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病に侵された彼女を人質に災厄のボクっ娘神様と取引して嵌められるお話
written by ゆりらんたん
  • 純愛
  • 恋人同士
  • 病院
  • ヤンデレ
  • ボクっ娘
公開日2021年09月26日 11:33 更新日2021年09月26日 11:45
文字数
3429文字(約 11分26秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
彼女(神様)
視聴者役柄
彼氏
場所
病院
あらすじ
原因不明の病を患ってしまったあなたの彼女。もう長くないと察した彼女のお願い。そこから動き始める神様とあなたの物語。ENDは暗め。ある意味では救われているのかもしれないです。一人称に私とボク表記有。
本編
「彼女パート」:一人称私
「神様パート」:一人称ボク
身体としては同一人物ですが中身は変わります
少し声を変えると終盤のパートがより良くなるかもしれません

『彼女パート』
あ、今日も来てくれたんだ

ありがとう

身体の具合?今日は割と楽な方かな

うん…大丈夫…大丈夫だから

…あはは、やっぱりあなたには隠し事できないかぁ

うん、お医者さんに言われたんだ

もう長くないだろうってさ

嫌だなぁ…死ぬってどんな感じなのかな…

怖いよ…うぅ…

家族やあなたに会えなくなるなんて嫌だよ

もっと生きていたいよぉ…

…ごめんね、見苦しい所見せちゃって

最近思うんだ

神様って残酷だなって

折角あなたと恋人になれたのに…これからって時にこんなことになるなんてさ

あ、そうだ

神様で思い出した

小さい頃よく一緒に行ってた神社があったでしょ?

うん、そうあの寂れた神社

帰りにさ、お参り行ってもらえないかな?

もうここまで来たら神頼みぐらいしかないかなって

お願いね?

(少しの間)

はぁ…はぁ…来てくれたんだ…

ごめんね、もう限界かも、あはは

あ、すみません

彼と二人きりにしてもらえませんか?最後に二人だけでお話したくて

・・・ありがとうございます

これで二人きりだね

お父さんやお母さんは来るのに時間がかかるってさ…

あなただけでも来てくれて良かった

みんなに伝えてほしいんだ

私が私として生まれてこれて良かったって…

お願いばかりでごめんね

でも最後にあなたと話せて嬉しかった

私のことは忘れてあなたはあなたの人生を歩んでね…

って気丈に振舞ってみたけどやっぱり嫌だっ

あなたともう会えなくなるなんて嫌だよぉ

もっとずっと一緒にいたかった…

あの神社の神様も流石に助けてはくれなかったね…

あはは、ほんとに限界が来たみたい

今までありがとう、世界一の彼氏さ、ん

『神様パート』
・・・なーんちゃって

びっくりした?驚いた?

んふふ、実はね奇跡的に病気が治ったんだ

もう大分元気だよ

キミの神頼みが聞いてもらえたのかな?

どうだった?ボクの迫真の演技は?

効いた?

あはは、キミのその顔を見られてボクは満足だ

・・・ん?どうしたの?

様子がおかしい?そうかな

キミの反応があまりに良かったので少しテンションが上がってるのかも

一人称?キミの呼び方?

・・・あー、しまった、つい癖でやってしまった

上手くなりきれてたと思ったんだが・・・

まぁいいか、いずれバレることだ

ん?ボクは誰だって?

そうだな、簡単に言えば神様さ

キミ達が助けてと祈った、ね

おいおい、そんな顔するなよ

折角キミ達の願いを叶えてあげたってのに

これでキミとずっと一緒に入れるねぇ、ははは

彼女を返せ?

別に返してもいいが・・・いいのかい?

ボクがこうやって彼女の身体に入っているからこうして生き延びているんだよ?

今ボクがいなくなったら彼女は今度こそ・・・ふふふ

それでもキミはボクがいなくなってもいいのかい?

ふふっ、その顔、実にそそるじゃないか

少しはボクの留飲も下がるってものだ

どういうことかって?

いいことを教えてあげてあげよう

ボクという神は昔キミの先祖にあの寂れた神社に封印されたのさ

つまりその子孫としてキミはボクにとっての因縁の相手なのさ

長い年月が経つにつれてあの神社は誰も見向きすらしなくなったようだが・・・

まぁそのおかげで封印が弱まってボクはこうやって現世に出てこれるようになったんだ

感謝しているよ、特にキミ達には

何故かって?特別サービスで教えてあげるよ

神様がどうやって存在しているか知ってるかい?

人々の信仰によってその存在は確立されるのさ

封印が弱まったとはいえ寂れた神社に参拝客は来ない

ボクという存在は消えかけていたんだが・・・

そこに現れたのがキミ達というわけさ

どんな神様がいるかも知らずにキミ達はあの時お参りしていっただろう?

おかげでボクは生き長らえた

しかもボクを封印したやつの子孫ときた

運命を感じたね

それから頻繁にキミ達は神社を訪れるようになりボクは少しずつ力が戻っていった

ボクがどういう神か知ってるかい?

