主(あるじ)、本日もお疲れ様です。

主のおかげでまた一つ、国が救われましたね。

あの魔物の軍団をよくぞお一人で倒しきりました。

そう、ですか…主は謙虚な方ですね。

は、はっ！申し訳ございません！

その、この姿でいた方が、主の身の回りのお世話をできると思いまして…！

今は人間態でいることを、お許し願えますでしょうか？

はっ…！ありがとうございます…！

では、主…こちら、白湯(さゆ)でございます。

お熱いので、どうぞお気をつけてお召し上がりください。

いえ、これくらいは…

わたしは主のお役に立てればそれで良いのです。

無論、剣として主とともに戦うことが、本来の役割である事は重々承知しております。

しかし…わたしはもっと主の役に立ちたいのです。

はい。せっかく人としての姿を持つ以上、主のために何かできる事はないかと思いまして…

幸い、このデュランダルには最低限の人としての知識が備わっております。

そう考えました結果、主の身の回りのお世話をするのが一番かという結論に至った次第です。

出過ぎた真似をしたことは謝罪します。

ですがどうか、主のお世話をすることをお許し願えませんでしょうか…！

は、はい…！ありがとうございます！

このデュランダル、誠心誠意、主に尽くします！

それはそうと主…このあいだ、エクスカリバーに何かされませんでしたか？

その苦虫を潰したような顔…

やはり何かあったのですね。

差し支えなければ、お聞かせくださいませんか？

…なるほど。つまり主は彼女に迷惑をかけられて困っている、ということですね。

あの女…傲慢であるだけでなく、主に迷惑までかけるとは許し難い…！

主、恐れながら申し上げます。

彼女…エクスカリバーとの契約は破棄した方がよろしいかと。

はい。無論、彼女が聖剣で一、ニを争うほどの強大な力を有していることは理解しているつもりです。

しかし、いくら大きな力を持っていようと、臣下であることを弁えず、私利私欲で主に迷惑をかけるなど言語道断。

いえ、迷惑をかけるだけでは飽き足らず、強大すぎるが故に、主を害する可能性もございます。

主、どうかエクスカリバーをお手元からお離しになってください。

あ、いえ！主の力量を疑っているわけではなくて、その…！

わたしはただ、主の御身が心配なだけです…

…ッ、左様でございますか…

致し方ありません。

主、臣下の非礼をお許しください！

(キス)

主…これでわたしとの繋がりが少し強化されましたね。

はい。主にはこのデュランダルの加護を与えました。

この加護があれば、誰も主に好き勝手に触れることはできません。

触れられるのはわたしだけです。

主の護衛は、このデュランダルがいれば十分かと。

どんな物を斬ろうと刃こぼれ一つしない、不滅の剣…

それがこのわたし、デュランダルです。

主…貴方のお役に立てるのは、わたしだけです。

わたしを常にお手元に置いてくだされば、必ずや主を守ってみせます。

どのような敵が現れようと、傷一つつけさせやしませんから…！

ですから主…早くわたしだけを選んでください。

絶対、後悔させませんから…ね？

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレな聖剣に愛され過ぎて道具をただの道具として見られない〜忠臣・デュランダル編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