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筋肉ムキムキの爺さんに惚れてしまった女番長は乙女可愛い
written by 松平蒼太郎
  • からかい
  • 告白
  • 喧嘩
  • 耳かき
  • 片思い
  • 不良 / ヤンキー
  • 熱血
  • ツンデレ
  • 女番長
  • ASMR
  • 歳の差恋愛
公開日2021年10月12日 07:04 更新日2021年10月12日 07:04
文字数
3231文字(約 10分47秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
女番長
視聴者役柄
お爺さん
場所
某所、自宅
本編
うし。隣のシマの奴らは動き出す様子もねえし、こんなもんか。

おめーら、今日は解散な。

は、はぁ⁉︎で、デートじゃねえし!

何言ってんだよ、あんなジジイとなんか!

とっ、とにかく!あのジジイとはそういうんじゃねえから!わかったら散れ散れ!

はぁ…アイツら一丁前にからかいやがって…

一応、テメェらのリーダーやってるっつうのに…

うおっ!ジジイ、いつの間に⁉︎

気配消してあたしの後ろに立つな!

気づかないお前が悪い…?のやろ…!

(咳払い)

まぁ、んなことよりだ。今日もいつもの、やっていいか?

うし。じゃあ手加減なしでいくからな!おりゃああっ!




はぁはぁ…なんでそんなに硬えんだ…

殴った側の拳のが痛いってどういうことだよ…意味わかんねえ。

鍛え方と打ち込みが足りない?

くそっ、これでも毎日ボクシングジムで打ち込みやってるってのに…

はぁ⁉︎こんなもんで終わりじゃねえよ!

まだまだやれるに決まってんだろ!

ジジイの体力が尽きるまでやってやっからな!




あー、もう無理…今日はここまでにしてくれ…

鍛え方が足りないって…ジジイ、テメェが規格外すぎんだよ…

いくら腹とか背中に蹴りやパンチ入れても効かねえし…マジもんのバケモンか。

なぁ、こんなあたしでもジジイから見て少しは強くなってっか…?

一番最初に出会った頃よりはマシ?へへっ、そうかよ…

あ?なんでそんな腕っ節の強さにこだわるのかって…

そりゃあ、周りの野郎どもになめられねえようにするためだよ。

今はいろんな奴らから番長だなんて呼ばれてるしな。

番長が弱かったら話にならねえだろ?

ん……そりゃ、腕っ節の強さで全部決まるわけじゃねえけど…強くねえと守るもんも守れねえしな。

あー、えっと…ちょい昔のことなんだけどな、親父がすごい酒癖の悪い奴でさ、酔うとすぐ家族のこと殴ってくんだよ。

あぁ、お袋もあたしも弟もよく殴られたよ。

お袋も弟も身体あんま強くなくて、気も弱かったからさ。あたしが守んなきゃって思ったんだ。

言ったろ?昔の話だって。

今やあたしが家ん中でも番長で、親父もあたしには逆らえねえよ。

親父に何したかは秘密だ。けど、警察沙汰になるようなことまではしてねえよ。

あ?んだよ、ジジイ?

けっ、言ってくれんじゃねえか。上等だよ。

まだ動けるに決まってんだろ、なめんな。

あ?今日は休んどけって、さっきと言ってること全然違うじゃねえか!

ちょっと試しただけ?んにゃろ…!

って、おい!待てよ!

…ったく。相変わらず気まぐれなジジイだな。

あー、もういいか。なんか疲れたし、あたしも帰ろ…




よお、ジジイ。遊びに来てやったぜ。

って何やってんだ?

…は?盆栽?ぶっ、あははははは!

いや、わりわり!怒んなって!ぶふふ…!

まさか脳みそまで筋肉で出来てそうなジジイに、ジジイらしい趣味があったなんてな…!

あ?いやー、年がら年中、筋トレかクマ狩りにでも行ってんのかと思ってた。

あー、なるほど。筋肉ムキムキで異様に強いこと以外は普通のジジイだと。

そういや、ジジイってこのクソでけえ家に一人で暮らしてんのか?

へー…そりゃ寂しいこって。あたしがそばに居てやろうか?

要らんって、即答かよ。ちょっとは迷う素振りくらい見せろよなー。

寂しいのはお前の方じゃろって、なんでそんなことが言えんだよ…

けっ、年長者の勘かよ。当てにならねぇ…

…って言いてえとこだけど、今回に限ってはそうかもな。

ジジイ。ちょっと肩貸してくんね?

ん、まぁ人肌恋しいっつーか、なんとなくな…

なんも聞いてくれねえんだな。

珍しくあたしがしおらしい態度とってるっつーのに。

どんな態度とってようがお前はお前じゃろって…それ、慰めてんのか?

ははっ、そうかよ。けどサンキューな。

…あたしさ、聞いちまったんだ。

お袋と弟があたしのこと怖いっつってんの。

守ってきたはずの家族に陰でそう言われてんの聞いてさ、なんか心にきちまって…

なんのために強くなるために努力してきたんだろって…

ははっ、なんからしくねーな…

わり、つまんねー愚痴吐いちまって。

んじゃ、帰るわ。邪魔したな。

ん?……ッッ!なんでそんなこと言うんだよ…!