ボクは禍津日神(まがつひのかみ)

災厄を司る神さ

だがボクを祀ることで人々は災厄から逃れられると考えるようになり、厄除けの神として信仰されるようになってしまった

神の力は信仰の力そのもの

人々が信じた力がボクの力になる

あの神社に祀られている神である以上、信仰する者にはちゃんと力を与えていたさ

たとえ憎い相手だとしてもね

現にキミ達は大きな怪我とかすることはなかっただろう?

そうだろう、感謝してほしいものだね

じゃあ何故こんなことをしたのかって話だ

キミ達は大きくなるにつれあの神社の存在を忘れていった・・・

やがてキミ達は恋人の関係になった

ボクはずっと見ていたよ

キミ達がここまで無事に過ごして来れたのもボクのおかげだというのに

一度キミはあの神社でボクの存在を知った

しかしボクのことを忘れようとしている

因縁など何も知らないキミとはいえボクにとっては片時も忘れたことのない

許せなかった、この一方的な関係が

だからこうやってキミと話すことにしたわけさ

いやぁ、この子があの神社の存在を思い出してくれてよかったよ

おかげでこうやって身体に入ることができた

彼女を生かしてほしい、助けてほしいと願ったキミの願い、しっかりと叶っただろう?

中身はボクだけどね、あはははは

んー?どうやったらこの体から出て行ってくれるかって?

まぁまぁ、落ち着こうか

これでも神様だ

迷う者はしっかりと導いてあげようじゃないか

まずこの身体はボクの力によって病に侵されている

呪いみたいなものだね

そしてボクの力は神の力

神の力は信仰の力

ここまではさっき説明したね?

じゃあ神の力を弱めるにはどうすればいいと思う?

簡単さ

信仰する者、つまり今回の出来事を知っている者が消えればいい

何が言いたいか分かるかい?

今回彼女が病に倒れているということを知っている者を全員消してしまえ

キミの家族、彼女の家族、この病院にいる関係者他諸々

それらを排除してしまえば今回のことは誰も知らない

そうすればボクの信仰は弱まりやがて呪いも存在も消える

簡単だろう?

ほら、特別サービスで少しだけ力を分けてあげるよ

彼女を救えるのは他でもないキミだけさ

まぁ頑張ってね

キミがどんな決断をするのか楽しみに見ているよ、あははははははは

(少しの間)

やぁ久しぶり

まさかほんとうにやるとはね

神であるボクの想像以上だよ

ボクの力を与えたとはいえ全員消して回るとはね

いやぁいいものが見れた

おめでとう、これで・・・


これでボクの存在は確実なものとなった


ふふふ、あはははははは

恋は盲目というけどここまでとはねえ

言っただろう?神の力は信仰の力

信仰の力とは神の存在を信じること

まだ一人いるよねぇ、ボクの存在を強く信じている者が

そう、キミだよ

キミがボクのことを強く認識すればするほどボクの存在は確かなものになる

いやあここまで上手くいくとは思ってなかったよ

愛する者のためにここまでするとはねえ

ますますキミのことが気に入ったよ

おや?何をしようとしているんだ

自決?それはそれは・・・

なるほどねぇ

自分が消えればボクを信じる者は他にいない、と

そこまでしてこの子を救いたいかい?あはは

まだボクに抗って来るとはね

キミは本当に面白い

そんなかっこいいキミにイイコトを教えてあげよう

今回キミが人を消して回った行動、世間ではなんて言われているか知ってるかい?

神隠し、だってさ

分かるかい?

この街の人々は神という存在を認識してしまった

まぁそうなるようにボクの力を分け与えたんだけどね

キミが手をかけた人たちはボクの方で後処理をさせてもらったよ

一切の痕跡を残さずに消えてもらった

そんな人間離れした出来事が短期間で次々と起きるんだ

人々が神を信じても不思議ではないよねぇ

この街にはそういった災厄の神がいる

そう人々が思うだけでボクの存在はじわり、じわりと確かなものになっていく

理解したかい?

今更キミがいなくなったところでボクはもう消えることはない

ふふっ、その顔、実に素晴らしいよ

そう、他でもないキミが、ボクの存在を確立してしまったのさ

そういうわけだ

自ら命を絶つなんて馬鹿なことはやめてボクと愛し合おうじゃないか

他の誰にも邪魔されない二人だけのこの空間で

『彼女パート』
お望みとあらば「私」の方で相手をしてもいいよ?

ほら、堕ちよう?望むだけでいいんだよ?

キミと私、二人だけの世界を、さ

『神様パート』
・・・ふふふふっ、ようやく折れてくれたねぇ

お望み通り二人だけの世界に行こうか

これからもよろしくね、ボクの世界一の彼氏さん

ふふ、ふふふっ、あははははははははは!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
病に侵された彼女を人質に災厄のボクっ娘神様と取引して嵌められるお話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ゆりらんたん
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