（私はわたくし読みで）

ご主人さま。
お疲れ様でございます。

本日もお忙しいようでしたね。
この季節は何かと立て込んで、休まる暇もなかなかないですものね。

本日夜分遅くにお部屋にお伺いしたのは、ご主人さまに少しでも疲れを癒やしていただこうと思いまして。
ご主人さま、耳かきなどはいかがでしょうか？

見れば、身だしなみが少し疎かになっている様子。
お耳くらいは私に任せてみてはくださいませんか？

（少し間を置く）

はい、ありがとうごさいます。
では、ベッドに腰を掛けますので、お膝へどうぞ。

（頭が膝の上へ）

あら、少しお顔が赤いですね？
そんなに恥ずかしがることはないと思うのですが。

少しお耳を触りますよ。

うーん、お耳だけでなく少し肌が荒れていますね。
最近よく眠れていますか？
もし耳かきの最中に眠くなったら寝てしまっても構いませんからね。

では、お耳を上に向けてくださいね。

（頭回転）

ありがとうございます。
まずは耳かきを入れていきますよ。
はい、失礼致します。

（耳かき）

やはり少し溜まっていますね。
手前から取っていきますね。

カリカリカリカリ・・・。
どうでしょう、気持ちよくなれていますか？

・・・聞くまでもなかったみたいですね。
気持ちよさそうなお顔をされていらっしゃいますから。

そんなに恥ずかしそうにしなくていいんですよ？
ご主人さまは、その立場やお仕事の関係で、お一人で問題を抱えていることが多いですから。
いつも心配しつつも、私共の無力を痛感しておりました。

そんな中、ご主人さまのお役に立てることが見つかったこと、
私は本当にうれしく思っているんですよ。
はい、ですからもっとリラックスなさってください。

あら、もしかしてこのあたり気持ちいいですか？
強く反応されていたようなので・・・。

はい、ではこのあたりを重点的に掻いていきますね。
カリカリカリカリ・・・。

（耳かき終了）

はい、耳かきはこのあたりでおしまいにしましょう。
次は梵天ですよ。
入りますよー。ふわふわー。

（梵天）

ご主人さまも御存知の通り、梵天は細かい汚れを取るためにあるようです。
ですが、ふわふわした羽毛は気持ちが良くて、そちらがメインの目的になってしまいますね。

（梵天終了）

最後に息を吹きかけますね。
ふぅーっ。

はい、こちら側は終了です。
反対側を上へ向けてくださいますか？

（頭回転）

ありがとうございます。
では、まずは耳かきですね。
失礼致します。

（耳かき）

カリカリカリカリ・・・。
力加減はよろしいですか？
少しでも痛みがあればすぐに申し付けくださいね。

こちらも少し溜まっていらっしゃいますね。
あら、謝る必要はございません。
これもご主人さまが、お家のため、私達のために頑張ってくださってる証拠ですから。

それに、先程申し上げた通り、私はご主人さまの支えになれることがとても嬉しいのです。
ですから、これからも何かあればお申し付けください。
耳かきもですが、それ以外もお世話させていただきますから。

はい？耳かきがうまい、ですか？
ありがとうございます。
メイド同士で練習することはありましたが、実際のところ得手不得手ということもございませんでした。

もし、上手に耳かきできているのだとすれば、それはご主人さまを想う心をこめているからだと思います。
ご主人さまをお慕い申し上げる気持ちは誰にも負けていませんから。

こちら側も気持ちがいい部分はありましたか？
このあたりですね。
カリカリカリカリ・・・。

（耳かき終了）

はい、耳かきは終わりです。
梵天を入れていきますね？失礼致します。

（梵天）

クルクル回していきますね。
ふわふわ。くるくる。

（梵天終了）

はい、おしまいです。
では最後に耳に息を吹きかけますよ。
ふぅーっ。

ふふっ、耳に息を吹きかけられるの慣れていらっしゃらないようですね。
ピクッとするご主人さま、可愛らしいです。

はい、これで両耳のお掃除終了いたしました。
リラックスできましたか？

できたみたいですね。
もう、少し眠そうにしていらっしゃいます。
そのまま目を瞑ってゆっくりお休みください。
では、おやすみなさい。

・台本（ゆるボイ！）
夜、訪ねてきたメイドさんに耳かきしてもらう話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
魚河岸