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人形劇 ~中編-1~
written by 羽衣ロロモン
  • 敬語
  • 人形娘
公開日2021年12月31日 09:29 更新日2021年12月31日 09:29
文字数
993文字(約 3分19秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
服屋を営む友人に「最近作った人形に着せる服が欲しい」と寸法や顔の造形を描いた走り書きを添えて手紙を出した。それが先ほど届いたので早速人形に着せてみよう......
本編
【説明書】
//~~~  演技の指示
(~~~) 演出の指示
SE:~~~ 効果音
[場面]~~~ ......場面説明

【読み方辞書】
主......あるじ
主様......あるじ さま
人形師......にんぎょう し

======

[仕事場 聞き手に呼ばれて部屋に入る人形 机の上には丁寧に包装された箱]

失礼します

お呼びでしょうか、主様

おや、その荷物は......

新しい人形作りの道具か何かでしょうか

え、違う?

……私への、贈り物?

えっと、その

気持ちは嬉しいのですが......

私はただの人形です

主様に仕えることが何よりの幸せで

それ以上は望みませんので......

め、命令!?

……。

そう言われたら、受け取るしかないじゃないですか

ずるいですよ、主様

……開けても良いのですか?

これは......洋服?

どうしたんですか、これ

「知り合いの服屋に作ってもらった」......って

こんな、私には勿体無い物......!

いや、でも、うん

とても、とっても嬉しいです

早速着てみても良いでしょうか

……

わぁ......!

こんなにも可愛らしいのに動き易いなんて

毎日でも着ていたいくらいです......!

ただ、少し肩の部分が窮屈でしょうか......

いえ、大丈夫です

それと、こちらは......手袋?

あの、主様

私は人形ですから、寒いのは平気なのですが......

でも、ありがとうございます

お心遣い、感謝します

大切に、使わせていただきます

ところで、主様

先ほどから出かける準備をしているようですが......

どちらへ?

隣町? どうしてまたそんな急に......

わかりました、では私はいつものように留守番を——

「一緒に来い」......って

えぇ!?


[隣町からの帰り道 服屋の女性とは夕食を共にした]

洋服屋の女性

随分と、驚かれていましたね

最初こそ、私が人形だと気づいていなかったみたいですし

流石は主様ですね

はい、窮屈だった部分も直していただけました

彼女の手際の良さに見惚れて、目玉が零れ落ちてしまいそうなほど......

ああいえ、例えの話ですよ?

安心してください

……主様

あの女性とは、以前からお知り合いだったのですか?

学生時代の友人?

なるほど......

少し、気になっただけです

仕事だけの関係、とは思えないほど

仲睦まじい様子でしたので

主様が作った人形に似合う服を作り

彼女が作った服を着せる人形を作る

とても、素晴らしい関係だと思います

仕事仲間として

良き友人として

とても

ただ、その

変な話なのですが

主様とあの方がお話をされている時の、

お二人の幸せそうな笑顔を見ていると、

なんだかモヤモヤとしてしまって......

主様

私は、どこかおかしいのでしょうか

人形である私が

主様への忠誠以外の感情を抱くなんて......

……そう、ですよね

きっと、気のせい

勘違いですよね

あはは......
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
人形劇 ~中編-1~
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
羽衣ロロモン
ライター情報
ハゴロモ ロロモン
羽衣(ハゴロモ)ロロモンです。
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