あたしは!ホントはそんな強えー人間じゃねえんだよ!

あたしを取り巻く環境が!あたしが弱いままでいることを許してくれなかった!だからあたしは仕方なく…!

それでも強くなる覚悟を決めたのはお前自身だって…相変わらず厳しいな、ジジイは…

なんだよ…!泣いてなんかねえ!くそっ…!

タオル、後で洗って返すわ…ちょっと借りるぞ。




ん…落ち着いた。もう大丈夫だ。たぶん…

おう…ありがとな。和菓子、食べる…

(咀嚼音)

これ、ジジイが作ったのか?

なんだ、買ってきたやつかよ。まぁ美味いからいいけど。

ん?……なっ!ななな!ジジイ、テメェ!あたしのこと口説いてんのか!

ぐっ……ああそうかよ!べ、別に期待なんてしてなかったけどな!

そんなんだから…好きになっちまうんだよ…

けっ、なんでもねえよ。

聞こえなかったんなら、耳くそでもほじってろ。

あ、そうだ……おい、ジジイ。あたしの膝に寝転がれ。

いいから!膝枕してやるっつってんだよ!

ついでに耳かきもしてやるよ。耳かき棒あるか?

なんだ、自分の懐に隠してんのか。意外と気が利くじゃねえか。

いつでも自分でできるようにするため?

あっそ。じゃあ今日は人からされる耳かき、存分に堪能しな。

(耳かき)

なんだよ、綺麗じゃねえか。あたしが耳かきする意味なくね?

は?耳をほぐして老人を労われ?

ざけんな、誰がテメェみてえな超頑丈なジジイを労るか。

けど…今日は特別だ。さっき借りを作っちまったからな。

他人の耳かきなんてほとんどしたことないから、クオリティーはあんま期待すんなよ。




うし、こんなもんでいいか?

おけ。じゃ、次反対の耳な。

(耳かき)

こっちも綺麗だな。毎日自分で耳かきやってんのか?

耳垢がたまらない体質?あっそ。そりゃ羨ましいこって。

つか耳垢たまらない体質なのに、なんで耳かき棒常備してんだよ…

無駄な力が入ってるから肩の力を抜け?

う、うるせーな!緊張してんだから仕方ねーだろ!

い、いや。たしかにあんま耳かきの経験ないのも緊張してる理由だけど…それ以外に理由がなくもないっつーか…

なんだ、聞いてくれねえのかよ。

ちょっとはあたしのこと、気にしてくれたっていいじゃんか…

なぁ、ジジイ……いや、じーさん。もしかして気づいてないフリとかしてねえよな?

その態度はどっちなんだよ…気づいてんのか気づいてねえのか…

けっ、そっけねえじーさん。これでも食らってろ。

(耳ふー)

おっ。流石のじーさんも耳は鍛えられなかったみたいだな。ぴくってなったぞ。案外可愛いとこあんじゃねえか。

へーへー。からかって悪かったよ。

なぁ、じーさん。やっぱあたしさ、じーさんのこと…

それ以上は言わなくていい?

んだよ、気づいてんじゃねえか。じゃ、言わせてもらうぜ。

あたし、じーさんのこと好きだぜ。異性としてな。

あぁ、自分でもどうかしてると思う。

こんな70代のじーさん好きになるなんて、信じられねえ。

あ?もうすぐ80?んなことどーでもいいんだよ。

いつもありがとな。こんなあたしと対等に、いや、それ以上に接してくれて。

へへっ、今日はその上から目線の口調も許してやるよ。

けどこういうのは理屈じゃねえんだよ。

仕方ねえじゃん。好きになっちまったもんは。

今さら別の相手なんて考えられねえし、他の若い良い男なんて知らねえ。

あたしが好きなのはじーさん、アンタだ。

女が覚悟決めて告白したんだ。

ちゃんとあたしの気持ちと向き合ってくれよ。

そ、そっか…そりゃそうだよな。

じーさんから見たらあたしなんて小娘だもんな。

それこそ祖父と孫くらい歳離れてるし…恋愛なんてあり得ねえよな…

な、なんだよ…フるならちゃんとフれよ…

…!なぁ…じーさんって若い頃モテてた?

あっそ。モテモテのモテまくりかよ。ジジイのくせにふざけんな。

ま、けど貰ったチャンスを棒に振るほど甘い女じゃねえぜ、あたしは。

堅物なじーさんにも弱点があるって分かったしな。耳とか耳とか耳とか。

う、うっせ!他の弱点はこれから見つけてくんだよ!

とにかく!こんなガサツな小娘だけど、これからもよろしくな、じーさん。

また気が向いたら耳かき、してやっからよ。

(耳ふー)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
筋肉ムキムキの爺さんに惚れてしまった女番長は乙女可愛い
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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