな理由があろうと、組織に背を向けた以上は、見逃してやることは出来ない。
……少し、震えているようだな。気の毒だが……こうなった以上、私に出来ることは、苦しまないように逝かせてやることだけだ。最期に話が出来て、良かったよ。
(彼女は短刀を閃かせ、ゆっくりと近づいてくる……。彼女の迷いのない表情を見たあなたは、覚悟を決めて瞳を閉じる。そして、彼女の息づかいを間近に感じたその時……。)
ぷっ!……くくく…あは、あはははは……!
(おそるおそる目を開けてみると、そこにいるのは身をよじって大笑いしている彼女だった。あなたは訳がわからず、呆然と彼女を見つめている……。)
……くく……あはは!……驚いたか?こんなにもあっさり引っかかるとは……ふふ、私の演技力も捨てたもんじゃないな。……その狐につままれたような顔!なかなかの傑作だ!あはは、あは…………あ、おい!急に倒れて……大丈夫か!?……少し、悪ふざけが過ぎたようだな。……すまない、きちんと本当のことを話すよ。
私がおまえを必死で追ってきた本当の理由は……おまえと一緒に逃げるためだ。……当たり前だろう?表向きは組織に忠誠を誓っていても、おまえを手にかけるほど性根は腐っちゃいないよ。
だがな、その前に……少し、鬱憤をはらさせてもらった。この先もずっと、心の中にわだかまりを抱えていくのは嫌だからな。……私は、おまえが黙って組織からいなくなったことが、どうしても許せなかったんだよ。だってそれは結局、私のことすらも裏切って、必要ないものとして切り捨てたということだからな。
……ああ、それもわかっている。おまえのことだから、必ずそう言うだろうと思っていたよ。「誰も巻き込みたくなかった」とな。……でも、よく考えてもみろ。昨日まで隣にいた奴が忽然といなくなって、何事もなかったかのように平静でいられるわけないだろう?……それに、組織からもさんざん尋問を受けたしな。どっちにしろ、巻き込まれていることには変わりはないんだよ、まったく……。
……だけど……ふふっ、おまえの憐れなほど青ざめた顔も見れたことだし、もうこれで許してやることにするよ。
(不意に真剣な顔になって)……会いたかったよ、ずっと。その想いだけで、私はここまでおまえを追ってきたんだ。もし、他の仲間が先におまえを見つけていたらと思うと、ろくに眠ることも出来なかったよ。……本当に、無事でいてくれてよかった。これからは絶対、おまえを独りにしたりしない。
……何を言っても無駄だ。おまえを探しに出たその時から、運命をともにする覚悟はできているんだ。例えおまえが嫌だと言っても、影のようについて行ってやる。……もちろん、危険と隣り合わせなのは十分に承知している。正直言って、組織の情報網と追跡の厳しさを考えると、逃げ切るのは難しいかもしれない。
……それでも、私はおまえとともに生きる未来を選ぶ。この先に残された人生がどんなに短くても……目の前が暗くなる最期の瞬間まで、おまえと一緒にいたい。この陰惨な人生の終わりに、それぐらいの幸せは許されてもいいよな。
(彼女があなた頬にそっと触れ、やわらかく微笑む。)
……なんだ、泣いているのか……?ふふっ、おまえのそんな表情も、見られるのは私だけだと思えば悪くないな。
……でも、あまりのんびりしている暇はないぞ。早くここを離れよう。状況は絶望的だが……なんとか生きる道を探して、あがいて見せようじゃないか。……よし。そうと決まれば、目指すは……。
……ん?なんだ?……ああ、そう言えばそうだな。髪を切ってる暇なんかなかったから、いつの間にかこんなに伸びてしまった。……おまえの方は、あれだけ長くて綺麗な髪だったのに、ずいぶん思い切ったもんだな。でも……よく、似合っているよ。
身寄りのなかったあなたは、幼い頃に暗殺組織に拾われ、同じ境遇の仲間とともに厳しい訓練を受けて大人になった。感情を殺し、組織の命を受けて動く暗殺者として暗い道を歩んでいたあなただったが、自由になりたいという想いだけは胸の底にくすぶり続けていた。そして、その想いが抑えられなくなったとき……あなたは全てを捨て、組織から姿を消した。
身の危険と隣り合わせの長い逃亡生活を続けていたある日のこと、あなたは思いがけない人物と再会することになる……。
~本編~
(場末の静かなバーで、あなたは静かに酒を飲んでいる。ゆっくりと酔いが回り、まどろみかけてきた頃……いつのまにか、フードを目深にかぶった人物があなたの隣に座っている……。)
……よぉ、久しぶりだな。……少しやつれたんじゃないか?
(目深にかぶったフードから覗く鋭い眼光に、酔いが一気に醒めていくのを感じる……。彼女は、組織にいた頃に特に親しくしていた仲間だった。)
追われている身でありながら、こんなところで酒を飲んでいるなんて、ずいぶんと呑気なものだな。……まぁ、別に急ぐことはないんだ。最後の一杯ぐらい、ゆっくり飲ませてやるよ。
ククッ……驚愕のあまり、口もきけないようだな。おまえが思っていることは言わなくてもわかるよ。なぜここにいるのがわかったのか、だろう?
