0
ヤンデレ科学者は恋人の為に薬で……
written by 霜月鷹
  • ヤンデレ
  • 恋人同士
  • 科学者
  • 監禁
  • 庇護欲
公開日2021年12月21日 02:45 更新日2021年12月21日 02:45
文字数
2646文字(約 8分50秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
科学者の女性
視聴者役柄
心に傷を負った青年
場所
自宅
本編
ただいま……電気、付けるね。
ごめんね、研究資料を纏めるのに時間が掛かっちゃって。
お腹空いてるならご飯の用意するけど……そっか、それならお腹が空いたらいつでも教えてね。
今日は体の調子、大丈夫だった?
それは良かった、私の用意した薬が効いてくれたんだね。
そうだ、ちょっと失礼するね……うん、足の傷もほとんど完治してる。
しばらくすれば杖なしでも歩けるようになるから、それまでは私と一緒にリハビリ頑張ろうね。

問題があるとすれば……服の袖で隠してるところ、私に見せて。

は私が教えた通りに手当してるのは良いけど、またやっちゃったんだね。
「なんで分かったの」ってさ……隠したいなら、手当に使った道具はしっかり片付けておかないと。
ほら、ゴミ箱に血の付いたティッシュがあるでしょ?それにこの部屋、消毒液とか薬……後は血の匂いがする。
これだけの証拠が揃ってれば、私みたいな科学者でも探偵の真似事くらい簡単だよ。
はぁ……あんまり褒めて良い事でもないけどさ、君も切傷せっしょうの手当てが上手になったよね。
「私のおかげ」……うーん、君がそう言ってくれるのは嬉しいけど、内容が内容だからなぁ……
それに、私が持ってる医療知識なんて初歩的なモノばっかりで本職は科学者なんだからね?
君の手首にあるような傷の手当は出来るけど、重い傷病の人はとてもじゃないけど助けられない……私に出来るのは生き物の体を調べて薬を作る事だけ。

私は君を……大切な彼氏を守れなかった、何処までも無力な女なんだから。

あの事故は君のせいじゃない、真犯人を示す証拠だって揃ってる!
悪いのはアイツ……全ての罪を君に擦り付けて、自分は知らぬ存ぜぬの一点張りな所長。
君はただあの実験場に居合わせただけじゃない……それなのに、事故に巻き込まれて大怪我をして、全ての責任を押し付けられて……そんなの許せない……許せないよ。
世間も君の事を悪人だって非難して、そのせいで君は……君は……え?

「自分を楽にしてほしい」……ねぇ……君、何を言ってるの……?

なんで君が、そんなに追い詰められてるの……なんで悪い事してない君がそこまで苦しんでるの?
嫌だよ、私……君にそんな事をしたくない……それに君は、ずっと私の傍に居てくれなきゃ嫌……
ねぇやめてよ……そんなに必死そうな目で私を見ないで……
君が人生の全てを奪われたのは知ってるし、そのことで君の心が苦しんでる事も分かってる。
でも、だからって、全部を諦める事なんてしないでよ……どうして私の事、一人にしようとするの?
「自分が傍に居ると君に迷惑が掛かる」……そんなことないよ、私は君が隣に居てくれればどんな事でも耐えられる。

だから……だから死にたいなんて、そんな悲しいこと言わないでよ!

あのね……もし君が、どうしても自分の抱えてるモノから逃げたいって思ってるなら、いい物があるんだ。
これ、実験中に出来ちゃった失敗作の薬……というか、効果を考えたら毒と大差ない危険物。
投与された生物の意識を壊して、何も出来ないし何も感じなくなるようにする薬……実験用の動物にしか投与してないから、人に使った時に何が起きるのかは全くもって予想出来ないけど。
悪用されないようにって私が保管してたんだけど、思い切って処分しちゃおうかなって思って持ち帰ってきたんだ……この世で最も大切な人に渡すことになるとは思わなかったけどね。
だってさ、そんなに必死そうな顔をされたら……断れないじゃん、馬鹿。
もしそれを使うならさ……最期に私と、キスしてほしいな……息が出来なくなるくらい、私が絶対に忘れられなくなるようなキス。
使うんだね──分かった、それじゃあ私に貸して。
最期の瞬間まで私の事を感じていてほしいの……それに君、注射器とか使えないでしょ?
それじゃあ私にキスして……君の体は私がお世話してあげるから、君はもう……ゆっくり休んで良いよ。

