知人が次々と失踪していく、明らかな「異常事態」に巻き込まれてしまったあなた。
行方不明になった知人の無事を祈りつつ大切な彼女の家へと向かうが、そこに居たのはあなたの「自称」彼女である後輩。
異様な空気を纏った彼女から告げられたのは、あまりにも衝撃的な事実だった──

おかえりなさい先輩、今日も一日お疲れさまでした！
先輩……おーい、先輩？どうしたんですか‥‥…なんか魂抜かれちゃったみたいに固まってますけど？
あの……本当に大丈夫ですか、気分が悪いなら水でも持ってきますけど。
いや、調子が悪いなら寝室で休ませた方が良いかな──はい？
「どうして此処に居るのか」って……ヤダなぁ、先輩が行くところに私が居るのは当然じゃないですか。
私は先輩の彼女なんですよ、彼女が彼氏の傍に居るのは当たり前の事でしょう？
それにしても先輩……酷いじゃないですか、これで何度目です？
私という彼女が居ながら他の人達に現を抜かすなんて。先輩の家族ならまだ許せますけど、それ以外の人達と話したり遊んだり……流石にそれは許せませんよ。
え～っと、さっきの「自称」先輩の彼女さんで５人目くらいだったかな……こういう事するの、けっこう疲れるんですよ？
さっきから分からないふりをしてるみたいですけど──先輩も、本当はもう分かってるんじゃないですか？
だってこんなに濃い匂い……誤魔化すほうが難しいですよ。
あ、でも世間じゃ一応は「行方不明」って扱いになってるんでしたっけ……まぁそれもそうですよね。
「居なくなった」っていう事実以外、証拠らしい証拠は何も見つかってないみたいですし……えぇ、死んでますよ？もちろん、一人残らず全員。
私、ちょっと変わった体質なんです。エネルギーの消費が人よりずっと激しくて、体を動かした後はたくさん食べないと満足に動けないんですよ──やっかいな体質ですけど、しっかり食べてればそれで良いので。それに今日みたいに激しい運動をしなければ、普通の人と同じ量の食事でも平気ですから。
因みにですけど、今日みたいな日は……そうですねぇ……だいたい人間一人くらい食べれば、ちょうどお腹もいっぱいになりますよ。
硬いところは食べにくいですけど、食べにくいってだけで食べられない訳じゃないですから。
はい……なので先輩の「自称」彼女さんは、もう私のお腹の中ですっかり消化されちゃいました♪
先輩は寄り付いてた悪い虫が居なくなって、私はお腹いっぱい……お互いに良い事ばっかりですね。

おっと……出て行っちゃ駄目ですよ？ここは他の女の家ですけど、それでも今は私達の家なんですから。
逃がすわけないでしょう？私は先輩の為にこんな事をしてるんです……食べるのはあくまでもオマケです。
先輩は私の彼氏……私以外の人間が触れて良い訳ないじゃないですか！だから私はこうやって──あぁ、それでも先輩はそう言うんですね。
「お前なんか知らない」「お前は人殺しだ」って……全部、私のやってきた事は全部、全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部！全部先輩の為だったのに！
それじゃあ私は、いったい何のために──ねぇ先輩、答えてください……私のしてきた事は、全部なんの意味もない事だったんですか？私は……私は……
あぁ──そっか、そうですよね。ハハッ……私も馬鹿だなぁ……最初からこうしておけば良かったんだ。
だって私、もうたくさんの人を……そんなの、普通に考えてもう人間じゃないもんね……そんなの、ただの化け物だよ。
それなら……私が化け物なら……わざわざ人間のルールに縛られる必要もないよネ。
先輩、ワタシ今……実はとってもお腹が空イてルんデス……先輩、私ニ食べられるのハ……嫌、ですヨネ？
それなら、大人シく私を受ケ入れてください……私だっテ、出来るなら先輩ヲ食べるなんて事、したくありまセン。

エェ……今はそれデ良いです……でも、イつの日か必ず……[[rb:怪物 > ワタシ]]の事を、心の底から受け入れテくださいネ？

・台本（ゆるボイ！）
自分を彼女だと勘違いしてるヤンデレ■■■は……
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