…………見くびるなよ。組織にいた頃、私は誰よりもおまえの近くにいて、長い時を過ごしてきたんだ。おまえが何を考えて、どう行動するかを推測することくらいできるさ。……どんなに姿を偽ろうと、人混みの中に身を隠そうと……私からは逃げられない。……いや、絶対に、逃がさない。
どうだ?少しは私を見直したか?まぁ……それでも、裏の裏をかいて行動するおまえの慎重さは見事なものだったよ。おかげで、ここまでたどり着くのにずいぶん時間がかかってしまった。
……ん?酒はもういいのか?……そうか。なら、ここを出るぞ。おまえは私の前を、言われたとおりに歩け。……あらかじめ言っておくが、この期に及んでまだ逃げようなんてことは考えるなよ。足の速さでは、私には敵わないはずだ。……万が一見失うことがあっても、また何度だっておまえにたどり着いてみせる。……わかったら、行け。
(袋小路となった路地に誘導される。人気はなく、あたりは不気味なほど静まりかえっている……。)
さあ、ここなら邪魔をされずに任務を遂行できる。……説明するまでもないだろうが、私がここにいるのは、組織の命令を放棄して逃走したおまえを始末するため。どんな理由があろうと、組織に背を向けた以上は、見逃してやることは出来ない。
……少し、震えているようだな。気の毒だが……こうなった以上、私に出来ることは、苦しまないように逝かせてやることだけだ。最期に話が出来て、良かったよ。
(彼女は短刀を閃かせ、ゆっくりと近づいてくる……。彼女の迷いのない表情を見たあなたは、覚悟を決めて瞳を閉じる。そして、彼女の息づかいを間近に感じたその時……。)
ぷっ!……くくく…あは、あはははは……!
(おそるおそる目を開けてみると、そこにいるのは身をよじって大笑いしている彼女だった。あなたは訳がわからず、呆然と彼女を見つめている……。)
……くく……あはは!……驚いたか?こんなにもあっさり引っかかるとは……ふふ、私の演技力も捨てたもんじゃないな。……その狐につままれたような顔!なかなかの傑作だ!あはは、あは…………あ、おい!急に倒れて……大丈夫か!?……少し、悪ふざけが過ぎたようだな。……すまない、きちんと本当のことを話すよ。
私がおまえを必死で追ってきた本当の理由は……おまえと一緒に逃げるためだ。……当たり前だろう?表向きは組織に忠誠を誓っていても、おまえを手にかけるほど性根は腐っちゃいないよ。
だがな、その前に……少し、鬱憤をはらさせてもらった。この先もずっと、心の中にわだかまりを抱えていくのは嫌だからな。……私は、おまえが黙って組織からいなくなったことが、どうしても許せなかったんだよ。だってそれは結局、私のことすらも裏切って、必要ないものとして切り捨てたということだからな。
……ああ、それもわかっている。おまえのことだから、必ずそう言うだろうと思っていたよ。「誰も巻き込みたくなかった」とな。……でも、よく考えてもみろ。昨日まで隣にいた奴が忽然といなくなって、何事もなかったかのように平静でいられるわけないだろう?……それに、組織からもさんざん尋問を受けたしな。どっちにしろ、巻き込まれていることには変わりはないんだよ、まったく……。
……だけど……ふふっ、おまえの憐れなほど青ざめた顔も見れたことだし、もうこれで許してやることにするよ。
(不意に真剣な顔になって)……会いたかったよ、ずっと。その想いだけで、私はここまでおまえを追ってきたんだ。もし、他の仲間が先におまえを見つけていたらと思うと、ろくに眠ることも出来なかったよ。……本当に、無事でいてくれてよかった。これからは絶対、おまえを独りにしたりしない。
……何を言っても無駄だ。おまえを探しに出たその時から、運命をともにする覚悟はできているんだ。例えおまえが嫌だと言っても、影のようについて行ってやる。……もちろん、危険と隣り合わせなのは十分に承知している。正直言って、組織の情報網と追跡の厳しさを考えると、逃げ切るのは難しいかもしれない。
……それでも、私はおまえとともに生きる未来を選ぶ。この先に残された人生がどんなに短くても……目の前が暗くなる最期の瞬間まで、おまえと一緒にいたい。この陰惨な人生の終わりに、それぐらいの幸せは許されてもいいよな。
(彼女があなた頬にそっと触れ、やわらかく微笑む。)
……なんだ、泣いているのか……?ふふっ、おまえのそんな表情も、見られるのは私だけだと思えば悪くないな。
……でも、あまりのんびりしている暇はないぞ。早くここを離れよう。状況は絶望的だが……なんとか生きる道を探して、あがいて見せようじゃないか。……よし。そうと決まれば、目指すは……。
……ん?なんだ?……ああ、そう言えばそうだな。髪を切ってる暇なんかなかったから、いつの間にかこんなに伸びてしまった。……おまえの方は、あれだけ長くて綺麗な髪だったのに、ずいぶん思い切ったもんだな。でも……よく、似合っているよ。
クレジット
ライター情報
どうも、Noraです。一応「フリー台本」というジャンルで投稿してはいますが、「自分が主人公になれる読み物」としても楽しんでもらえたら嬉しいです。
なお、私の台本は、全て女×女を想定して書いていますが、男性向けとしても対応できるかと思います。違和感のある部分は、あらすじを変えない程度に改変してくださって構いません。
なお、私の台本は、全て女×女を想定して書いていますが、男性向けとしても対応できるかと思います。違和感のある部分は、あらすじを変えない程度に改変してくださって構いません。
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