はぁ……はぁ……ありがとう、最期にこんなキスをしてくれて──おやすみなさい、ゆっくり休んでね。















おはよう、気分はどうかな?
「不思議な夢を見た」……不思議な夢ってどんな夢?
君と私がこの部屋で泣いてる夢……へぇ、それは不思議な夢だね。

《心の声》
(不思議って言えばあの薬、人間相手だと記憶を消去する程度で済むんだ……それでもってたまに消された記憶を夢に見る……これは薬の効果じゃなくて、投与量が不足してた感じかな?
こういう効果になるなら生成した時の材料メモしておけば……)

──ってごめんね、ちょっと考え事してた。

そうそう、君の顔の包帯はもう取っても良いよって、病院の先生から連絡がきたんだ。
ちょっと待っててね、今取ってあげるから。
おぉ……前の面影はないけどなんとなく君だって分かる……ほらほら鏡、君も新しい顔を見てみなよ。
手術の跡とか傷跡が残ってるけど、それでも綺麗になったでしょ?
君が事故に巻き込まれた時は本当に大変だったよ……でも、生きててくれて私は嬉しいよ♪
「お腹空いた」……?
分かった、それじゃあすぐに用意してくるからちょっと待っててね。

(重い扉の開閉音)

よいしょ……っと。
この扉、厳重に施用できる代わりに重いなぁ……彼を守る為なら苦でもないけど、やっぱり多少高くついても最新式の奴にしておけば良かったな。
でも、これで彼を傷付けようとする奴らから守ることが出来る……彼の顔も変えたし、私の家も防犯性能万全に改築した。
外に出る時は……念のために外出は夜の間だけにして、私と手錠で繋がっていれば安全かな?
おっといけない、大事な彼がお腹を空かせてるんだった……早く用意してあげないとね~

(重い扉の開閉音)

お待たせ~今日のご飯は私の自信作……君を元気にするおまじない入りだから、いっぱい食べてよね♪
食べ終わったら声を掛けてね、私はここで新聞でも読んでるから。

(紙をめくる音)
お、うちの研究所が載ってる……なんだろ……へぇ、所長が崩れ落ちた階段に巻き込まれて……『偶然』にも腐食してた足場を踏み抜いたのが崩壊の原因……ざまぁ見ろ……うふふ♪
これで復讐も完了、我ながら手際良過ぎでは──お、もう食べ終わった?
いっぱい食べてくれてありがとう、私とっても嬉しいよ♪

さてと、今日は何をしよっか。
君がしたい事なら私はなんでもしてあげるけど……したい事ないの?
それじゃあ──うふふ♪
これは「キス」って言ってね、大切な人同士がするの……今日はキスとか、他にも恋人同士でしか出来ない色んな事を君に教えてあげる。
君はもう二度と辛い思いなんかしないで私の愛情に溺れていれば良いの、それが君の幸せであり君の義務。
私に溺れて、私に守られて、私で満たされて──あぁごめん、ちょっとテンションが上がっちゃった。
それじゃあ始めよっか……君の空っぽになった記憶に、私の愛を詰め込んであげる♪

大丈夫……心配しないで。すぐに私で満たしてあげるから。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレ科学者は恋人の為に薬で……
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を書いてるタヌキ的な「何か」です。
もし宜しければ、使用実績の方もお願いします…!
有償販売利用の条件
有償・無償問わず演者側キャラクターの性別変更、罰ゲーム等への使用は御遠慮願います。
利用実績(最大10件)
霜月鷹 の投稿台本(最大10件)